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G07「ナンバープレートが赤い」R05

真宵が甘かったっす。あんな失敗するなんて想像もしてなかったっす。


「は、恥ずかしいよ〜。」


ちとちゃんは耳まで真っ赤。

放課後のじおげ部の活動は休んで、2人でうちまで来たっす。

で。今、うちの従業員更衣室には2人きり。


「恥ずかしいのは最初だけっす。すぐ慣れるっすよ。」


「だ、だって、千登世、こんなの、初めての経験で……。」


「天使っす! こっちっす。」


ちとちゃんの肩を押して姿見で確認。


白のシャツブラウスに紺色のリボンタイ。同じ色のサーキュラースカート。

細かいチェックのエプロンは背中のおっきなリボンと肩紐で結んであるっす。


つまり、メイド服ってやつっす。


「きゃー、ダメ、これはダメなやつ!」


鏡の方を一瞬だけ見て、すぐ顔を手で覆っちゃったっす。

そのまま背中を向けて、しゃがみこんじゃった。

大失敗っす。

予想以上の美少女っぷりに、真宵、頭がクラクラするっす。


でも最後まで頑張るっす。


「ちとちゃん、そのままっす。」


ちとちゃんにフリフリの白いカチューシャを着けるなら、小さくなってる今。


「ふー、完成っす。」


我ながら力作っす。額の汗は、カチューシャを着けたからっす。別に興奮してないっす。


「ほ、ほんとに似合ってる?」


「真宵、コーデの天才っすよ?」


「じゃ、じゃあ……。」


そう言って、ちとちゃんは立ち上がったっす。


「ぴゃぁぁあ」


ちとちゃん、ちょっと壊れたっす。


でも、真宵の作品はカンペキっす。

もう、思い残すことが無いっす。


「ね、ねぇ。制服が先週と違うよ?」


「そろそろ変えようか?って話をしてたタイミングだったっすよ。」


「そ、そうなの?」


ごめん、うそっす。

ちとちゃんが先週来たあと、緊急家族会議が開催されたっす。


「ちとちゃん、超美少女でしょ? メイド服にしたら、お客さんマジ爆増するよ?」


「うん。真宵の言うとおりだわ。パパ、メイド服発注しましょ。」


真宵の提案にママが親指立ててオーケーしたっす。

念願のおそろの衣装で、今週から『ちとまよ』の活動開始っす。

ただし。

ちとちゃんの胸元には『研修中』のバッジが着いてるっすけどね。

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