寝言は一人の時に言え!
なろうラジオ大賞6 参加作品
テーマは「寝言」
「おい凪! もう朝だぞ、起きろ!」
「う〜」
俺の登校前の日課は、凪の部屋に寄って起こすところから始まる。
「また遅刻するっての!」
「もう少し……だけ」
この娘は昔っから朝が弱い。
初めて会ったのは小学生の頃。
その頃から寝坊癖が直らない。
「ほら、行くぞ!」
「う〜〜」
凪の親が心配して、寝ぼけて変なところ行かないように、一緒に登校してと頼まれ、はや10年……
高校生になっても変わりゃしない!
「いい加減にしろよ、俺だって大変なんだよ」
「ごめん」
俺が強く言ったからか、最近はちゃんと起きて登校するようになったが、そのかわりに……
「おい、起きろってば!」
「すぅ……」
授業中に寝るようになりやがった!
まあいいや、授業中の居眠りなら本人のせいだから、俺には関係ないし。
そう思っていたのだが……
「う〜ん、もう食べれないよぉ」
寝言いうようになった!
何度も俺の席から起こすのだが、先生に見つかる時も多く、叱られるのだった。
しかも、
「待ってよぉ、亮君」
俺の名前を言うようになった!
勘弁してくれよ。
そのうち寝言は悪化し、
「亮君、ボッコンチーニ食べてる、いぃなぁ……私もぉ」
夢で俺は一体なにをしてるんだ?
ボッコンチーニってなんだよ!
放課後、凪に注意する。
「恥ずかしいからやめろ!」
「え〜 そんな事を言わないよ、私」
「じゃあ、今度録音しておくぞ」
「いいよ」
次の日、
「ぅ〜ん」
始まった。
「南極は寒いよぉ……亮君、抱きしめて、温めてよぉ!」
こいつ! なにを!
放課後、
「ねえ、私、なんて言ってたの?」
「……」
「ほら! 寝言なんて言ってないもんね」
聞かせられるか、こんな恥ずかしいの。
そしてついに……
「ぅ〜ん」
「誰だ? 授業中に寝てるのは?」
先生にバレた!
しかも、授業を中断して耳を澄ますのだ!
静まり返る教室。
頼む! 起きてくれ!
俺の名前は言うなよ!
しかし、心地よく寝息をたてる凪の口から、
「亮君……いつ、告白してくれるの?」
なっ!?
「好きだよぉすきすきすキスして!」
!!
「……起こしてあげなさい」
「 は い 」
クラス公認のカップルが誕生した瞬間だった。
この事を後で話したら、悲鳴を上げて気を失った凪。
その後、寝言でも叫んでた。
この件以来、凪はちゃんと起き、居眠りもしなくなった。
ただこうやって二人でベンチに座っている時は気が緩むのか、俺に体を預けて夢の中へ。
そしてまた寝言。
「大好き!」
二人っきりならいいか?
でもやっぱ恥ずかしいから、
寝言は一人の時にしてくれ。
…………どうしても、ありきたりなネタになってしまう「寝言」というテーマ。
期間中、リベンジでもう一作、投稿したいですね。