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第1章

初めて小説を書きました。拙い文ですがお願いします。

趣味程度のものなので気が向けば投稿します。

長期連載予定です。

まるで星が降るように、とても幻想的で綺麗な夜空だった、熱い夜。

辺りには真っ赤な薔薇が咲き乱れていた。

血まみれのドレス。地面に散らばる宝石。

ふわふわして長い、銀色の髪。

雪のように白い肌。

上を向いていた女の子が徐々にこちらを見た。桃色の小さな口を開けて、微かに笑った。

 「私をずっと、覚えていてね」





***






ピリリリピリリリ_..

やけに大きく聞こえた目覚ましの音で目が覚めた。

(、、、またこの夢。)

もう何十回もこの夢を見ている。

この夢にはいつも出てくる女の子が居て、ふわふわして長い銀色の髪。雪のように白い肌。血まみれになったドレス。顔はハッキリと見えないけれど、女の子はいつも最後に

 「私をずっと覚えていてね」

と言う。

私はきっと、この女の子を知っている。


そんなことを考えながら学校に行く準備をする私は

麻倉莉奈。16歳。

どこにでもいる普通の女の子。とは少し違って私には親がいない。天涯孤独ってやつかな?物心が着いた時からこの「青嵐」という孤児院で過ごしている。別に親がいなくても平気だ。寂しくない。もう慣れた。だけどどうしてこんなにも毎朝泣きたくなるんだろう。出てきそうになる涙を堪え準備を終わらし扉の前に立つ。

「、、、行ってきます」

もちろん見送ってくれる人なんていない。


見た夢を思い出しながら通学路を歩く。

(どうしてこんなにも同じ夢を見るんだろう?私になにか語り掛けてるの?でも服装もよく歴史の教科書に載ってる貴族が着ている様なドレスだったし、そもそも今どき銀色の髪なんて。コスプレじゃないと有り得ない。、、でもなんであの女の子にこんなにも親近感が湧くんだろう。なんであの女の子を見るとこんなにも_...)

と考えていた瞬間、いきなり目の前に一匹の蝶が現れた。

その蝶は赤く輝いていて、思わず目を細めてしまうほどだった。

(こんな蝶がいるなんて。現実世界では有り得ない。)

でも私はまるでその蝶に導かれるように着いて行き、横断歩道を渡っていた。赤信号だとも気付かずに。

ハッとした時にはもう遅かった。


キキー!!ドンッ!


鈍い音が鳴り響く。

(私今、車とぶつかった、、?)

自分でも体を制御できなかった。まるで操られたかのように。信号を見ずに渡っていた。

身体が、、燃えるように熱い。生ぬるい感触もある。

(私の血かな、、。)

頭も心臓もずっとドクドク音が鳴っている。

(あ、死ぬんだこれ。)

薄れていく意識の中で最後に見たのは、あの一番星のように光り輝く赤い蝶だった。



***



 「見てこの小さな手!可愛い!」「寝ているだけで愛らしい、、、」

ザワザワざわ...ざわ

(んん、うるさいな)

「あ!少し顔をしかめているわ!静かにして!リナ様が起きるでしょ!!」

(え?''莉奈''様?私の名前を呼んだの?一体誰が??)

恐る恐る目を開けてみる。

目の前には3人ほどの女の人がいて、皆コスプレのようなメイド服を着ている。

(え?ドッキリ?)

天井にはとても綺麗でゴージャスなシャンデリア。

左を見れば棚にルビーや壺が沢山並べられている。

ふと私の手を見て、、

(ち、小さい!何これ!まるで赤ちゃんの手みたいに。

なにか喋ろうと思っても上手く舌が回らない。

そもそも歯がない!起き上がろうにも首に力が入らない!)

「うわあああああああん!!(なにこれーーー?!?!)」




***




 ここに来てはや5ヶ月。色々と分かったことがある。

まず、私は前世の記憶を持ったまま転生したらしい。

(ノベルマンガでよく見る展開ね、、、

名前はリナ・モアラ・サラント・ルージュリア。

長い。しかも''リナ''って名前、前世と同じじゃない。偶然?

そしてこのモアラ帝国唯一の姫らしい。

つまり皇帝陛下の娘ってこと。

後もう一つ分かったことと言えば、この世界には魔法があるって事!

本当に異世界みたいだよ。

なにより皇族に生まれ変わるなんて、、、

最高すぎない?!見るからにお金持ちそうだし!メイドの人達に世話してもらえるし!一生遊んで暮らせるんじゃ?!

って思ってたけど多分そうはいかないよね。

5ヶ月経ったのにまだお父さんとお母さんに会っていない。、、会いに来てくれていない。本当に一人娘が大事ならこんな放ったらかしにする訳無いよね。

夢のお金持ちライフは無しか。あーあ。前の人生では家族がいたこと無かったから今世ではって思ったけど。これじゃ居ても居ないのと同じじゃない。

前世は親が居なかったからどういうものか分からない。

けどこの世界にお父さんとお母さんがいるのなら。

前の人生でできなかったことを沢山したい。他愛もない会話をしたり、休みの日には何処か出掛けたり。

こうなったら仕方ない。私から会いに行ってやろうじゃない!

その前に歩けるようにならないと(汗))




***




_いつの間にか私は7歳になっていた。

(早い!早すぎる!!私もう7歳なの?!

勿論この7年間の間もお母さんとお父さんは会いに来てくれて居ない。メイドのエリーに聞いても濁されるし。

7年も住んでるからこの宮の構造も大体分かってきたし、ある程度体力もついてきた。沢山寝て沢山食べたからね!だから今日、お母さんとお父さんを探しに初めて自分が住んでいた宮、ラール宮なら出てみようと思う!ちゃんと抜け穴も確保したし☆)


乳母やメイドたちに内緒でこっそり抜け穴から宮を出てみる。

陽射しがギラギラしていてとても暑い。

(何処にいるんだろう。ラール宮の外に出たのは初めてだからいまいち分からないや。)

と思っていたら、ふと目の前に赤色の蝶がヒラヒラ飛んできた。

(あ、この蝶って、、。)

私はまたその蝶に導かれるかのようについて行った。

身体が操られて勝手に動いている感じはするけど、前とは違って意識がある。

 

(だいぶ歩いたかな?疲れた、、、。)

沢山歩き回って色々なものを発見した。

薔薇が沢山咲き誇っている薔薇園。

ライオンの象から水が吹き出ている噴水。

何処も彼処もキラキラ輝いている。

私は本当にすごい世界に転生したんだなとしみじみ感じる。

するといきなり蝶が飛ぶのをやめた。

目の前には小屋と言うにはデカすぎる、大きな建物があった。私が住んでた孤児院ぐらいのデカさはあるのでは、、。

いつの間にか赤い蝶は居なくなっていた。

周りに人の気配は無い。

(とりあえず入ってみようかな?)

ガチャと静かに扉を開けてみる。

するとそこにはたくさんの花が咲いていた。

(な、なにこれ!部屋の中に園庭?!)

向日葵、チューリップ、勿忘草、エーデルワイス、バーベナ、ブローディア。

前の私はフラワーアレンジメント部に入っていたから大体の花は分かるなぁ。と思いながら少し歩いてみることにした。

少し奥に行くと等身大の鏡が置いてあった。まじまじと自分の姿を見てみる。

ふわふわして少し天パ気味の銀色の髪。宝石のように輝く赤い瞳。とても白い肌。桜色の小さな口。

誰がどう見ても可愛い。自分で言うのもあれだけどほんとに、とても整った顔をしていると思った。

私がこの顔ならお母さんとお父さんはどんなに美形なんだろう。ますます会いたくなってきた!


もう少し奥の方に進んでみるとまた扉があった。

だれも居なかったしここも開けてみていいよね?と思いながらまた静かに扉を押してみる。

そこには机やソファが置かれている部屋だった。

まるで作業部屋かのように机の上には沢山の紙やペンが置いてあった。

するとソファの後ろ部分に少し足が出ているのが見えた。

(誰かがソファでくつろいでいるのかな?誰もいないと思ってたのに。)

恐る恐るソファに近づいてみる。


サラサラした銀色の髪。長いまつ毛。透明のような肌。透き通った鼻筋。小さな口。

とても綺麗な顔をした男の人がソファで寝ていた。

とても綺麗な顔。男の人と言っていいのか分からない。それぐらい怖いほど整った顔をしている。ソファもとてもでかいのにそこから足が出ているのを見るとこの男の人の身長はだいぶ高いだろうな。

(そういえば銀色の髪は皇族の象徴だと前にエリーが言ってたっけ。それじゃあこの人がお父さん、、?)

そう考えているといきなり男の人が眉間に皺を寄せて苦しそうな顔をするから

(大丈夫かな?)

と思い思わず頭を撫でようとした瞬間


パシッ!

いきなり手首を掴まれた。びっくりして男の人を見ると、男の人はさっきよりも険しい顔でこっちをじっと見ていた。よく見ると目の下にクマがあった。

(あまり眠れてないのかな?)

「いつからこんな虫ケラがここにいたんだ?」

とドスの効いた声でこちらをにらめつけながら言ってきた。

ドクン_と小さく胸が鳴った。

(怖い...。この人とても冷めた目をしていて。背筋が凍るような感覚がした。髪の毛の色を見れば私が誰だか分かるはずなのに。

先代皇帝、つまりおじいちゃんはとっくの昔に亡くなっているし、お父さんには兄弟が居ない。

先代皇后は確かラルトス公爵家の令嬢だったはずだからお父さんと血は繋がっていない。

だとしたら私は間違えなくお父さんの子だ。)

だけどいきなりの事で声が出ず、私が黙っているとお父さんは私の目をじっと見て、何かを考え込んでいるようだった。とても小さな声で何かを呟き、

「その目、どこかで見たことがあるな」

と次は私にも聞こえる声で言った。

(目?)

と思ったけどまたお父さんが口を開いた。

「お前、俺が誰だか分かるか?」

と聞いてきた。私は咄嗟に

「お、お父さん!」と、叫んでいた。

しまった。と思い直ぐに

「だって髪の毛の色が同じ!銀色!」

と言った。それでもなんだか浮かない顔をしていた。

(え、私何か間違った?間違ったこと言った?呼び方を変えた方がいい?陛下の方がいいかな?でもお父さんであることには変わりないし。私はまだ7歳だし子供っぽく「パパ」の方がいいのかな?その呼び方憧れていたし。)

「パ、パパ?」

と言うと「ふむ」ととても小さく呟き

「悪くないな」

と言った。

(こ、こいつ、、馴れ馴れしい奴がタイプか!良かった!殺されるかと思った!!!!)

と安堵していると

「せっかく来てくれたんだ。少しお茶でもしよう」

と私の手を掴んだまま立ち上がり、椅子に座らせてくれた。

(え!?いい!お茶なんてしなくていい!私の目標は達成したんだし!何よりもうここに居たくない!パパは気づいているか分からないけど私を見る目はとても冷めていて娘にする顔じゃなかった!しかも何だろうこの感じ、、。冷や汗が止まらないし手の震えも収まらない。)

しばらくお互い黙ったまま対格の椅子に座っていると、コンコン、と扉を叩く音が聞こえた。

(た、助かった!誰か来てくれたんだ!)

と思ったのも束の間、少数のメイドが来て机の上にクッキーやケーキやらデザートとパパの前には紅茶、私の前にはミルクを置いてすぐ出ていってしまった。

(わ、私をここに置いていかないで!)

若干泣きながらミルクを飲んでいると

「名前と年齢は?」

と聞いてきた。

(娘の名前と歳が分からないんだ。それもそうか、ずっと放ったらかしにされてたし。)

「リナ!7歳だよ!覚えておいてね!」

と少し大きめの声で言った。できるだけ笑顔で。

(本当に、パパは気づいているのか分からないけどずっと殺気を感じる。パパから。)

私は無害ですよ〜の意味を込めてずっとニコニコ笑っていた。

(そういえばこれもエリーから聞いた話なんだけど

「グリード・モアラ・サラント・リージュリア。

 これが姫様の父親、皇帝陛下の名前ですよ。とても優しい方です。」

と言っていたな。優しいってどこが?!?!めちゃくちゃ怖いんですけど!今にも私を殺しそう。

早く私を帰して〜〜〜泣)

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