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少女・愛人・文化祭

作者: 黒銘菓

 神結(かみゆい)高校文化祭、通称:簪祭(かんざしさい)

 今日はその当日。私達のクラスの催し物は演劇。(じき)に開幕だ。

 「さぁ(りょう)監督、何か一言!」

 体育館裏、私にスマホを向けるのは放送部の(かがみ)

 製作記録係の彼と監督の私は本番にやる事がない。

 「劇作家兼監督の(りょう)です。思いを込めた劇なので、見てね」

 「OK!

 にしても、あんなの考え付くなんて凄いね。」

 鏡から純粋な目を向けられて私は少しだけ動きが止まった。

 「まぁね。お子様の鏡と大人の私じゃ経験値が違うんだよ。」

 体育館の裏手の扉を開けて舞台裏へと歩いて行った。




 髪結高校の教師(つがい)は劇を見ていた。

 舞台上には自慢の教え子達。

 練習の時は『内緒』と蚊帳の外にされ、彼女に台本を見せて貰っただけ。

 内容は実に高校生(子ども)らしい恋愛劇だったが、自主的に動いていた皆は大人びて見えた。



 「先生が好きなの。

 貴方にとっては患者の一人で子ども。

 でも私にはたった一人。親も友達も本当の自分を理解してくれない中で認めてくれた、救ってくれた、たった一人なの。

 私は、貴方を愛しているの。これは嘘でも遊びでもないの。貴方じゃなきゃ駄目なの!」


 『誰も少女の愛を知らない』

 孤独でないフリをして、人に合わせて生きていた少女が病気で倒れ、既婚者の担当医師に恋をして、二人が堕ちていく話。

 舞台の上では今、医師が少女との関係を終わらせようとしている。

 少女は決して譲らなかった。


 その劇は見せて貰った台本とは似ても似つかなかった。

 少女の台詞は最近聞いたばかりのものだった。


 「最近の高校生って凄いのね」

 隣で妻はすっかり魅了されていた。

(つがい)は簪祭に妻を招待していた。

 元々病弱だった彼女は文化祭を体験した事が無く、渡した招待状を毎日の様に眺めていた。

 そして、妻は今も何も知らずに劇を劇として楽しんでいた。

 私は結局劇を最後まで楽しめぬまま、閉幕していった。。


 《簪祭終了後》


 劇は大成功。片付けをしながら皆騒いでいた。

 そんな中、人気の無い校舎の片隅で。

 「あの劇はどういう事だ?」

 先生が怒ってた。

 「私の気持ちですよ。

 私は番先生が大好き。その気持ちを台本にしました」

 私は、多分笑ってる。

 自分の気持ちをこうして形にする事が、こうして愛しい人に伝わった事が、真剣な眼を向けられている事が堪らなく嬉しい。

 「兎に角、君は生徒で僕は教師。

 これまでもこれからもそれだけだ」

 逃げる様にそれだけ言って、先生は去っていった。

 私はその姿をただ見送った。






 「絶対に、だめ」

 その言葉は誰にも届かない

 なろうラジオ大賞の『文化祭』を書こうとして、その時偶々『愛人』という曲を見かけて何故かこうなりました。


 ちなみに、文字数がもっとあれば詰め込んでいました。

 具体的には鏡を女の子にして番先生の浮気相手2にして、最後には鏡が凉を階段から突き落とし、番先生は無事妻にバレて階段落ち、位に。

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