ええ!?日本って世界最長記録の不景気を更新中!?
「ってなわけで日本って国は世界最長記録の不景気を更新中なんですわ」
「どういうこと!? アベノミクスという好景気あったやん」
「それね、GDP不正改ざんで好景気じゃない事になってるから」
「え? じゃあいつが最後の好景気だったん?」
「1991年2月」
「は?」
「バブル景気」
「でも、ほら、1995~1997年頃に景気が盛り返してきた期間あったでしょ」
「そこは議論の割れるとこだな。『IT革命景気』って言われてる。PC買って、Windows95買って、プロバイダに加入して、インターネットに接続して、プリンター買って、デジカメ買って、PHS買った時期や。『日本社会で最後に物がまともに売れた』とまで言われる時代や。でもその期間は絶賛デフレスパイラル中で好景気とは呼べないらしい。まあ……仮に最後の好景気期間を1997年3月までとしても世界最長の不景気になることに変わらへんで?」
「はあ」
「イザナミ景気はどう?」
「イザナミ景気というのは文字通りゾンビ景気や。2001~2007年はデフレ下の景気で低成長でとても景気がいいと呼べるものじゃない。いざなみって神様は黄泉の神様でこれ皮肉やで?」
「そっかー」
「二番目の最長不景気は23年間で19世紀末の大英帝国なんや」
「へえ!」
「英国って国は七つの海を支配したけど蒸気機関に固執した上に物を作りすぎて長期のデフレになって第二次産業革命、つまり電気製品へシフトする産業革命に遅れたから衰退したんだ。第二次産業革命ってちなみに発明王エジソンが起こしたと言っていい」
「へえ!」
「感心してる場合か! 日本も同じやで?」
「は?」
「日本はこの1995年から始まったIT革命、つまり第三次産業革命に出遅れていまだに『20世紀』のままだから国が衰退してるんや」
「同じやん」
「やろ? 日本人って歴史から何も学べないアホなんやで?」
「1997年って、じゃあ今の子供は……いや、大人もだけど『好景気』という意味すら分からなくなってるってことやん」
「そうやで? 2022年現在で30歳未満の人はおそらく幼少期あるいはまだ生まれてないから好景気というものを体感したことが無い」
「そっかー」
「日本に観光する外人の目的の一つには『20世紀末』で時空間がぴたっと止まった稀有な国を実体験したいからなんや」
「タイムトラベルやん!」
「そうやで? 日本はいろんな意味でタイムトラベル出来る国なんや。お前さんが持ってるスマホを抜いてみ? 機器のスペックを度外視したら『20世紀末』で止まってるはずやで。1999年と今を比べてみ? 何が違うんや?スマホとSNSというどうでもいいもんが追加された生活になってるだけやで」
「ほんまや」
「こんな事に気が付かない日本人はアホなんやで?」
「なんでこんなみっともない国に甘んじたんや?」
「お前さんも含めて日本人がアホだからやで。今のままでいいという現状維持が衰退を引き起こすんや」
「「日本終わってる!」」
・史上2番目の不景気を英国では「大不況」と呼ぶ。それでも1873年-1896年という23年間である。しかもこの時期は大英帝国としての最大版図にして黄金時代(黄金時代は「ヴィクトリア時代」ともいうが「ヴィクトリア時代」は1837年から1901年としてるので厳密にはずれる)なので不景気と英国人は認識していない。この大不況があったから日本は英国領日本にならずに済んだともいえる。逆に当時の中国は香港の周辺はおろか上海のあたりが英国の半植民地になってしまった。
・1997年3月を最後の好景気とした場合、日本は2022年8月時点で25年もの世界最長記録不景気を更新中
・1991年2月を最後の好景気とした場合、日本は2022年8月時点で31年もの世界最長記録不景気を更新中
・厳密にはブラウン管テレビが液晶テレビに変化してますがだとしても液晶テレビとスマホの2つしかこの25年変化してません。むしろ限界過疎・シャッター商店街など地方に至っては滅んでいます。