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【詩集】Shangri-La

雨の日に君は

作者: 野鶴善明


 雨の日に君は

 土手の上を歩いていました

 傘をさしていたから

 顔は見えませんでしたが

 それでも僕は

 君だとわかりました

 二階の勉強部屋の窓から

 僕は君に見とれました

 雨が降らなければ

 君の顔が見えるのに

 僕はただ君を見つめていました


 風の強い日に君は

 土手の道の向こうからやってきます

 僕は犬を連れて

 土手の上を散歩していました

 君だと思った瞬間

 僕はどきまぎして

 犬の綱を持つ手が震えました

 ちらっと君を見て

 また顔を伏せます

 いたずらな風は

 君のスカートを揺らしていました


  雲を眺めては君を想い

  星を眺めては君を想います

  一言だけでいいから

  声をかけたいと思うけど

  そんな勇気はどこにもなくて


 心地よく晴れた日に君は

 大きなバックを持って

 土手の上を歩いていました

 都会へ行くのだと

 同級生の噂で聞いていました

 僕は家からあわてて飛び出しました


「重そうだね。手伝おうか」

 僕は君へ言いました

「ありがとう」

 君は僕に荷物を渡します

 川縁には

 さわやかな風が吹いていました

 君はクラスメイトが手伝ってくれたと

 ただそれだけのことだと思ったでしょう

 ですが

 僕にとっては

 宝物のような思い出になりました

 いまでも

 いつまでも

 忘れられない君のえくぼ


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― 新着の感想 ―
[良い点] 今度はこう来たか〜! くうっ! 流石です! 野鶴さまの詩は、やはり琴線に触れてきます! すごく良い! 大人っぽいのも良いけれど、こういったピュアな感じも良いですね。 いつも勉強させてい…
2021/08/29 08:44 退会済み
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