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Fantastic Syndrome  作者: こまき
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Story07 悪夢 : 耳鳴りが鳴りやまない

―― やぁやぁ、旅人くん。ご機嫌麗しゅう! ――

やけにフレンドリーにツナギ服の少年が旅人に話しかけます。


返事をしようとしたら、もごもごとした音が零れ落ちました。

口調と整った容姿に服装が全くチグハグな少年にどう対応して良いのか旅人は焦っているようです。



何だろう、この感じは



―― 何をそう変な顔をしている。別にとって食いはしないぞ。 ――

心底愉快だと言った顔で笑います。

からかわれていると分かっていても、苛立たないのはこの少年の雰囲気の所為なのでしょうか。



あぁ、何かが引っかかる



―― 最近暇をしていたんだ。今日は旅人くんに出会えて嬉しいよ。 ――



もう少しで届きそうな



―― そんなにジッと見られると、ボク穴が開いちゃいそうだよ。 ――



ほんの少しの違和感



―― ねぇ、旅人くん聞いている? ――



あぁ、この少年は・・・



―― なんだ?ボクの事が知りたいのか? ――

吸い込まれそうな瞳を輝かせ少年は言います。

旅人のココロの動きを読み取ったかのように少年の違和感が増幅していきます。



―― 簡単には教えてあげないよ。だって、簡単に教えたら詰まらないじゃないか。 ―― 

カラカラ、カラカラ

笑い声が響き渡ります。


ボクはいつだって身近な所に隠れているんだから

見つけ出してみせてよ。本当の〝ボク〟を



―― ねぇ、旅人くん? ―― 

耳元で楽し気で甘い声が聞こえた


耳鳴りが鳴りやまない

手遅れになる前に〝僕〟を見つけることなんて出来るのかな?


この場で誰も声を発していないことに気が付いてしまった。



07 悪夢



―― 気付いた時にはもう遅い。だったボクは ―― 悪夢 ―― だ ―― 



嘲笑う様な声だけが旅人に届いた


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