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Story06 微酔の夢 :おやすみ。どうか、良い夢を
僕の声はいつだって君に届くことはない
君と僕との距離は、いつまでも縮まらない
廻る廻る廻る
君の声はいつだって僕に届くことはない
僕と君との距離は、いつまでも縮まらない
堕ちる堕ちる堕ちる
届いてほしい 遠ざかりたい
届いてほしくない 近づきたい
逆さま逆さま逆さま
想いを声に出したら、手のひらから零れ落ちた
零れ落ちた言葉は、地に染み込んで花になり
零れ落ちた言葉は、空に浮かんで星になり
零れ落ちた言葉は、海に溶けて霧散する
僕の想いはカタチを変えてしまったんだよ
だから、僕は唄おう
想いが伝わるようにと
だから、僕は祈ろう
いつの日か届くと信じて
だから、僕は願おう
どうしても、君にあいたい
綺麗な唄が聞こえた気がした。
おやすみ。どうか、良い夢を
そう言って子守唄を運んでくれたのは誰っだったのか
この唄を〝あの子〟と〝その子〟に伝えてあげたかった
06 微酔の夢