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第三話 冒険者教会へいきました

誤字脱字、文のおかしなところを報告していただけると助かります。

一夜明けて、冒険者協会に足を運ぶことにした。


途中通った商業地区はとても賑やかであちこちで客を呼ぶ声が響き、

「そこのお兄さんこのりんがはどうだい!今朝採れた新鮮なやつだよ!!」

「にいちゃんこの魚どうだい!!これは大物だよぅ!!」

色んな人に声をかけられ断るのが大変だったが、いい意味で活気のある光景である。


そんな商業地区を抜け、レーナの案内の下、冒険者協会に着くことができた。

大通りに面しているその建物は、ほかの建物よりも一回り大きくそしてその大きさ故にものすごい存在感を放っている。



「そんなに珍しい物じゃないわよ。さっそくはいりましょ!」

その佇まいに見とれていると、それを見たレーナがあきれて言った。

「お、おう」

その声で我に返った俺は早速ドアに手をかけ開いた。




「ようこそ、冒険者協会へ!」

中に入るとすぐにあるカウンターから受付のお姉さんが笑顔で挨拶してくれた。


うん異世界。

一番の感想がそれだった。

扉を開けた瞬間に広がる光景は、昔ゲームをしながら夢見たその光景である。

正面には受付があり制服を着たお姉さん。左には酒場のような場所にたくましい男たちが座り、右には依頼が貼ってあるだろう掲示板と睨めっこをする人たちで人だかりができている。


「レーナちゃんじゃない!今日も元気そうね」

ふとその人だかりから声がかかる。

「こんにちはゆりねーさん!」

レーナは笑顔でその声に答えた。知り合いなのだろう。


「レーナの嬢ちゃんじゃねーか、なんだ男捕まえてきたのか?」

次に声をかけてきたのは大きな男。

「どーも、ゲイル。違うわよ昨日ガリュウに絡まれてたところをこの人に助けて貰ったからそのお礼にここまで案内してきただけよ。」

どうやらゲイルと呼ばれた男は俺のことをレーナの恋人と勘違いしたらしい。いや、それとも知ってからかったのだろうか。


そんな軽い会話を済ませたレーナは

「さ、冒険者登録しにいこ!」

と言って楽しそうな表情を見せた。

「お、おう」

その表情に俺は不覚にも可愛いと思ってしまった。

リアルの俺とは違って友達多いのかな。



レーナにつれられ受付へ向かうとお姉さんがニヤニヤした顔ではレーナに話しかけた。

「レーナちゃんじゃない今日はどうしたの?男の子なんて連れてきちゃって」

「だあからそんなんじゃないですって、この人が冒険者登録したいらしいから昨日のお礼にここまで案内してきただけよ」

なんか勘違いされやすいなうん。

そんなそんなことを思っているおれをよそに会話が進む

「昨日のお礼?」

「ガリュウに絡まれてたところを助けてもらったんですぅ」

さっきも同じ説明をしていたからだろうか、投げやりになってきている。

「ガリュウさん!?あの人の素行は見過ごせるものではなかったけれど実力は確かで誰も手を出せなかったはずじゃ?」

どうやらあいつは本当にここら辺では強かったらしい。

「そのガリュウの秘奥義を指一本で止めてた人よこの人」

「レーナちゃんの話とはいえ流石にそれはちょっと信じ難いわね」

と言いながらこちらを見てくる。疑いの目といったところだろうか。

「ま、いいわ!」

疑いが晴れた、と言うわけでは無そうだがレーナの顔に免じてそれなりに認めてくれたといったところだろうか。

「それよりも君、冒険者登録しにきたんでしょ?人が来る分には大歓迎よ!名前はなんて言うの?」

「ゼクシスと名乗っています」

「やっぱり聞かない名前ね。じゃあとりあえずこの用紙に必要な情報を書き込んでねー、嘘書いても後でバレるからダメよ?」

そういって紙とペンを渡された。

そこには冒険者登録受験票と書かれていた。どうやら冒険者にすぐなれると言うことでもないらしい。

「受験、ですか?」

「そーよー、あまりにも冒険者に向いてないとか弱すぎるとかそう言う人が出てしまうと色々大変なのよね。命の危険がある職業だから少しでもその危険を排除したいのよ」

なるほどそう言うことか。

俺はそれに納得しペンを進めた。



ん?職業?え、もしかしてこれ全部書かなきゃダメ?

職業、それはラプラスにも存在した。そして俺にも当然職業がある。それは問題ない。まずいのはその数。俺の職業は334個。ラプラスに存在する全ての職業を持っている。

全ての職業を覚えていないわけではないがこれを全て書こうとすると確実にこの欄からはみ出してしまう。

かといって嘘をつくわけにもいかない。後でバレるらしい。

んー、、


悩みに悩んだ末こう書いた。


完全習得者


この名前はラプラスの中で俺が言われていた二つ名とでも言おうか。決して嘘というわけではないし。多分大丈夫でしょ。嘘じゃない。うん。


「かけました!」

そういって書いた紙をわたした。

「んー、、かんぜん…しゅうとく…しゃ」

やっぱりダメだったかぁ。だってしょうがないじゃん多いんだもん。

「聞いたことない職業だけど、新種かしら」

お、この線いける??

「あまり聞いたこのないって言われますね。もしかしたら珍しいのかも。あははは」

よしこれっ大丈夫でしょ。

「まあ、嘘をついていないのならそうなのでしょうねえ」

また疑いの目をかけられた。ぼ、僕悪いことしてないもん。多いだけだもん。

「ま、嘘なら後で分かるしいっか」

あ、なんか許された。


「じゃとりあえず今日のお昼過ぎごろに試験があるからそれまでなにしててもいいよー」

なるほど、試験は時間が決まっているのか。

「じゃあ、ついでにこの酒場でお昼ご飯食べて行こうか。試験の合格祈願も兼ねて奢ってあげるわよ?」

レーナの誘いはありがたい。ちょうどお昼前くらいだしお腹もすいた頃だ。

「じゃあお言葉に甘えようかな」


カウンターから離れ酒場へ向かうと、ちょうどお昼時なのも相まって席が埋まり始めていた。

「そこ空いてそうだね」

レーナが運良く空いている席を見つけてくれた。


「危なかったねー。ここお昼になると結構混むのよねー。」

そういってレーナはメニュー目を走らせている。

実際俺たちの座った席以外埋まったようだ。

よほど人気の酒場なのだろう。味も確かなはずだ。そう思うとお腹が余計に減ってきた気がする。

そう思い期待の眼差しで俺もメニューを開いた。


・ジヴェドラゴンの刺身

・エルドロカエルの足の丸焼き

・スト•ゼロの肝臓煮込み

    :


羅列する料理はどんな料理なのかわからない。と言うかわかりたくない。

これはきっとこのメニューがよくないのだろう。うん。きっとレーナの持っているメニューにはまともな料理が書いてあるのだろう。うん絶対そうだ。そうでなきゃ困る。

よしここはレーナに料理を選んでもらおう。

「ここのおすすめはどんな料理?」

「んー私のおすすめはジヴェドラゴンの刺身かな」

あーよりにもよって生のやつでたよ。まずいよこれ。やばそうなのおすすめされることは予想してたけどよりにもよって生のやつおすすめされちゃったよ。断りにくいじゃんこれ。おすすめって聞いちゃったもん。

「じゃ、じゃあそれで…」

あまり気が乗らないがここは仕方がない。

「おけー、じゃあ私はスト•ゼロの肝臓煮込みにしようかな」

レーナもまたヤバそうなのを頼もうとしている。

というかこの肝臓煮込みどこか聞いたことのある響きだがどこかで食べたことがあっただろうか。

この記憶はリアルの世界?リアルにこんな食べ物なかったと思うが。

うーん思い出せない。

「おじさーん!メニュー決まったよー」

俺が悩んでいる間にレーナは注文をしようとしていた。

「あいよーレーナちゃん今日は何食べるんだい?」

「私はスト•ゼロの肝臓煮込み、そっちの人にはジヴェドラゴンの刺身をよろしく」

ここで注文は終わり、かとおもったがレーナはそこに

「後エールを2つちょうだい」

と言って付け足した。

ん??エール?

「お昼から飲むねーレーナちゃん」

「今日はこの人の試験だから景気付けに一杯ね!」

「おうそうかい、にーちゃん頑張れよ!」

そう言って俺の背中をバシバシ叩かれた。

正直痛かった。

「そんじゃ、ちょっと待っててな」

そう言うとおじさんと呼ばれた男はキッチンに戻っていった。


「ところでエールって何?」

レーナが最後に付け足したエール。同じような名前のお酒がリアルにもあったと思う。まさかとは思うが…

「エールを知らないの?お酒よ?」

そのまさかでした。

いやでも試験前だし飲むのはまずいんじゃとか思っていたら。

「試験前だからって心配してるの?あなたどうせ解毒系のスキルあるでしょ。私はリペア持ってるし」

いやまぁ持ってるけども…

んー何も言い返せない。

「まぁ、持ってるけど」

「じゃあ問題ないわね」

これには納得するしかない。


そんな会話をしているうちに料理ができたらしい。さっきのおじさんが皿に盛られた料理を二つ持ってきた。

「はいお待たせー、こっちが肝臓煮込みね」

そう言って、テーブルにおいたのはゼリーのような透明な物体が真っ黒な液体の中心に浮いているもの。

「それでこっちが刺身」

二つ目にテーブルにおいたこれは意外にも鯛のお造りのような透明感のある刺身が皿に盛られていた。

しかしこれは名前的に得体の知れないドラゴンの生肉だ。見た目に騙されてはいけない。どんな味がするのやら。

「後エールね」

二つっジョッキが置かれる。


「それじゃあいただきます!」

レーナは美味しそうに透明な物体を見つめながら手をあわせた。

「いただき、ます」

俺も腹を括って手を合わせた。


皿の端にはちゃんと醤油皿っぽいものに醤油っぽい液体が注がれていた。

「これをつけて食べればいいの?」

一応きいておく。

「そうだよー」

「なる、ほど」

まぁ予想通り。ちゃんとお刺身の食べ方をするらしい。

さて、食べるか。

箸の先に刺身を挟み、液体に浸す。

いざ、参る!


パクッ


ん?この味は…食べたことあるぞ…


そう、これは

ローストビーフ!!!

さっぱりとした見た目からは想像できないこの肉肉しい味に、デミグラスソースのような味のする液体がまろやかに馴染む。

舌に広がる香りは名前からは想像できない上品なものだった。


これはうまい。

と言うことはあの肝臓煮込みも実は美味しいのでは、そう思って目の前で食べているレーナの皿を覗き込む。

やはり見た目は暴力的だ。

「こっちも食べてみたい?」

覗き込んでたのがバレたらしい。しかしこれは思ってもいない好都合。味は気になるところだ。

「そうだね、そっちも美味しそうだよね」

「そうでしょそうでしょ、一口あげる」

そう言ってスプーンに透明な物体と黒い液体を乗せる。

「はい、あーん」

え?

ちょ

え?

頭の処理がおいつかないまま、俺の脊髄は口に開けるよう命令した。


ぱくっ


口の中に入ってきたそれは…

中華スープ!!!

この黒い液体は鶏がらスープのような味わいをしてぷにぷにした不思議な食感の物体と絡み合い中華風の味わいになっている。このプニプニとした食感がまた面白い。


「美味しい」

自然と口に出る美味しさで、先ほどの脳内での処理などどこかへ行ってしまった。

「でしょーここのスープがいい感じなのよねー」

そう言ってなぜか自慢げに食べるレーナだった。



2人とも半分ほど食べた頃


ダンッ!!!


という俺たちの座るテーブルを大きく叩く音とともに見たことのある顔、ガリュウが姿を表した。

「そこを退け、席が空いてないんだよ」

こいつは面倒ごとを運んでくる系のやつかと心の中で悪態をつきながら、

「まだ食べてるんだ。大人しく待機列に並んでいろ」

と俺は跳ね返した。

「おうおう、昨日の勇者様じゃないか。昨日のアレで勝ったとか思ってんじゃないだろうな」

どうやら昨日のことを根に持っているらしい。

「あんたはどうせ俺に勝てないじゃないか」

昨日ので学習すればいいのに。

わかっている。

こう言うやつは学習をしないのだ。

「それはどうかなぁ。聞けば王都に来たばかりにひよっこらしいじゃねーか。」

「それが何か?」

日が来て浅いのは言うまでもない。それのどこが問題なのか。

「お前には俺に絶対勝てないことが一つあるんだよ。」

うーん勝てないことね…友達の数とかかな。

我ながらこの発想に至る自分がかわいそうである。

「わかんねーかぁ!ひよっこに教えてやる。それは地位だ!!!」

そう言って俺のに紋章を見せつけた。

地位とはなんだろうか。

「これはな、この王都にいてある程度強いと貴族様達に認められないともらえないんだよ!!おまえみたいなひよっこはもらえないだろうな!」

んーこの形。これとは違うが同じようなものを持っていたような…

「しかもこれは公爵家の紋章だ…これに逆らったら公爵家様に無礼を働いたのと同じになるぞ!」

レーナは諦めたかのようにその席を立とうとした。

「さすがレーナじゃないか。ちゃんと場を弁えている。おい、そこのひよっこもわかったらさっさと退け」

そう言われた矢先、

その同じようなやつを思い出した。

「あーその紋章ってこれのこと?」

そう言って取り出したのはこの王都に来る道中、ドラゴンに襲われていた少女を救った時に渡されたものだ。

「おい、そのもん、しょう…」

そういいながら次第にガリュウの顔が青ざめていく。何かを言おうとしてるのか口をパクパクさせている。


「王家の…紋章…??」


代わりに声を出したのは困惑した表情のレーナがだった。

しかしこれでガリュウの持っている紋章より地位とやらが高いことは状況からして推測できる。

「わかっただろう。もう食べたい。どこかへ行ってくれ」

そう言ってガリュウを突き放した。


慌てて帰っていくの背中を見送りながら改めて席に着くとレーナがまだ状況を掴めていないような顔をしていた。


投稿が大幅に遅れてしまい、申し訳ありません。

そしていつもより文量が少なくてすいません。

色々リアルが忙しいもので(笑)


さて、今回は冒険者協会にいくと言うあらすじです(ざっくり)

特に解説するところももないと思うので今回はここら辺で

次話は近いうちに投稿する予定です。(多分)


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