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魔導生物とは


「……でだ、お互い自己紹介も終わったし、ちょっと藍華に聞きたいんだけどよ」


「何かしら?」


「さっき新しく魔導生物を創造するって言ってたけど、今居るここは魔導生物技術研究所なんだ。でも、アリスから聞いた話だと十日くらい前に突然動き出すまでは、エンペリオンコアがどんな魔導具なのかすら判らなかったそうだ」


「なるほどね、それで?」


「なんで動かなかったはずのコアが造れる魔導生物を、この研究所っつーかアリス達ラクスター侯爵家の人間が創造出来たのか、分かるか?」


「それならすぐに説明出来るけど、ちょっとログ漁ってみるから少し待ってちょうだい」



 へぇ、過去にエンペリオンコアを使った履歴とかも記録しておけるのか、そりゃ便利だな。



「なら藍華が調べるまでアリスに聞くけど、魔導生物は今までどうやって創造してたんだ?」


「私が創造する時はいつも、魔導書を使っています。でもひょっとするとそれも、エンペリオンコアと関係があるのかもしれませんね」


「魔導書、か……」


「お待たせ、ログ確認終わったわよ」



 おぉ、サクサク調べてくれたか。


 んー、でもこうしてエンペリオンコアの性能を見た後じゃ、魔導書との関係がちぐはぐに感じるな。



「おう、お疲れ。それで、どうだった?」


「コアはキーを挿していなければメンテナンスモードしか使えないけれど、その状態でダイレクトリンクした人物が一人、今から遡って三五八年前から五十五年間、何度か使われてたわ」


「それなら多分ラクスター侯爵家の初代様、ウィロウ・ラクスターの事だと思います」


「この研究所、そんなに長い歴史があるのか」


「……いえ、ここは二代目の研究所で、初代様の建てた最初の研究所はもうありません」



 ん、なんかちょっと言うの躊躇ってたみたいだけど、最初の研究所に何かあったのか?



「ところでアイカさん、エンペリオンコアと魔導書ってどんな関係があるんですか?」


「あぁ、バックアップグリモワールなら、その初代さんが作成してたわよ」


「あっさり言ってるけど、エンペリオンコアってPCみたいなもんなのに、なんでバックアップは紙媒体なんだ?」


「だって、魔法と言えば魔導書と決まってるもの、それが様式美なのよ」


「……さいで」



 つまりアレか、藍華の拘りってだけな。



「それにしても、紋繰騎クレストレース を造った人も初代さんの発想も、面白いわね。元ネタは私だけど、アーマースキンを駆動系にしたり魔導生物で開拓だなんて、普通はなかなか思い付かないわよ」


「えっ、初代様が何をしたのか、分かるんですか!?」


「えぇ、もちろんよ。というかアリスちゃんの家に、当時の記録って残ってないの?」


「はい……」


「……何か理由があるのね。なら魔導生物とは何か、そしてコアに残されたログから初代さんが何をしたのか、それを話しましょうか」



 そう言った次の瞬間、展開した幻視魔法の表示画面に映し出されたのは、複数の実行式だった。



 藍華曰く、魔導生物は魔法やその実行式を使って構成された体を持っていて、魔物のように魔力をエネルギー源として活動する、ホムンクルスの創造と同列の人造生命体研究の産物、だそうだ。


 研究の目的は、魔獣より使役しやすくて魔石の入手も簡単な、家畜みたいな存在の創造。


 つまり、労力とエネルギー資源の問題を同時に解決しようとした、ってわけだ。


 けどその過程で、エネルギー源については別な手段が先に完成したらしくって、そこから先は純粋に色んな分野での労力を補う為に、研究が続けられたんだと。



 んで、発展の末に出来上がった分類は、大まかに二つ。


 一つは、リビングアーマーとかゴーレムとかアクティブトラップなんかの、リビングオブジェクト系。


 そしてもう一つは、スライムとかシャドウパペットとかサンダーラットなんかの、フェイクライブズ系。


 リビングオブジェクト系は無機物的に、そしてほぼスタンドアローン(独立)で動作させる用途で開発されて、主に警備として使われた。


 反対にフェイクライブズ系は有機生命体的に、エンペリオンとかセンチネリオンに搭載されたコアとの連携で、最大限の効果を発揮させるのが目的の、付属内蔵兵器として開発された、らしい。


 でも、藍華の話を聞いてる限りじゃ明らかに、最初と最後で魔導生物を研究開発する目的が、ズレてるんだよなぁ。



「そうだね、ボクもそう思うよ。最初は役に立つ家畜みたいな存在を創ろうとしたのに、どうして兵器利用に行き着いちゃったの?」


「そりゃあね、ルカールの奴にあの精神魔法でさっきの人格にされて、挙げ句の果てにはコアに閉じ込められたんだもの、手も足も口も出せないわよ」


「そのルカールってのは?」


「当時の魔法研究界では頂点に居た奴で、魔導生物研究の過程で魔石の替わりになる手段を完成させた功績が認められて、一時は私の婚約者になった男よ。名前は、ルカール・グリドルフ = アルバ・フレメルト……」


「フレメルト!?」



 なんだ、アリス達は何か知ってるのか?


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