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お宝と旅(?)仲間、あっさりゲット(ザコ敵相手に苦労するわけがない)

「おいクソガキ、今ここで手を引くなら、おめぇだけは見逃してやってもいいぜ?」


 は? ここまでコテンパンにやられて無傷なのはこいつだけなのに、何言ってんだ。


「おっさんアホか、あんたも仲間と同じように叩きのめすに決まってんだろ」


「ふざけやがって、優しくしてやりゃ調子に乗るなんざ、世間知らずなクソガキらしいなぁ!」



 ん? なんかあいつの鎧、変な光が出てるな。


 あっ、まさかこれ……パワーアシスト技術付きか!



「ひゃっほう! こんな初っ端でいいもん見られるなんて、マジでラッキー!!」


「あぁ? いきなりなにとち狂ってやがる?」


「おっさん、せめてその鎧の性能、ちゃんと発揮しろよ。でなきゃ、つまんねぇからなぁ!」


「まっ、待ちなさいっ! 危険ですっ!」


 いーやっ、お姉さん達にゃ悪いけど待たないね、せっかくこの目でこの身体でパワーアシスト技術の性能を味わえるんだ、踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損だ!


 なんて思ってても、きちんと魔法はこっそり使うし、神体能力も更に向上させて突っ込む。



(【鑑定】)



 へぇ、量産品の中でも数の少ねぇ最上級モデル、オプションの武器も連動させて魔力消費の上昇と引き換えに、運動性と攻撃力を瞬間的に跳ね上げるブーストカスタマイズ済か、いいなっ!


「その空っぽなドタマもらったぁっ!!」


「誰がやるかよ、うすのろ」


「なにっ!?」



 でもまぁ、いくら改造されてるっつっても、やっぱ神体って究極のチートにゃ敵わねぇよなぁ。



 大振りで首狙いな横一閃の剣筋なんか、読みやすくて欠伸が出るぜ、とか余裕ぶっこいて懐に潜り込んだし、せっかくのお宝が目の前にあるんだから、ここはもちろん無傷で頂きだ!


 まずは動力源の魔石を抜いて――


「ばっ馬鹿な……ぐはっ!?」


――後は動きが鈍った瞬間狙って、ガゼルパンチならぬガゼルエルボーでノックアウトってな。


「よっしゃお宝ゲットだぜっ!」


 なんか、こういうパワーアシスト技術のせいか、オレと変わらない身長なのに重い鎧と剣担いでるなんて思えないくらい、このおっさんって筋肉少なくてヒョロいんだよな。


 まぁ、普段から真面目に筋トレして鍛えてるなら、人を襲って何もかも奪う悪者なんかにゃならねぇだろうし、そのおかげで体格合わなくて鎧がゲット出来ない、なんて悲しいオチだって回避されたし、結果が良けりゃ全て良しだ!


 って、そうだ――


「あのさ、お姉さん」


「はいっ!?」


「もしかしてこいつら、お姉さん達の獲物だったり、する?」


「えっ?」


「いや、流石に人の獲物を横取りするのはどうかなーなんて思うし、もしそうだったらこのおっさんの鎧は諦めるよ」


――そうそう、状況が不利だからって飛び入り参加はしたけど、いくらなんでも獲物の横取りはマズいからなぁ。


「あ、あの……」


「ん?」


「貴方……どんな種族、なんですか?」


「は?」


「いえその、角が……」



あっ! そういやオレ今、角生えてたんだった!!



 やっべ、状況の流れとお宝ゲットの嬉しさでその辺すっかり忘れてたけど、どうすっかなぁ――


「これ、イレーヌ。助けてくださったお方の素性に、みだりに踏み込んではなりませんよ」


――うはー、こっちがやり取りしてる間に、残りの四匹も無力化しちまってるよ、お年寄り最強伝説パート2ぅ。


「いやまぁ、そりゃオレだって逆の立場だったら驚くからさ、気にしないでよ」


「我らを危機から救って下さった上に寛大なお言葉、心より感謝致します」


「えーと、その……それでこいつら、やっぱ悪者なんだよね?がいぞくって言ってたけど、なにそれ?」



 うん、あんまり丁寧にお礼言われても正直居心地悪いし、ここは一つ話を逸らす方向だなっ。



「鎧賊は普通の野盗とは異なり、先ほどの男のように魔法付与された武器や防具を持つ、より凶悪な存在なのです」


「なるほど、便利で強い道具を持ってるからあのおっさんは一人でも、あんな強気だったのか。それに、鎧が特徴的だから鎧賊って名前なんだ、納得したよ」



 でもそうすると、そんなヤバい奴ら相手にたった二人で善戦してたこの人達って、もっと強いのか。


 まぁ、あんな豪華そうな馬車の中にいる人達を守ってる護衛なんだから、そりゃ当然だな。



「ちなみに、この鎧賊共は我らの馬車をあのように足止めして襲ってきただけですので、先ほどの鎧もお譲りします」


「えっ、いいのっ!?」


「はい、むしろ先を急ぐ我らにとっては無用な物ですし、野盗や鎧賊の所持品は討伐した者の戦利品ですから、全く問題ございません」


 あー、それでもなんかちょっと申し訳ねぇ気がするし、街道を塞ぐ為に倒された木を退ける手伝いはしよう。


「ですがハウザー様、先を急ぐと言っても馬が……」


「それなんだけどさ」


「なんでしょうか?」


「馬はそのままじゃかわいそうだからこの辺りに埋めてくとして、こいつらを馬代わりに馬車を引っ張らせればいいんじゃね?」


「おお! 名案ですな!」


「まぁ、それは良いですね!」


 ケガしてる奴が多いけど、全部で11匹もいるから馬の代わりにゃ十分だろうし、ついでにこいつらをどっかのお偉いさんとかに引き渡せば、この地域の安全も守られるしな。


「じゃあ手分けして、作業始めよっか」


「なんと、この上更に手助けまでして頂けるのですか?」


「困った時はお互い様って言いたいとこだけど、実はオレこの辺りの事何も知らないからさ、アレコレ教えてもらう代わりなんだよね」


「ふぅむ……旅をしているご様子ではなさそうですが、事情をお伺いしても?」


「うん、いいよ」


 そしてオレは、この世界に来てからついさっきまでのことや、馬車を追いかけてたこと、人の住んでるとこまで同行出来るか期待してたことを、一通り話した。



 もちろん、アルフェや神様達の事とか自分の神体能力については、内緒にしたけどな。



「なるほど、貴方様がこちらに来られたのは、そういう経緯でしたか」


「えっと、その……オレは様付けで呼ばれるような身分とか立場じゃないし、職業上の決まりで面倒なのかもしれないけどさ、出来ればもうちょっと普通に話してくれるかな?」


 この人達はオレを命の恩人みたいに接してくるけど、そんな助けて当たり前な事で偉そうに威張る気になんてなれねぇし、そういう会話って逆に距離とか壁に感じて苦手なんだよな。


「あい分かりました、ではまずご挨拶させて頂きます。私の名はハウザー、お察しの通り執事を務めております」


「先ほどは命を助けて頂き、感謝致します。私の名はイレーヌ、侍女長を務めております」


「おぉ、本職のプロってカッコいいし綺麗だなぁ……あ、オレの名前は日向勇司、見ての通り突然お邪魔した流れ者、かな」


 二人共それぞれきちんと、決まった作法でお辞儀するもんだから、思わず感動して拍手しちまったけど、そうするくらい礼儀正しい仕草だったし、褒めてもバチは当たらねぇよな。


「ふむ、家名をお持ちのようですが、失礼ながらユージというお家には心当たりがございません。よろしければ、どちらの国のご出身なのかお教え願えますかな?」


「え、いや……あ、そうか名乗りが逆なのか。えっと、今名乗った日向が家名ってか名字で、勇司が名前なんだ。んで、出身は日本って国なんだけど、何か知ってるかな?」


 別な世界なのはアルフェから聞いてるけど、この世界にも何かしら縁があるかもしれないし、一応念の為に聞いとく。


「いいえ、ニホンという国名は初めて耳にしました。そして、取り違えてしまいましたが、ヒューガという家名の貴族も残念ながら……」


「いやっ、違う違う! オレ名字はあるけど、貴族じゃないから! そんな立派な身分とかじゃないからね!」


 なんかやたらと家名を気にしてたのって、そういう理由だったのか。


 はぁ……洗いざらい全部ぶちまけるのと、この先も適当に隠しながら言える事だけ伝えるの、どっちが楽なんだろうなぁ。


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