上手
上履きに履き替え教室に向かって歩き出した、3階まで上がるのって結構キツイ、春休みダラダラしすぎたかな?フーッやっと3階、毎日じゃ痩せるかな?なんて考えていたら窓から、桜の丸が見えた、キレイだなぁ、桜の円の中にグラウンドがあるから、まるでピンクのドーナツみたい。
「えっ」
自分の声にビックリして回りを見渡してしまった、なんて上手なんだろう、朝から一人で練習してるなんて上級生なのかな?
「七海ちゃん、おはよう」
私の事七海ちゃんなんて誰だろう、
「なぁーんだ、結香ちゃんか、私の事知ってる人なんて居ないはずだから、誰かと思った」
「何見てたの?」
「桜」
「どれどれ」
結香ちゃんがグラウンドを覗いて振り返った
「綺麗な桜だね」
「でしょう」
「って、桜なんか見てないでしょ?あの人見てたんでしょ?」
「違うよ、桜、桜が好きだからこの高校に決めだんだから」
「結香ちゃん、おはよう」
声の方を二人で振りかえったら、知らない男子が立っていた、
「あっ一也君、おはよう」
「えぇぇぇ、結香ちゃんの友達?」
「そう、昨日ライン交換したんだよね」
結香ちゃんはそう言って一也君の方を見て笑った
「そうそう、んで、七海ちゃんでしょ?」
「そうだけど、なんで知ってるの?」
「だって席隣だもん」
なんだ、隣の席かぁ、でも不思議だなぁ、これだけ見事に初日から制服を着崩してたら、昨日だってこんな感じなら覚えてるはずなんだけどなぁ、
「何してたの、外見て話し込んで、どれっ」
結香ちゃんと同じことして・・・
「七海ちゃんがあの子の事見てたんだよねぇ」
「だから、違うって」
「あいつ知ってるよ!」
「えっなんで、同級生なの?サッカーやってたの?」
あっ、我にかえった、バレバレじゃん質問しすぎてるし、最悪ぅぅぅ
「だって中学一緒だし、上手いに決まってんじゃん、特待だもん」
「そうなの?すごーい上手いはずだね」
「あいつ中山海斗つーんだ俺と中学で部活一緒」
朝から2度ビックリしてるの間にチャイムがなつった、
「やば」
それを合図に3人で駆け出した