海斗
「海斗って七海にはキッツいよな」
「かもね」
「そうだよね、私にだけ意地悪してる気がする。」
ほんとにそう、私だってへこむよ、でも決めたから、マネージャーになって海斗君の事見返してやるから。
そうだ、あやは?、あやはまだ休み時間に自分からは私達の所には来ない。
「あや~おいでよ」
私はあやを呼びながら手招きした。あやもコクってしてニコッっとした。
「あや、放課後一緒に見学行こう?」
「うん」
良かった誰か一緒だと心強い、放課後がまちどおしくなった。
「良かったね七海」
「うん、頑張るよ」
「結香、ありがとう」
結香は何時も応援してくれる、やっぱり結香と友達になって良かった。
やっと終わった。
「あや~行こう~」
「はーい」
私は荷物をバックにグチャグチャに詰め込みながら、ウキウキしてた。
「結香、行って来るね」
「ガンバ、明日ね」
「うんありがとう、またね」
よし。
強い運動部は専用のグラウンドを持っているので、サッカーは校舎から少し遠くなる、あやとグラウンドまでの道を歩きながら始めて二人だけで話した。
「あやは、家はどこ」
「私はバスで駅まで行って1個目の駅前に家があるの」
「えーそうなの、私は3つ目だよ、マネージャーになったら一緒に帰れるね、でもあやはバスかぁ、駅で待ち合わせするか」
「私も自転車にするつもりだから一緒に帰れるよ、駅で待ち合わせって、七海っておもしろい」
あやが始めて七海って言ってくれた。
「ねぇ、もう声が聞こえない?」
「本当だ、まだグラウンド見えないのに、急ごう」
急にドキドキして緊張して来た、あやと私は走りだした、グラウンドが見えてきた、もう練習始まってるんだ、いつの間に一也と海斗君は部活に行ったんだろう、自分の事が精一杯で全然気が付かなかった、うわぁマネージャー志望の子なのかなぁ一杯いるのに驚いた、一也が言ってたとうりだった。
「一杯いるね、この中から二人でしょ?なれるのかな」
「弱気になっちゃ駄目だよ、相手にわかるから、七海いこ」
あやの目付きが変わったのがわかった、そうだよね諦めちゃ駄目だよね。
やっぱりあやはアスリートだなぁスイッチが入ると違うよ。
グラウンドの側に立ったら益々やる気が出てきた
凄い一也を見つけた、何時ものお茶らけている一也と違う、いた海斗君も・・・
「集合」
顧問の先生の前に一斉に集まって来た部員の人達、本当にマネージャーになれるのかな⁉また弱気の虫が出てきた、だってこんなに大勢の部員の人を見たら誰だって弱気になるよ、みんな真剣な目をしてるんだもん、海斗君が私には言うのも仕方ないのが分かった。
先生の背中を見るように立っている私達にはみんなの顔が丸見えだ、先生を見てるのに私が見られてる感じになり、恥ずかしい。
先輩に説明が終わり
「1年は残って、1年はランニングが終わったら基礎、次が球ひろい、じゃはじめ」
「はいっ」
元気にランニングに向かおうとしている背中に
「一也と海斗は先輩に混ざれ」
「はいっ」
えええっっ一也と海斗ってあの二人でしょ⁉他にいないよね。
「海斗ちょっとこい」
「はぃ」
「足は大丈夫か?」
「大丈夫です許可がおりました」
「そうか、良かったな」
「ありがとうございます。」
頭を下げて海斗君は行ってしまった、海斗君怪我してたの?知らなかっじゃない、一也もさぼりって嘘ついて、だから昨日も部活休んだんだ、そうかぁ、でも足の怪我って大丈夫なのかなぁ。
「さて、ここにいる人でマネージャーになるためにきてる人は前に出で」
振り返りながら先生が言った、私とあやは前に1歩出た、あとは何人くらい居るんだろう。
「他にはいないか、締め切るぞ」
見回したら20人位かなぁ
「はいっ締め切り、ここに集まってる中から二人選びます。明日から一週間毎日来るように、土日も、私には無理だって思ったら辞めて下さい、明日からはジャージで来なさい、今日は見学していっても帰ってもいいです。以上、それから、帰る前にあそこのノートにクラスと名前を書いて行くように、何人だ1、2、3・・・25人」
25人も居るの?そんなに居る中から選ばれるのかな?心配になってきた。
「七海、頑張ろうね」
「頑張るしかないね、最後まで見ていく?」
「うん、私は大丈夫だけど七海は?」
「私も大丈夫」
「じゃあ最後までいよう」
「ねぇ海斗君、足怪我してたんだね、ビックリしたよ昨日は朝一人で練習してたのに、帰りに あっ」
私は黙ってしまった、だって昨日の帰りに一緒に居たのはあやだから。
「どうしたの?七海?」
「何でもないよ」
「海斗君怪我してたから卒業してから高校の練習に参加出来なかったんだって、見学はしてたみたいだけど、でもさぁ凄いよね特待って入学前から練習に参加出来るんだから、凄いよ」
そんな事話してたんだ、昨日・・・
私は何も知らない海斗君の事、キューっと胸が締め付けられた。
二人で帰えったのをみたからじゃなくて、私には気付かなかったのにあやには気付いて話しかけた事、それがモヤモヤの原因だ、自分の気持ちに始めて気が付いた。
昨日練習を見た時から気になっていたのかも知れない、これって海斗君の事好きなのかな、そんな訳ないよ、昨日始めて会ったのに、私に意地悪するのに・・・
「な な み?どうしたの?急に黙って下向いて具合でも悪いの?」
「ううん、大丈夫だよ、ちょっと弱気になっただけ、こんなに一杯だと思わなかったから」
「大丈夫、頑張ろうね」
そうだよねあやの言う通り、やるしかない。
その後は忘れサッカーに夢中になった、こんなにカッコイイんだ、こんなに迫力あるんだ、一番ビックリしたのは、一也と海斗君が凄いこと、先輩達の中に入っても全然大丈夫、むしろ二人が引っ張ってるように見える。
土のくらい見ていたんだろう暗くなって来た。
「集合、今日はここまで、おつかれ」
「お疲れさまでした。ありがとうございました。」
フーッ1日目終了、立って見ているだけなのに疲れたぁ
「疲れたね、帰ろう」
「うん、帰ろう」
「あやは疲れてないみたいだね」
「運動部経験者だからね私も参加したくなっちゃう、でも立ってるのは疲れる」
やっぱりなぁ経験者だもんなぁ
「オーイ七海きてたんだ、じゃあ見てたんだろ俺達の事、カッコイイべ」
「あやも来てたんだ、本当にマネージャーやるの?」
なんだよ私も居るのにあやぁって海斗君は目が見えないんですか?私も居ますよ。
「じゃあ気を付けて帰れよ俺達ミーティングあっから」
「わかった、おつかれ」
それから一週間毎日毎日見学に行った、最終的には5人になっていた。