“プロローグ”
~初めまして。モノクロです。お読みいただきありがとうございます~
ゆっくり書き進めていきますのでよろしくお願いいたします。
今後、話の進行上、胸糞悪くなったりするかもしれませんが申し訳ありません。
それでは、パンドラの箱を開けてもらいましょう。
神は理不尽だ・・・
自分の都合で怒り、嫉妬し、裁きを加える。
そこに慈悲はあるのか。そこにやさしさはあるのか。
とある女の話をしよう。
女は作られた。美しく、有能で、狡猾であった。
女は感謝した。自分を作ってくれたものに、自分に才能を与えてくれたものに、自分に生き抜き方を教えてくれたものに。
そして女は男と出会う。住み慣れた場所を離れ、男のもと下る。皆から祝福され、最後に箱を渡された。
女は思う。私はなんて幸せなんだろうか、皆に愛され、良き人に出会い、結ばれる。この幸せがいつまでも続くといいのに・・・。
うまくはいかないものだ。
女は嘆く。なぜあの時幸せだと思ったのだろうか。結婚し、娘も生まれた。だが今はどうだろう。変化のない日々を過ごし、貧しさに耐え、出来の悪い夫を世話する。これのどこが幸せだろうか。
ふと、箱が目に入る。皆からもらった幸せだったころの証。これに触れれば何か変わるかも知れない。いいえ、変わるはず。
箱に手をかけたとき、皆から「絶対に開けちゃいけないよ。がっかりするからね」と言われたのを思い出して手が止まった。
がっかり?中に何も入っていないのだろうか?そんなことはないわ、だってみんな私によくしてくれたし、こんなきれいな箱ですもの悪戯で中身なしだなんてありえない。
もしかしたら箱の割には、大したことのないってことなのかも。
でも何かしら・・・この中身。
あぁ、気になるったら。もう、開けてしまえ。
ようやく、箱が開いた。天上の彼らは喜んだ。ようやく開けやがったと。
パンドラは後悔した。箱を開けてしまったことに、言いつけを守らなかったことに、自分が幸せであったと理解できていなかったことに。そして、生まれてしまったことに。
箱は開かれた。世界には災厄があふれ、箱の中には希望だけが残った。
あぁ、理不尽だ。こんな希望が手元にあるから・・・
人は未来に希望し、期待し続ける。
以上で、プロローグ終了です。