妹の頬は柔らかいけど冷たい
「ふぅ、ご馳走様」
「ご馳走様でした」
あれから約五分間妹の胸に顔を埋めては抱きしめていた、そして妹もそっと優しく抱きしめては背中をそっと撫でてくれていた、とても落ち着く時間だった、日頃のうざい教師、またうざい生徒への鬱憤がすべて消し去るぐらいに心地が良かった、そしてそんな事をして数分経った時目を開けてみると道を歩いている通行人がこっちを見ていた事に気づき俺は慌てて頭を上げては座り直した、妹は疑問を浮かべた顔をしていたが説明するのも面倒だから適当に紛らわした、そしてそれと同時に俺は思った、きっとあの通行人の人達は羨ましがっているだろうと、そして今何をしているのかというと丁度食べ終わった所だ
「ケーキと紅茶が丁度ミスマッチしてすっげえ旨かったな」
「うん、そうだね、ケーキの甘さが紅茶の苦みで流しこんでくれて丁度良かった、それに値段も少し安くしてくれたしね」
妹はそう言いながら机の上に置いていた十円玉を取っては人差し指で弾いてはキャッチしドヤ顔を浮かべた、どこかのアニメの真似でもしているのかと思ったがきっと気のせいだろう
「確かに値段が安くなった事についてはよくやった、そう思う、でも学生手帳を金と一緒にぶちまけた時はちょっとやばいんじゃないか、って思ったけどな」
俺はそう言いながら余った紅茶をチビチビと口に含んではじーっと睨み付けた、何故睨みつけたのか、理由は簡単、もしそれで学校に連絡されては呼び出しをくらうからだ、とは言っても店の人もそんな暇じゃないからそんな心配は必要なかったが
「あはは・・・確かにあれはちょっとやばいなぁ~って思った、それで慌てて学生手帳を仕舞おうとしたら『学生さんですね、では学割で安くしますね』って、話しかけられた時は驚いちゃったけど、まぁ結果オーライだよ!」
妹はそう言いウィンクしては鞄の中にスマホ、財布としまっている
「・・・まぁな、おかげで俺も値段安くすんだし」
「うんうん、そうだよそうだよ、って事で次はどこ行くの??」
「ん、あぁ、さっき電車で調べたんだけどな、ここら近くになんか水族館が新しく出来たらしくてなそこ行ってみようかなって」
「へぇ、水族館ができたなんて初めて知ったよ」
ケーキと一緒に付いてきた紙拭きティッシュのようなもので口の周りを拭きながら妹はそう言った
「まぁ、ここの駅なんて初めて来たしな」
「うん、まぁ、そうだね、でも私今日そんなにお金持ってきてないよ??」
「その水族館の入館料については大丈夫だ、俺が出すから」
「!おぉ、太っ腹!兄もそんなエスコート出来たんだね」
妹はそう言いながら笑っている、失礼な奴め
「俺は優しいお兄ちゃんだからな、そこらの兄よりは断然と優しんだぞ?って事でほら、行くぞ」
俺はそう言いながら立ち上がっては妹の手を掴み引っ張った、いつもと違う俺に妹は目を大きく見開いている、とても面白い
「・・・へぇ~、それじゃあ後の時間は全部兄にエスコートしてもらうかなぁ」
妹はそう言ってはニヤニヤしながら手を絡ませてきた、それはまるで恋人同士かのように
「・・・別にそれはいいけど、水族館だけだからな金出すの」
「っえぇ~??優しいお兄ちゃんなんでしょ??奢ってよ~」
俺の弱みでも握った気分なのか妹はそう言いながら胸を押し付けてくる、今更だが妹の胸は多分結構大きい方だと思う、他の女に触れた事がない為わからないが
「・・・妹、お兄ちゃんはお兄ちゃんでも経ったの数時間違いの生まれだぞ、だからお兄ちゃんとは言えない、同い年だからな!」
「・・・さっきまでの優しい私のお兄ちゃんはどこに行っちゃったの・・・」
妹はそう言いながら俺をじーっと睨んでくる
「優しいお兄ちゃんはどこかに行っちゃったんだよ、その代わりに兄がいる!」
「・・・お兄ちゃんから兄に格下がったんだね・・・」
「うん、そう、格下がった、そして兄に格下がった事で」
俺はそう言いながら握っていた手を思いっきり引っ張り妹を抱き寄せては抱きしめ頬に唇を寄せた、直後とても柔らかい感触が唇に伝わった
「っん、そして兄は格下がった事でこうやって妹にキスをするぐらいシスコンになるのである」
自分でやっていて意味不明だしそれに今更だが恥ずかしくなってくる、と思いながら妹を見ると妹も恥ずかしくなったのか白い肌が微かに紅を帯びている
「っへ、へぇ~そ、そうなんだ~そ、それじゃあ妹も妹で兄にキスするんだね」
「えっ?」
妹はそう言いながら抱きしめ返してきては俺の頬にキスをしてきた、冷たい頬が微かになにか暖かい物が触れ、それが唇だとわかった
「んっ…兄の頬冷たいね」
「・・・それはお前もな」
顔を赤くしそっぽ向きながら言う妹に俺も自分でやった事に恥ずかしくなりそっぽ向いた、そしてそんな事をしては、会話をし、数十分歩いた所で水族館に付いたのだった