恋とは人を大きく変えてしまうものだその一
こんにちは!
初の恋愛小説です。
過去に陰りをもつ少女とその子に恋されちゃった少年の話。
その説明的一話。たぶん、次号から面白くなるかも??
楽しんでもらえると嬉しいです!
感想やご意見お待ちしております!
幼い時はそれに、なにも疑問を感じずもってもいなかった。でも、いつからだったろうか、それが間違いで上辺的であったと気付いたのは。その時は、絶望を覚えたものだが、今はそれが当たり前となってしまった。誰もいないのだ。そう言い聞かせそして思い込み続けた。それは、過去16年間というものが作り上げてしまった佐伯つばさという少女の型紙なのだ。
高校こそは、と思ったのだけどなとつばさは一つため息を落とした。つばさの席はぽつんと置かれた孤島の様な席である。窓側でいつも綺麗な空が見える、そんな場所。
それでも強がりつづけた。ここがいいのだと。寂しさも孤独も無視した。そうでもしないと耐えられそうになかったのだ。一年生の時にできた友達はやっぱり一年ももたなかった。だからこそ、その人たちが隣で笑っていると惨めになるのだ。だから、逃げた。現実からも逃げたかったがぐっと堪えて。
そんなつばさにも仲良くしてくれる子がいる。クラスの男子で人気者でよく周りには人がいる、そんな人。正反対なのにとつばさは何度思ったことか。しかし、いくら仲がよくても、あちらから声をかけられたことはない。つばさは当たり前だと諦めている。
名前の通り男っぽいつばさは、女としては見られてないようで、
「佐伯さんは、男でしょ?なんで、スカート履いてるんだよ!」
としょっちゅうからかわれる。つばさは、本当だと頷いて笑うのだ。この日常が楽しくてしょうがないのだ。
つばさは自分の容姿については理解しているつもりだ。ブスでデブで性格は男っぽくて大雑把でネガティブ。おしゃべりが好きでうるさいしウザいだろうと。
これは、彼女自身の自己見解であるので、本当かはわからないが。
女同士のなかには入れないが男同士の中には入れる。そんな、男っぽい彼女も女だった。つばさ自身はあり得ない、夢物語だと自分には縁のないものだとばかり思っていたのにも関わらず、それは突然やってきた。
やってきたは適切な表現ではないが、彼女にとってはそれくらい唐突なものだった。好きになってしまったのだ。彼のことを。クラスで1番仲良しの彼を。志水勇真を。
読書好きのつばさは恋愛小説も読んだ。そこのワンフレーズ、
「恋は理由なくおちるものだ」
たしかにそうだ。ストンとまるで穴にでもはまったかの様におちてしまった。彼に。
手が大きかった、暖かかった、背も高くて、足も大きくて、みせてくれた鉄棒も見事でとてもかっこよかった。いつも、馬鹿騒ぎしていた彼とは少し違って見えた、ただそれだけ。ただ、それだけで、友情が恋情に変わってしまった。
「なんということ…」
いつも通りつばさは席に着いたが頭の中はそればかり。
恋だとわかるのに時間がかかるというが、つばさはすぐにわかってしまった。これが恋であると。末代までの恥だと心の中にいるもう一人のつばさが頭を抱えた。彼なんぞに惚れてしまうだなんてと。
理想のタイプは、誠実で優しくて賢くて私を大事にしてくれる人なのに理想とまるで違うじゃない、ともう一つため息がこぼれる。たしかに、彼は優しいがその分意地悪だ、と彼の思いつく限りの悪口をいうが、それでもだめだった。理性とは真逆をいってくれる思考にお手上げだった。つばさの売りは冷静さと達観さなのに。初めての経験でここまで崩れ去るのかと驚愕もした。そして、決めたのだ。彼に悟られるようにしてはならないと。しかし、そんな決意は、直ぐに揺らぐことになる。16の少女に大人ですらままならないことの多い恋愛を押さえつけようとするほうがおかしかったのだが。
三日後彼女は告白することになる。SNSで。彼こと勇真に長文でしてしまったのだ。やってしまったとつばさは頭を抱えた。私なんぞに告白されても気持ち悪いだけなのにと泣き出したくなった。プライドによって涙は出なかったが。
「私って意外と堪え性ない…??」
つばさは、一人っ子だった。
どうでしたでしょうか??
説明的な一話なので、あんまりだったかもしれません…
が、次からは、きちんとした物語を作り上げるつもりです!!
よろしくお願いします!