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彼女とわたし  作者: ささ
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台風や秋雨前線の影響で雨が降る。

足元が覚束なくなった最近は雨の日に出かけることはない。


「おじちゃま。元気だ元気だと思ってるかもしれませんけどね、寄る年波には勝てませんのよ。気をつけてちょうだい」

姪御の千恵子に言われた時は少なからず気分が落ちたものだ。


考えてみれば、仕事を定年まで勤め上げその後数年は後世の教育係に推され会社に通っていたのだ。気持ちは若くとも年齢は結構な年寄りになっている。

彼女の元に通うようになり、砂利道でバランスを上手く取れずに転んで手の平と両膝を盛大に怪我したときには、歳をとったと鈍い痛みを感じながら思っていた。


「おじちゃまが怪我したら、おばちゃまが悲しむから怪我しちゃダメよ」

千恵子にも説教され、その後は怪我が治るまで車で送迎されることになってしまった。

迷惑も心配もかけたくはないので晴れた日にだけ会いに行っている。


雨が続くと不安になる。

彼女は元気でいるだろうか。

いや、私のことを覚えていてくれるだろうか。


次に顔を合わせたときにどんな表情をするのだろうか。

雨の日は不安になる。これも年をとったからだろうか。



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