1/9
Prologue.
この世には、常に、何かを為し得るためには『対価』が求められる。
ヒトが運命を変えるには、犠牲がツキモノだ。
己の運命を恨み、ヒトとしての禁忌を侵してまで、その運命とやらは、変える価値があるモノなのだろうか。
自分の代わりに、他の知らない誰かが、己の運命を恨むことになるなど、知ったことではない。
自分の運命を変えることに必死な『俺たち』は、とにかく自分ひとりのことで、精いっぱいなのだから。
――運命を変えたくば、王である我に勝利をもたらせ。
――さもなくば、我が駒となり手足となった者たちには、祝福を与えよう。
――ただし、勝利をなせなくば、―――
2013年3月6日