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水鏡は半拍遅れて笑う-異世界最強の環の守護者、涙鍵の恋と逆ハーレム-  作者: NOVENG MUSiQ
第4章 熔環は返し方で冷める ― 溶岩の神殿へ

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第48話 熔環綴、獲得——そして出立

 祭壇の赤は音階を変え、熔譜台の譜線が丸く渦を巻いた。カラドリスは翼で円を描き、硬質の声を落とす。

 カラドリス「名ヲ与エル。【熔環綴】——放熱ハ壊ス為デハナク、噛ミ合ウ為ニ落チル。君ハ命令ヲ使ワズ、ifデ縫ッタ。ヨシ」

 メリン=アークフォイル(雷)は天井陰で青を瞬かせ、スワン(氷)は縁で短く翼を打つ。

 スワン「非常口は美しく“一度”。以後は式で」

 メリン「命令形ナシ、条件文ヨシ」


 トキ「胸の圧、安定。味覚はゆっくり復帰。鍵氷は無傷」

 ハヤブサ「媒体差の置換、収束。氷→時間遅延、雷→電位遅延、炎→温度差運用。既出ルール適用の統一語彙で、重複の説明は省略可能」

 零雅「刃を出さずに来た。火がない場所で、刃を研ぎ直す」

 カケス「矢は“道”を刺すために。次は外さない」

 アジサシ「索は干して、軽く。日常の吊り橋を」

 ゲンボウ「風は味方。平地ほどよく読める」

 エイリク「平和な日常回、予約は今も有効?」

 夜菜「予約、受理。ただし“返す規範”の範囲内で」


 私は祭壇の縁に指で短く記す。『返シタ:熔岩の請求/受領:熔環綴・協調』。匂いは桂皮と鉄、そこへ柑橘白皮が少し。胸の空洞に新しい句点が灯る。半拍は私の編集権の内側で呼吸し続け、未払いの残量はゼロに近い。

 エイリクが半拍遅れで笑い、金輪を一度だけ明滅させた。

 エイリク「君の“返す”は、僕の居場所を増やす」

 夜菜「未払いが減るほど、場所は増える。だから——帰ろう」


 踵で三度。地を蹴る音が揃い、神殿は礼儀正しく背後へ沈む。導体街からの同行者たちに手を振る孤児の小さな影、その頭上に白い祝灯が点々と続く。

 私はミズガルズを撫で、罅の乾きを確かめる。一本のまま、澄んだ線。

 夜菜「従えず、従わせず——連れて行く」

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