第7話:作戦会議
液晶を眺めつつキーボードを打ち続け、目が疲れてきた頃。
藤原「シン、そろそろ作戦会議だってよ」
シン「作戦会議?なんのです?」
藤原「ほら、一昨日資料渡されたろ?敵対組織を潰す大仕事の」
シン「あぁそうでした!!ありがとうございます、行きましょう!」
藤原「大丈夫かよ」
パソコンを閉じ、駆け足で会議室に向かう。
『コンコンコン』
シン&藤原「失礼します」
ドアを開けた先には、すでに同伴者たちが多く座っていた。
課長「20秒遅れだ」
シン「え、まだ集合時刻の5分前ですよ!課長さ〜んドジだな笑」
ナイフが頬をかすめ、ドアに突き刺さる。
シン「」
課長「集合時刻の5分前に集まるのは当たり前、ただしお前らが来たのは集合時刻の4分40秒前」
銀色に輝く腕時計を見せつける。
シン「こま」
藤原「大変申し訳ありません、以後このようなことが無いよう尽力致します」
言い切る前にシンの頭を抱え、共に頭を下げる。
三浦&瀬戸「笑笑」
白石&柊「…」
課長「笑うな。座れ。」
シン&藤原「失礼致します」
課長「長谷部、秋野はどうした?お前のバディだろ」
長谷部「申し訳ありません、今日は共に行動しておらず…」
『コンコンコン』「失礼しまーす」
ドアの向こうから声がした。
課長「入れ。遅刻だ、秋野」
秋野「さーせん」
後ろ首に手を掛けながら席に着く。
課長「では、会議を始める。」
空気が硬くなったのを感じた。
課長「今回の任務は、この場にいる私を除いた18人で辰巳会のアジトに侵入し、壊滅させることだ。」
壁にスクリーンが映し出された。
課長「これはアジトの構造だ。私からは、屋上と地上からの挟み撃ちを提案する。他に案は?」
誰も言葉を発さなかった。
課長「ではこの案を採用とする」
三浦「ルートは?」
課長「屋上へのルートとしては、隣のビルの屋上から飛び移るか、路地裏の壁をつたい登るか。地上からは…」
秋野「ハッ笑なかなか無茶なルートですね?」
課長「お前たちの身体能力を考慮してのものだ。お前には少々無茶だったか?」
秋野「いいや?笑でも見てください、俺以外にそのルート行ける奴いなそうですよ?」
嘲笑しながらその場にいる全員を見渡す。
同伴者A「なんだと?」
同伴者B「馬鹿にするのも大概にしろ!」
秋野「そんなかっかするなよ笑これも俺なりの優しさだよ?身の丈に合わないルートを挙げられた君たちが可哀想じゃん笑」
シン(あの人優しいなー!)
同伴者C「課長!!」
シン「?!」
隣の同伴者が勢いよく立ち上がる。
同伴者C「仲間を見下す秋野には、協調性が重視されるこの任務には相応しくないかと。」
課長「潜入には秋野の能力が必要だ。それに、秋野はお前たちと別れて行動する。」
秋野はニヤニヤと見つめる。同伴者Cは舌打ちをし、席に着き直す。
秋野「で?俺は何をすれば?」
課長「辰巳会のアジトはセキュリティが完備されている。そのセキュリティに触れることができるのは管理部のみだ。あとは分かるな?」
秋野「朝メシ前だねー了解」
課長「ただし、管理部も我々と同じくバディ制度だ。ここから一人選んで連れていけ」
秋野「はぁ~?ダール!」
課長「これが資料だ」
とある人物の多方面からの写真、名前、身丈、特徴が書かれている。
秋野「…うーん、じゃ君」
シン「俺ですか?!」
指さされたシンは、思わず動揺した。
秋野「ぱっと見、君172センチ程でしょ?」
シン「いや~覚えてないですね!」
同伴者D「おい待てよそいつは新人だぜ?」
同伴者E「真剣に選べ、大役だぞ」
秋野「いや誰でも変わんないって笑君も文句ないよね?」
シン「あぁ俺でよければ…」
秋野「決まりで。じゃここで失礼するよ」
課長「待て、決定事項が少なすぎる」
秋野「はぁ~早く終わらせてよ」
机にだらんとのしかかり、室内の緊張感にはまるで合っていない。
同伴者C「貴様、真面目にやれ!」
秋野「うるさいな〜俺より活躍してからゴタゴタ抜かしてよ笑」
同伴者C「チッ…課長、僭越ながらお聞きしたいことが。なぜコイツのふるまいを見過ごすのですか?あまりにも無礼な行為です」
課長「任務に支障をきたさないだろ。気に食わないなら自分でどうにかしろ」
同伴者C「……」
シンは先程の突き刺さったナイフを見つめる。
課長「秋野、潜入には何日で可能だ?」
秋野「明日には」
課長「セキュリティ解除はいつになる?」
秋野「俺たちの安全より仲間の侵入が優先なら、3日後かな」
課長「ではそれで頼む。危険にさらされたら連れていくソレを肉壁として扱え」
秋野「オケっす」
シン「え?」
課長「お前より秋野のほうが組織にとって利用価値が高い。秋野に死なれたら大きな損害となる」
秋野はシンに不敵な笑みを見せる。
シン「…なるほど!任せてください!」
笑みを返した。
秋野「え納得したの?」
シン「はい!肉壁なら技術とかいりませんし、俺にもできそうです!」
秋野は一瞬真顔になったが、また笑みを浮かべた。
課長「では当日連絡をよこすように。お前たちは屋上班と地上班に分かれておけ、解散。」
皆「お疲れ様です」
ガタガタと沢山の椅子がしまわれる。
秋野「じゃ肉壁くん俺と作戦を立てよう」
肉壁くん「はい!」
秋野と肩を組んだシンを眺め話す。
藤原「シン大丈夫でしょうか…」
三浦「どうやろね笑」
白石「てか秋野さん初めて見たわ」
瀬戸「私も〜!変装の名人ってことしか知らなかった」
柊はうなずく。
白石「人のこと見下す系か、三浦と同じタイプ」
瀬戸「だねだね」
三浦「全然ちゃうやろ!まあシンは大丈夫やろ、アホやもん」
白石「そやな」
瀬戸「そうだね」
藤原「そうですね」
柊は大きく頷いていた。
秋野「改めて、俺は秋野。どうぞよろしく」
シン「俺はシンです、よろしくお願いします!あの、なんで身長で俺を選んだんです?」
秋野「君俺のこと知らないの?俺変装すんの」
シン「変装?!かっけー!!」
秋野「知ってる知ってる。で、なるべく変装相手と身丈が同じ君を選んだってわけ」
シン「なるほどー!でも俺に変装なんてできますかね?人狼弱いんですけど」
秋野「なんで人狼なんだよ。まあ任せなって、君は無口な奴に変装してもらうから黙ってれば大丈夫」
相手が載った資料を見せる。
シン「そりゃよかった!でも容姿ってどうするんですか?」
秋野「そこも任せなさい、俺は相手そっくりの完璧なマスクを作れる」
シン「マジですか?じゃもう全部任せます」
秋野「あぁ、肉壁任せたよ?」
シン「お任せください!!」
秋野「…君ってアホなの?それともバカなの?」
シン「うわー悩みますね」
秋野「人選ミスったなこれ」




