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第19話:犬

途端に犬たちが激しく吠えだした。

低くかすれた犬たちの声で、車内の空気は一瞬にして固くなる。

そのとき、後ろから来たトラックが隣につく。トラックはどんどんと距離を縮め、ついには『ガン!』とシンたちの車にぶつかった。

─紺野「屈め!!」

その瞬間、『ガシャン!!』と窓の割れた音と発砲音がシンたちを襲う。

紺野の声で咄嗟に屈んだシンたちは距離を取り、武器を構える。

トラックの助手席と荷台には、銃を構えた集団が笑みを浮かべてこちらを捉えていた。

『ギャハハハハ!!』

大きく笑いながら1人が荷台から飛び移り車内に侵入。即座に黒澤が発砲すると、命中した1人はその場に倒れ込んだ。

黒澤「乗っ込んできたのに軽装かよ!」

そして、荷台から全員が飛び移ってくる。

笑いながらナイフを振り回す敵数人を木村は短刀で冷静にさばく。花山はバンダナで鼻と口を覆い、スプレーを敵の顔に吹きかけ沈ませる。その動きは実に俊敏であり、シンと篠原は思わず動きが止まった。そんなシンに敵が飛びかかる。

『ギャハハー!』

鉄バットを振り回す敵の攻撃を上手くいなして拳をお見舞いし、追撃しようとしたが

シン「あ、銃持ってたんだった」

銃を取り出し敵の首に発砲する。

篠原も敵を発砲するが、なかなか命中せずに掴みかかられ倒れ込む。敵がナイフを振りかぶったとき、紺野が口笛を鳴らす。

『ワン!!』犬がトランクから席を飛び越え敵の腕に噛み付く。敵が倒れ込んだところを紺野が発砲。

黒澤は煙草を吸いながら敵に回し蹴りを食らわせ、

黒澤「シンやっといて」

ととどめは任せて席に座り直す。

侵入してきた敵を一掃し終わったとき、隣にトラックの姿は見えなくなっていた。

辻「いやどうも白峰会流石ですね!」

古谷「見習います」

助手席と運転席からそう声を掛ける2人。

花山「あの二人座ってただけだよね?のんきすぎでしょ」小声で木村に話す。

右か左の分かれ道につく。

黒澤「トラックどっち行きました?」

辻「スピード上げてどっかいっちゃいました」

黒澤「さっきからここまでずっと一本道ですよ?その席にいたんだからわかるでしょ?」

黒澤は笑っていたがその目は鋭く二人を捉えていた。

車内は不気味な沈黙に包まれる。



辻「チッ。はぁ…」

古谷「またいつか」

2人が銃を取り出した。発砲してくるかと思われたそのとき─

─2人は自らの頭に発砲した。

全員は意味が分からず立ち尽くし、血が流れる死体を眺めていた。

が、古谷はアクセルを踏んだまま倒れていたため車はスピードを落とさず、分かれ道のど真ん中の電柱をめがけて発進していた。

黒澤は急いでハンドルを左に切り壁に激突。車は大きく揺れたが激突は免れた。死体をどかしブレーキを踏む。

息を呑むような沈黙が流れた。

花山「…ホントにどういうこと?」

木村に巻き付いている花山。

木村「…紺野さん、同僚ですよね」

犬の状態を見るため後部座席からトランクを覗いていた紺野に全員が銃口を向ける。

黒澤「松葉会とさっきの連中は繋がってんの?」

犬たちが先程よりも低く強く唸り、後部座席を飛び越え紺野の前に立ちはだかる。

そんな犬たちを紺野が落ち着かせると、銃とナイフを黒澤たちの足元へ放り投げ、手を後ろに回す。

紺野「…俺は何も知らない…だが俺と犬たちを殺さないというのなら、俺が知ってる松葉会の情報全部くれてやる」

深く被られたキャップの下に見える目は揺れることなくシンたちを映す。

黒澤「信憑性がなぁ」

篠原「…彼は先程俺を守ってくれました。アイツラと繋がっているなら、俺を守る必要性がありません」

篠原は銃を下げ、地面に置く。

黒澤「…情報売ったら組織に殺されるよ?」

紺野「構わない。俺はこいつらのために生きている。こいつらを里親に出すことさえできれば、思い残すことはなにもない」

しばらく見つめ合った後、

黒澤「よしわかった、犬達は殺さないと約束する」

紺野は少し頭が上がった。

紺野「感謝する。」

その声は芯が強く、覚悟が決まっていた。



ボロボロの車は白峰会のアジトへと帰ってきた。全員が車から降り、トランクから犬たちが入ったケージと縛られた紺野を降ろす。

黒澤「犬たちは一時的に俺らが預かるよ、君は白峰の情報課に全部話して。事の経緯はもう説明済みだから」

紺野「…犬たちを殺さないことはどうやって証明してくれるんだ?」

アジトの入口で話していると、

秋野「あ、おつかれーす」

シン「秋野さん!」

秋野と犬は見つめ合う。

秋野「……飼うの?」

黒澤「違う」

秋野はケージの隙間から手を通し、犬に匂いをかがせる。その姿を見た紺野。

黒澤「これ証明にならないかな?」

紺野「アンタ!犬の面倒を頼む、殺さないでくれ」

秋野「殺すわけな…じゃなくて、なんで俺なんだよ?」

ケージから手を抜き腰に手を置く秋野。

木村「秋野さん犬好きなんですか?」

花山「えー以外!」

秋野「はー?なんでそう思ったのさ決めつけはよくないよ?」

シンは不敵な笑みを秋野に向けた。

秋野「それ俺の真似してんの?」

笑みを続ける。

秋野のキックがみぞおちを命中しシンは地面に丸くなる。

木村「大丈夫…?」

黒澤「カクカクシカジカなんだよね」

秋野「へぇ…まあ仕方ないから犬は面倒見といてあげるよ」

紺野「任せた。」



情報課にて。

三浦「どーもどーも、情報課の三浦です」

紺野「紺野だ」

椅子に縛られ、ワンツーマンで尋問を受ける。

三浦「紺野さん、松葉会入ってまだ5ヶ月目やんな?知ってる情報も少ないよな…」

紺野「なぜ知っている」

三浦「うちの情報課優秀なんよ。で本題なんやけど、奇襲してきた連中解剖したらドラッグやっとってな、トラックにも大量にあったから連中は雇われてどっかに運んでたっちゅー線が濃厚なんよ。松葉会が雇ってないのは分かってんねんけど、2人が自害した理由が分からんねん。なんか知っとる?」

紺野「何も知らない。というか、尋問こんなんでいいのか?もっとこう、拷問を覚悟していたのだが」

三浦「あーやっぱ知らんか…あそうそう、白峰会が紺野さんを欲してるから入らん?」

紺野「…は?」

三浦「拷問しないのは紺野さんをスカウトするためや。ウチ他と比べたらホワイトよ〜」

紺野「いやそんなさらっと…俺が松葉会に追われるのは確実だ、俺を雇えば、アンタらも巻き込まれるぞ」

三浦「承知の上なんちゃう?白峰は強いで」

紺野「俺を信用できるのか」

三浦「あー…信用というより、脅しに近いかもね。紺野さんの生きがいの犬たちは白峰会が引き取ってるし。」

笑顔で手を差し出す。

紺野はそれを眺める。

紺野「俺縛られてる」

三浦「あ」



課長室にて。

課長「紺野、これから頼んだぞ」

シンたちの列に、紺野が加わった。

紺野「はい」

課長「明日、松葉会と会合をすることになった。シンと篠原以外は会合についてこい。」

シン「え、なんで俺ら」

それを言うのがわかっていたかのように課長が遮る。

課長「お前たちはこの重大な会合に見合わない。だが、相手が仕掛けてくる場合があるため、殺し課数名は近くに配置しておくつもりだ。お前たちもその中に混ざれ、では解散」



屋上にて。

シン「あのさ課長俺らのこと低く見積もりすぎじゃね?!」

めっちゃ愚痴っていた。

篠原「いや、課長の言う通りだろ。俺ら3ヶ月目だぞ」

シン「4ヶ月だよ!いやいや経歴より実歴じゃない?え?実歴ってなんだっけ?」

篠原「なんなのお前」

紺野「仲いいなアンタら」

柵に腰掛け会話をする。

シン「紺野さんもそう思いません?」

紺野「さあな…それより、俺は明日アンタらについていくことになった。よろしく頼む」

シン篠原「よろしくお願いします」



当日の昼間、日光の暖かさが身に染みる。

松葉会のアジトには、すでに課長や黒澤がそろっていた。

その近くの路地裏や建物にシンたちや他の殺し課が配置されている。

松葉会の1人「ご案内いたします。」

案内人は複数おり、その鋭い目線で警戒されていることが伝わった。

まずいですね、主人公が目立ってなさすぎて誰が主人公か分からない。まあいいか!皆さんしたいことってありますか?僕はサバゲーとバンジージャンプがしたいです。

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