相性100%の最強パーティ、爆誕!
「改めてよろしく。レオン・アーデルだ」
「エルザ・ヴァレンタイン。剣を振るうことしかできないけど、前線は任せて」
エルザは燃えるような赤髪をポニーテールにまとめた長身の女戦士だ。鋭い眼光と強い意志を宿した表情は、戦場での経験を物語っている。
愛用の剣と盾を背負い、その筋肉質な腕は日々の鍛錬の賜物だろう。
性格は真面目で責任感が強く、融通が効かない一面もあるが、仲間を守ることに関しては絶対的な信念を持っている。
「カイン・ローエル。……戦闘は効率的に頼む」
カインは銀髪に青い瞳を持つ女性で、端整な顔立ちの持ち主だ。しかし、その瞳にはどこか冷たさがあり、感情を表に出さない。
彼女のローブは高位の魔術師が着るようなもので、知的な雰囲気を醸し出している。
計算高く、戦闘では冷静に状況を分析し、最も合理的な判断を下すが、情に流されることが少ないため、時に冷徹に見えることもある。
「セシリア・アルトワです。皆さんを癒やすのが私の役目ですわ」
セシリアは長い金髪をゆるく巻き、柔らかな雰囲気を持つ女性だ。
純白の神官服を身にまとい、微笑みを絶やさないその姿は、まさに聖女のよう。
だが、その内面は意外と芯が強く、困難な状況でも動じることはない。仲間を包み込むような優しさを持ちながら、必要な時には毅然とした態度を取る。
「リリス・フォーチュナ! みんなの財布の紐は任せといて!」
リリスは紫色のショートヘアに、猫のようにいたずらっぽい金色の瞳を持つ盗賊だ。
動きやすい黒いレザーの装束に、小さな短剣を数本腰に携えている。細身で俊敏な体つきは、いかにも盗賊らしい。
性格は陽気で自由奔放、軽口を叩きながらも仲間思いな一面がある。人の懐に入るのがうまく、交渉事や情報収集も得意とする。
「さて、話をしてみて、それぞれのことがだいたい分かったけれど……」
エルザが腕を組みながら言った。
「一応、作戦や方針を確認しておいたほうがいいわね」
「そんなの簡単だよ!」
リリスが笑いながら、椅子の背もたれをグラグラと揺らした。
「エルザが前でバッサバッサ斬りまくって、カインがドカンと魔法を撃ちまくって、セシリアが回復して、私が裏からサポートすればいい!」
「お前は本当に適当だな……」
カインが呆れたように言い、手の中のグラスの中の水を揺らした。
「少しは頭を使ったらどうだ?」
「うっ、なんか冷たいなぁ。もっと楽しくいこうよ!」
リリスは口を尖らせながらも、笑みを浮かべた。
「まあまあ、リリスの言うこともあながち間違いではありませんわ」
セシリアが優しく微笑む。
「けれど、やはりそれぞれの役割をきちんと確認し、最も効果的な戦い方を模索するのが大切です」
「そうだな……」
俺は頷きながら続けた。
「それぞれの得意な戦法や、苦手なことも把握しておこう。例えば、俺はバランス型だから、補助や臨機応変な対応ができる。ただ、突出した強みがないのが弱点かもな」
「私は防御と剣技が専門。真正面からの戦闘なら任せて」
エルザは腕を解き、力強く胸を張った。
「魔法なら私が担当する。だが、詠唱に時間がかかる大魔法は隙ができるから、そこをカバーしてくれ」
カインは冷静な瞳で俺たちを見回しながら言った。
「私は回復がメインですけど、攻撃魔法も少しは使えますの。万が一のときは、防御魔法で皆さんを守りますわ」
セシリアは穏やかな声ながら、その瞳に確固たる決意を宿していた。
「私はとにかく速さが武器! 隠密行動とか罠解除、あと財布の管理なら私に任せてよ!」
リリスが胸を張りながら言った。
「いや、財布の管理は盗賊がやるもんじゃないだろ」
レオンが半ば呆れながらも笑って突っ込むと、リリスは「細かいことは気にしないの!」と軽く手を振って答えた。
全員の自己紹介と役割が明確になり、自然と場の空気が和らいだ。
「このパーティ……本当に相性がいいかもな」
俺は思わず笑みをこぼした。
翌日、俺たちはダンジョンでの初陣を迎えた。
暗い石壁に囲まれた薄暗い空間では、かすかな水滴の音が響き、冷たい空気が肌を刺すように感じられる。
「さて、まずは軽く肩慣らしといこうか!」
エルザが剣を構え、鋭い眼差しをダンジョンの奥へ向けた。リリスがニヤリと笑いながら肩をすくめた。
「行っちゃおう! 最強パーティの初戦闘だね!」
鳴り響く地響きとともに、ダンジョンの奥から低いうなり声が聞こえた。俺たちは互いに気を引き締め、戦闘への準備を整えた。
そして、戦闘の幕が上がる。