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128 ライザ


「前方に敵影はありません」


「よし、このまま進むぞ」


 ライザは1000人の隊員を率いて暗黒の森にいた。


 魔王軍はもともと暗黒の森を根城にしており、魔王城を築城していた。その魔王城に向かって進んでいた。


 各地に出没して各国の軍隊を個別撃破していた魔王軍は、残る帝国軍と共和国軍を中心とした連合軍と最終決戦を迎えようとしていた。


 イブレスカには数万の軍が集結している。


 後方の帝国にも1万の軍勢がいる。


 一方魔王軍の魔物は約1万くらいと推定されている。


 それを、イブレスカの先の山を越えたところにある平原で挟み撃ちにして殲滅する作戦だった。


 ライザの任務は、その魔王軍を暗黒の森の魔王城から、アメリア共和国との国境にある山脈の前の平原におびき出すための(おとり)になることだった。


 魔王城を攻撃し、魔物たちに追ってこさせて平原に誘導する陽動作戦だった。


「魔王城は本当にこの方向にあるのか」


「間違いなく前回の斥候隊はこの先にあることを確認しました」


 だが進めども、それらしきものはない。それに魔王城があるなら、魔物に遭遇してもいいはずなのに一体もいなかった。


「なんだ?!」


 いきなり空が広くなった。


 巨大な空き地が目の前にあった。


 木々は無く、土地が削り取られたようなクレータになっていた。


「いったいこれは……?」


「隊長、上です!」


 上空からワイバーンが編隊を組んで急降下してきた。


「散開! 森の中に隠れろ」


 ライザの横の若い兵士が迫ってくるワイバーンに驚き、転んで尻もちをついた。


「うああああああ」


 恐怖で固まっていた。


 ライザは剣を抜いた。


 若い兵士に爪をたてようとしたワイバーンを斬った。


 だが、同時に横から来たワイバーンにふっとばされた。


 剣を振りかざそうとするが複数で波状攻撃してきて、剣を爪で弾き飛ばされた。


 後ろからワイバーンに掴まれた。


「おのれ」


 けれどもワイバーンはライザをつかむと上空に舞い上がった。


 体をばたつかせるがしっかりとつかれまれていてほどけない。


 さらに高度があがり、下手なことをして墜落したら即死する高さにまでワイバーンが上昇した。


(まずい。なんとかしないと)


 だが、ライザは身動きが取れず、ワイバーンに連れてゆかれた。




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