第109話
sideシュテン
死の足音が迫ってきても俺の視界は定まらない。何を間違えてしまったんだろう?俺はソージとずっと一緒に居たかっただけなのに。どんどん家族が増えていって俺からソージが離れていくような気がして怖かった。
迫り来る死の足音によって本当に会えなくなるかもしれないとわかって俺はどうしようもなく後悔してる。
頼むから俺の身体よ、動いてくれ。
無常にも俺の身体は動かず、ついには目の前に相手の魔物がやってくる。
動くことのできない俺を見下ろして笑みを浮かべながら斧が振り下ろされる。
ソージ、ごめん。
俺は最後にソージに謝って目を閉じる。
side ソージ
「まずいな」
俺は1人呟く
相手がアイテムを使った瞬間からシュテンの攻撃が通らなくなっている。
最初に出会った頃のシュテンならがむしゃらに全力をふるっていただろう。
ターバインとの修行を通して我慢を覚えたのかどこがダメージが通るのかじっくり観察してる。
それでいい、もうお前は出会った時のただの魔物じゃないんだ。
ターバインの攻撃が相手の顔面を捉えた瞬間相手の魔物が僅かに怯む。
シュテンはそのわずかな変化を見逃さず、細かく同じところに打撃を通していく。
何発目かな打撃を喰らわせた瞬間相手の膝がぐらついた。
シュテンは魔闘陣のオーラを右の拳一点に集中させて渾身の力で振り下ろす。
「まずい!シュテン一度退け!ブラフだ!」
俺の位置からは膝をぐらつかせた瞬間顔を伏せてほくそ笑む相手の魔物の顔が見えた。
俺の声はシュテンに届かずに相手のカウンターがモロにシュテンに入る。
受け身も取らずに吹き飛ばされたシュテンは闘技場の壁にぶつかった。
なんとか身体を起こそうとしているが上手くいうことを効かないのか相手を睨みつけるだけになってしまっている。
そんなシュテンへゆっくりと相手の魔物が歩みを進める。
『ソージ、ごめん』
シュテンに斧が振り下ろされようとした瞬間シュテンから念話が届く。
俺はシュテンに名前を呼ばれた瞬間、シュテンの元へ走り出す!
「間に合え!」




