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3人家族のある日常

バイオレンスアンサー・夫 ④

 ある日、仲睦まじいかは別として、一つの家族が、ある特別番組を見ていた。その番組内容はこうだった。


「いやー、明後日には今の元号が終わり、新しい元号が発表される訳ですが、一体、どんな元号になるのでしょうか? みんなで予想してみましょう!!」

「元号は漢字二文字ということですが、これは中々、難しいかもしれませんね」


 その番組は、新元号をみんなで予想する……というものだった。


 それを見ていた夫が開口一番、こう言った。


「無罪」

「…………」


 その答えを聞いた妻は両手を握り締めると、そのままテーブルに突っ伏してしまう。


「あなた……、なんなの……? その無罪って言うのは……?」

「何なのって、言葉の通りだよ。ほら、小◯◯三が額縁を持ってこう『新しい元号は【無罪】です』って」


 それを聞いた妻は、夫の肩を激しく掴むと激しく揺さぶる。


「何!? あの事!? まさかあの発表の事を言っているの!? 馬鹿じゃないの!? だいたい、何に対して無罪なのよ!?」


 夫は三半規管を攻められながらも、平然と言ってのける。


「そりゃあもちろん、政治家の汚職事件や問題発言といった、不祥事全般さ」

「馬鹿じゃないの!? あなた!! あんな人達のしでかした事を無罪放免で許せって言うの!? どういう神経してたら、そんな言葉が出てくるのよ!?」


 夫の言葉を真に受ける妻は激昂し、ある意味言ってはいけない事を口走る。

 その姿を見た夫は落ち着かせようと妻にある質問をする。


「じゃあ君はさ、一体誰の事が許せないんだい?」


 それは正しくバイオレンス・クエスチョン


「そんなの決まってるでしょ!! あいつよ!! ……っ」


 妻は興奮するあまり、口を滑らせる。……が、すんでの所で、思い止まる。


「……って!! 何を言わせようとしているのよ!! あなたって本当、最っ低!!」


「うーん、惜しいなぁ? もうちょっとで、面白い事になったんだけどなぁ?」


 その夫の言葉を聞いた妻は一言。



「あなたが思っているほど、周りは面白いとは思って無いからねーー!?」

ごめんなさい、


あぁ、ごめんなさい、


ごめんなさい。

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こちらの方も連載しているので、よろしくお願いします。

ほのぼのほっこり子育てファンタジー、ここに始まる?

「お母さんは異世界でも強いのです。(お父さんも強いよ。)」


洞窟を探索していた四人は、ある日を境に、永遠とも思える時間をさ迷う事になる……。
地上に生還するのは、叶わぬ夢となってしまうのか……。


「一年後、宿屋で目覚めた四人は……。」
― 新着の感想 ―
[良い点] このノリでいくなら、勝訴もアリなんでしょうかね。 [一言] 周りはそうでなくても、私は面白いと思ってしまうのでした。
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