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最弱少年の英雄譚  作者: 三日坊主
1/1

オワリのハジマリ

初投稿です。自分の執筆欲を碌に推敲もしないまま垂れ流しているため

誤字脱字、文法表現などおかしいところがあったら教えてください(´・ω・`)


2018年 

平成が終わりを迎え、世界は新たな門出を迎えようとしていた。


時は夏。煌々とした太陽がジリジリと肌を刺すこの季節。

この季節になると、人ならみな一度はこの太陽を憎んだことがあるだろう。



pm12:00

憎きこの恒星が我々の頭上に差し掛かる頃、『その時』は唐突にやってきた。


それは天から。まるで頭の中に直接語り掛けてくるように。低い声は告げた。







———愚かで愛しいひとの子よ、今ひとたび思ひかえせよ。

       そして償ひ、来るべき次の世へ幸あらんことを。————







次の瞬間。太陽が【消えた】。




頭のいい人ならここで日食や超新星爆発等を想起するだろうが、そうではない。

文字通り消えたのだ。

まるで自室の電気を消すかのように、パッと。





残された謎のメッセージ。

唐突に訪れる暗闇。

混乱した人々は各々の携帯で事態の把握を試みる。

まずは安全の確保、と自身の周囲を画面のささやかな光で照らす。




心もとないわずかな明かりの先にいたのは、『得体にしれないナニカ』だった。


照らしているのにも関わらず、異様なまでに黒々とした塊が暗闇からずるり、またずるりと姿を現していく。

うすぼんやりとしたシルエットで辛うじて奴らが人の形をしているのが分かるが、二足歩行のものや四つん這いのもの。果ては体の一部が欠損し胴体をくねらせて地べたを這って移動しているものもいた。


頭ではダメだとわかっていても身体は意思に反して手元の明かりは奴らの足から胴体、首へと移動していく。


心臓が激しく早鐘を打ち付ける中、照らされたそれは、






顔。







血走った、左右で大きさの異なる目が。

異様なまでに小さい鼻が。

にたり、と不気味な笑みをたたえる大きな口が。

真っ黒な頭部にそのまま張り付けたように、こちらを見ていた。

笑っていた。





あまりの恐ろしさに声を上げそうになるが、舌を噛み口の中におさえこんだ。

「刺激してはいけない」と本能が言っていた。

だがその努力は隣から見ていた女性の悲鳴で虚しく散っていった

突然の声に驚き、そちらを見やる。




声はもう聞こえず、叫んだ時のままの開いた口からは絶叫ではなく、とろりとした液体が垂れ流しになっていた。




視線を落とす。彼女の喉元には半月状の穴が開いていた。

焼けつくような鮮烈な赤は時間をおいて、ぷしゅりと音を立てびちゃびちゃと辺りを同じ色に染める。



それを合図にしたかのように、奴らは手当たり次第に人間に襲い掛かる。



どたどたと走り出す様々な靴音。

あちこちから聞こえる断末魔。

脳内に響く先刻の低い笑い声。

何かを噛みちぎるぶちぶちと湿った音。

ぐちゃぐちゃと響く咀嚼音。

むせかえる程の鉄のにおい。

ざあざあと降りやまぬ生暖かい雨。






逃げ惑う人々にもみくちゃにされながら少年は走る。

今にも震えで崩れ落ちそうな足に力を入れて。

ガチガチと鳴る歯を止めることも忘れて。

ただその場から逃げ出さん一心で。



「死にたくない」と。







逃げることしかできなかったこの少年が、やがて人類の希望を背負い運命に対峙していくことになるとはだれが予想できただろう。




これは一人の【少年】が【英雄】になるまでの長い長い冒険の記録である。





次回から本編です!

長くなってしまいすみませぬ…


更新は未定です。

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