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駄目な悪魔  作者: 赤峰火蔵
8/13

08 ショッピングモール3

「ねぇねぇ!あそこいこ!」

その先にはゲームセンターがあった。

どうしよう、ゲームなんて最近ずっとやってないぞ。しかもゲームセンターなんて初めてだ。

「そう言っても、サナってゲームできるの?」

「私は触れないけど、あれが欲しいの!」

欲しいとなると、クレーンゲームですね。ああゆうのはどうやっても取れる気がしない。だけど、さっきサナの欲しい本を買わなかったし、せめてなにか1つでもあげないと可哀想だ。

サナが欲しいって言ってたのは、なにかのキャラのクッションだった。まだ箱のやつよりも取れそうな気がする。


━━5分後


全く取れない。なんだこのリング!回転ばっかして!もう諦めよっかな。

「やめちゃうの?あとちょっとでとれそうなのになー。」

「ふぃっ!」

びっくりした、こんなとこで人に話しかけられるなんて。

「えっと、いつから見てました?」

「最初のほうから。」

まじか、つまり後ろに人がいるのにずっとやってたのか。

「すいません!まってましたよね?」

「あー、いいよ。今ぶらぶらしてただけだから。」

よかったぁ。優しい人で。それで綺麗な人だな。巻き毛?の茶髪で少し僕よりも身長が高くて。

「ちょっと、あんま女子をジロジロみない方がいいと思うけど。」

ニヤニヤとからかいながら言ってきた。

「あ、すいません!」

「ま、いいよ。それよりあとちょっとだし取っちゃお。」

「あ、そうですね。」

クレーンゲームに向き直すと、背中に柔らかい感触がきて、そして手に手を重ねてきた。

「え、あ、あの。」

「おねーさんが手取り足取りでやってあげるよ。」

ほぼほぼ僕は何もせず取ってくれた。

「はい、これ。」

「ありがとうございました!」

その一言を言いすぐさまその場から離れた。

息が荒くなる。走ったせいではない。あの人のせいだ。自販機で水を買い、すぐに飲みきる。

「やったぁ!可愛い!」

サナは満足気だ。良かった。まだ背中の感覚が残っている。

あの人は何だったのだろうか。

そんなことを考えながらまた歩き始める。

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