鬼畜
久しぶりに書きました、iPhoneに帰るまで時間がかかった挙句サボってしまい申し訳ないです、完結まであと1話です
グレイが目を覚ますと、そこは様々な色が入り混じった空間だった。
「死後の世界……でしょうか」
しかも体の傷や損傷は消えていた。
すると後ろから美しい女性の声が聞こえた。
「いいえ、ここは生と死の狭間です、貴方は死ぬ事も出来るし、生きることもできるのですよ」
振り向くとそこには、女神のような女性がいた。
「貴方がここを司る神ですか」
「流石です、飲み込みが早いですね」
「すみませんがすぐに戻してもらってもいいですか?」
グレイの中ではルーシーたちがもう惨殺されている可能性が渦巻いていた。
「戻った所で貴方はネフスには勝てません、一応は元は神の使いだった者であり、その中でもトップの実力を持っていました。だからこそ自分の力に溺れ堕ちたのです。」
少し女神は悲しそうな顔をしていた。
「じゃあどうすればいいんですか?」
「限界を無くせばいいのです、貴方は半分が人間、そのせいで自分の力の7割は出せていません、だったら邪魔な部分を消せばいいのです」
「どういうことですか?人間をやめろと?」
「いいえ、龍であれ」
「?」
疑問でしかなかった。
「貴方のお父さんが言っていました、龍のように自由に、龍のように知的で、龍のように強くあれとなので今回、特別に貴方の人間としての限界を消してあげましょう」
それは人間の邪魔な容量を消し去るということだ、例えば人間の容量がコップ1杯だとすると龍の容量はプール1杯程だ、という事はどんなに力があっても入りきらなければ意味が無い。
「状況がいまいち分かりませんがそれでルーシーたちを救えるのならお願いします」
「少し痛いですよ」
瞬間全身に激痛が走る、それは毛細血管全てが焼け尽きるかのような感覚だった。
「ぐぁ……いっ……ふっ……ぁぁあ」
だがその痛みは一瞬で消え去った、そして残ったのは確かな力だった。
「では貴方の大事な人間の所へ移動させてあげましょう」
「ありがとうございます」
「いえ、罪滅ぼしですよ」
「え?」
次の瞬間景色が変わった、そして目の前にはルーシーたちがいた。
「グ、グレイ!よかった無事だったんだな!」
「し、心配しましたよ!」
「良かったです、あなたたちが無事で」
ルーシーとメイはポカンとしていた。
そして何かがやってくる。
「どうして君が生きている?」
ネフスだった。
「どうしてでしょうね、恐らく……貴方を……倒す為ですね!」
突きを繰り出す、ただそれだけだったが前とは比べ物にならない程の威力だった、その突きだけでネフスは長い廊下の端まで吹き飛ばされていた。
「人間はやっぱり邪魔なのですかね」
「「え?」」
「あっ、そういうことじゃないですよ!」
容量としての問題を物理的に考えられてしまった。
「ではまた後で会いましょう」
そう言うとテレポートでグレイは消えた。
「さっきのは何だったんだ?」
「さ、さぁ?」
「ど、どうして……貴様が神の……加護を……もっているん……だぁぁ!」
もう既にネフスはボロボロだった。
「さっき会ったからでしょうね、貴方のせいで死にかけたのですから」
「あの……糞めがみぃ!!!どこまで僕の邪魔を!ゲホッ」
「まぁもう貴方は消えてください……それがせめてもの償いです」
「イヤだぁ、僕は死なない!」
ネフスは神のオーラを纏ったナイフで切りつけてくる。
だがグレイはそれを指で触れただけで粉微塵にした。
「ぼ、僕のナイフがぁ!」
「凄い力ですね、龍のスキルですかね」
何故か触れたものを破壊できる力を入手したのだ、もちろん先程殴った時にも消せたがそれでは償いにならない、せめて苦痛を味合わせなければ……。
「貴様ァ!!!」
その笑みはまさに鬼畜だった。




