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開けちゃダメだ!

ある日グレイが自室で本を読んでいると……。


「グレイ!たまにはメリス以外の街に行ってみないか?」


ルーシーは突然旅行に行きたいと、目の前に飛び出してきた、そして片手には美味しいものが書いてある書物(イラスト付き)が……。


本当に影響されやすいですね。


「まぁいいですけど、例えば?」


「食べ物が美味しい街とかはどうだ?」


目をキラキラさせて言う。


「へぇ、ミョルルとかですかね」


ミョルルとは食べ物が栄えている街で、メリスからは馬車で二時間程度の所にある。


「な、なんでわかったんだ!」


「その書物の題名ですよ」


その書物の題名には、《ミョルルの美味しさ!》と書いてある、逆にこれでわからない方が重症だろう。


「じゃあ準備してくる!」


ピューンと走っていくルーシー、早過ぎてすぐに視界から消えた、と言うより自分の部屋に入っていった。


「じゃあ、私も準備を……と言っても収納魔法があるのですから大丈夫ですね、必要なものは揃ってますし」


もちろんその中には朱の刃の服が入っていた。



そして二十分が立ち、ルーシーが走ってくる。


「では、出発だ!」


コンコンコン


ドアをノックする音が聞こえた。


そしてグレイが開けに行く、すると。


「ダメだグレイ!開けたら!」


だが遅かった、外から何かが飛び込んでルーシーに襲いかかる。


その動きはまるで獣のように素早く、鋭い動きだ。


「グハッ!グッ!」


ルーシーが苦悶の表情を浮かべる。


だがグレイは動かなかった。


「ルーシー!」


何故なら、それはメイだからだ。


「お前、やめ、近付くな!」


「でも、なんでこの時間帯に来たのですか?」


グレイは思った、このピッタリのタイミングで来ることが出来るのは未来予知かストーカーだ。


「勘です!」


それよりも質が悪かった……。これで人数が増えてしまう。


「うぅ、グレイとのデートがぁ……。」


「ん?何言ってるんですかルーシー、私はクエストがあるからついでに来ただけで、今から忙しいんです」


メイは胸を張って言う。


「なるほど、ストーカーではなく偶然と……。」


「し、失礼です!私はストーカーなんてしません!」


顔を真っ赤にして怒っている。

この娘の沸点が分かりませんね。


「そ、そうか、なら良かった、メイ、ガンバれ!」


「ありがとうございます!じゃあまた!」


そして嵐は去っていった。


「よぉし!気を取り直してさあ行こう!」


「歩いていくのは久し振りですね」


「え?」


ルーシーの顔が真っ青になった。


「え?私は行ったことないのでテレポートは使えませんよ?」


「そ、そんな……」


あまりにも落ち込むので、グレイは滅多に使わないテレポートをしてやることになった。


「いいですか?どこに移動しても知りませんよ?」


「いいから、早く行こう!」


それはイメージがないのでその街のどこにテレポートするかはランダムと言うテレポートだ。


「では、テレポート!」


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