鬼畜な選択
「では、どちらが先に死にたいですか?」
「い、いやだ、助けて!」
「魔法使いメイ…では、こうしましょう、ルーシーを置いて一人で帝国まで逃げなさい。」
「え?」
もちろんルーシーとメイはきょとんとしている。
「私だって女の子達を嬲る趣味なんてありませんし、それに帝国裁許の魔剣士の側近でこれなんて面白くないですし目の前から早く消えてください。」
「わ、わかりました!あ、ありがとうございます!」
メイは頭を下げてきた。
「早く帰れと言いましたよね?」
それを謎の男はなんの感情の変化もなくただ言い放った。
「は、はい。」
「ちょ、ちょっと!」
そしてルーシーがなにか発言する前に、メイは自分だけでも助かろうとする気持ちが強かったのせいか、一度振り向いただけですぐに走って逃げて行った。
「置いていかれましたね。」
「な、なんで、私をどうする気!」
ほぅ、威勢だけはいいですか。
「せっかく、原石としてはいい器なのに、その程度は勿体無いですし、貴女には隠れた力が眠っているので面白みがあるかと。なので私の犬になりませんか?」
「…は?」
「ですから簡単に言うと奴隷になれ、ということです。」
「い、いやだ!なぜ私が!」
「ルーシー、貴女はメイを恨みましたか?」
「…もちろんよ。」
「そういう負のオーラが私は大好きなんですよ、そしてその復讐劇もね!」
男はルーシーの前で初めて感情的になった、そしてその思想は…
「狂ってる…。」
「自分でも分かりきっている事です。」
「…もし嫌だと言ったらどうするの。」
「その時は仕方ありませんね、ちょうどこの辺にオークの集落があるはずなのでそこに縛って置いて行きましょう、あとは想像にお任せ下さい。」
男はニコリと笑った。
「チッ…。」
オークは、女を犯すという象徴としてもまぁ間違えていないです、最終的な方を考えると最悪ですし、内蔵をむしり取られるとか…そんな感じですね。
「さぁ選択を、私の犬になったら3食おやつ付きのベッド付きです。」
まぁこんなのは嬉しくないか。
「な、なります、なので命だけは…。」
やっと決まりましたか…時間がかかったな、もう夜じゃないか。
あたりはもうほぼ闇だった…って私は仕事があるんでした!
「この際仕方ありませんね、ルーシー、絶対大人しくしててくださいね。」
「さ、触るな!」
男はルーシーに触った瞬間、もうそこにはいなかった。
そしてルーシーは目を開けるとそこは貴族豪邸のような場所だった。
「ほら、ここで今日からあなたは泊まるんですよ。」
「わ、わかりました。」
「もちろん、変な真似をしたらどうなるか分かっていますね。」
そういった時謎の男はやはり消えていた。