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龍と魔法使い

すみません、前回なんか決戦の幕開けみたいな感じにしちゃいましたけど、そこまで入れませんでした、編集しておきます。


ごめんなさい!

龍……それは神聖であり最強の存在、あらゆる魔法を操る魔法使いであり、己の牙、爪、尾を使う武にも長けた生物だった。


そして誰もが触れてはいけない存在、だが何百年も前にその禁忌に触れた一人の魔法使いがいた。


「うぅー寒い、まさかこんな雪山で遭難するなんてほんとに不運だわ」


彼女の名前はシャルケット、雪山に仲間と討伐クエストを受注してはぐれてしまった魔法使いだ。


「あっ、こんなところに洞窟が!やったぁ!」


その洞窟は奥が深く、何かがいそうな雰囲気を醸し出していた。


「まいっか。《フレイム!》」


彼女が手を翳すとそこに火が生まれる。


「あぁ〜あったかい!」


なぜだか命が危ない状態なのにニコニコとしていた。


「あぁ、どうやって帰ろうかなぁ……」


そうして迷っていると。


【グォォォォ!!!!!!!!】


凄まじい咆哮が聞こえた。


「……な、な、な、なんなの」


流石にこの時にはニコニコ笑顔も引きつっていた。


【私の洞窟に踏み入るものよ!今すぐここから立ち去れ!】


完全なる警告だった、まるで逆らえば殺すとでも言うような。


「い、嫌よ!外出たら寒くて死んじゃうでしょ!」


【ガッ!?】


それは驚きだった。


【お、お主、名はなんと申す】


「シャルケット!ただのシャルケット!あんたこそ名前は!」


シャルケットは堂々と己の名前を叫んだ。


【……私はルグランド、ここの洞窟の主だ。】


「えっ、ここってあんたのだったの、悪かったわね……でもちょっとだけ貸してくれない?」


まるでさっきまでの威勢はなく、逆にしおらしくなっていた。


【……少しだけなら許そう】


それが初の会話だった、そしてそれからというものシャルケットはほぼ毎日のように通った。


そのおかげか洞窟の主も次第に心を許し始めた。


そして歯車が動き出した、


「ねぇグラン、あんたの顔みてみたいんだけど。」


グランはルグランドの愛称だった。


【シャル……驚かないと約束するか?】


そしてシャルもまた愛称だった。


「するする、大丈夫!」


【ではこっちへ来い】


そしてシャルケットは洞窟に潜り込んでいった、すると目の前に真っ赤な壁があった。


「これ以上行けないんだけど……」


【私だ】


見上げるとそこには、龍があった。


「……あっ、あ」


【シャル、これが私なんだ。】


グランは悲しそうな顔をした。


「かっこいい!」


【は?】


それはあまりにも予想外な反応だった。


「だから、あんたかっこいいじゃん!なにこの鱗かったい!」


【私が怖くないのか?】


「なんで?逆にかっこいいって言ってんじゃん」


それは当たり前だとでもいうようにシャルケットは言った。


「そういえばグランって高位の龍だよね?喋れるし……」


【まぁ人化は可能だ】


「私の考えを読んだな!で、だから、人化してみて!」


【いいぞ】


ポンと音がするとそこにはイケメンな青年が立っていた。


「やっぱりかっこいいじゃん!」


【そ、そうか、照れるな、シャルも初めて見たが美人だな、何百年も生きているがこんな美人は初めて見たぞ、特に笑った顔がな】


そういった通り、シャルは美人だった。


「褒めてもなんでないからね!」


シャルはニカッと笑った。


それからは更に二人の仲は急激に近付いた、そしていつの間にかシャルはグランの子を身篭っていた……。


「ねぇ、グラン、この子の名前は、決まってるんだよね。」


【あぁ、この子の名前はグレイだ】



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