表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

サシャラside

や、やっと書けた・・・


女性視点は難しい

「魔界軍が魔王を召喚したようだ」


王のその言葉に、場にいる全員が戦慄した。勿論その意味が分からない者は居ない。


過去にも同じことが何度もあった。そのたびに勇者を召喚していた。しかし、全員魔王と相討ちになってしまい、弱点や城の構造は分かっていない。光の巫女も同じように後を辿っていた。


私もかれこれ9回ほど召喚や、魔王城まで同行したりと、様々な場所に立ち会っている。そのたびに、勇者が死んでしまうと同時に、世界が救われることに悲しみを覚える。今では涙も渇れてしまった。


王が言葉を紡ぐ。


「光の巫女よ、今回も――――――」


「皆まで言わなくてもわかっています。それが私の役目ですから」


その言葉に、視線がこちらに向く。そう、私は光の巫女。勇者を召喚し、死地に向かわせてしまう存在。


今回もまた、誰かを不幸にさせてしまう。


そんな自分が嫌だ、とっとと死んでしまいたい。誰かと変わりたい。


いっそ自分で――――――


「―――巫女殿?」


呼ばれた声に気づく。そうだ、ここは自室じゃない。考え事は後だ。


「いえ、何でもありません。準備してきます」


「うむ、すまないが・・・よろしく頼む」


その声を聞き、踵を返す。


(今は、召喚に集中するだけ。それからのことは、後で考える)




召喚の間はいたってシンプルだ。


広さ5メートルの部屋に柱が4つあるだけ。真ん中には3メートルの魔方陣が描いてある。勿論、勇者様を召喚するためだ。その周りに私と他の召喚魔法の使い手7人で囲み呪文を唱える。


これも10回目。もう言葉は覚えた。


『召喚の義によって申し上げる。』


魔方陣に光が灯る。


『我ら、光の巫女とその使いの力を用い。』


光が増す。けれど、まだ言葉を紡ぐ。


『ここに、我らの勇者を迎えたまえ!』


光が辺りを包む。周りのものが目をつむる。直視出来ないほどだ。


流石の私も目を細める。まだこの強さには慣れない。


「――――――来ます」


光が薄れていく。勇者様がこちらの世界に来られる。


そして、また私が・・・




今回来られた勇者様は今の私より2つ位年上だろうか。


今までの勇者様と同じような服を着ている。動作も同じように呆然としている。ここに来たときは意識がはっきりしないようだ。


「お目覚めください。勇者様」


声を掛ける。やっぱり反応がない。何度か呼び掛ける。


「お目覚めください。勇者様」


まだだ。世界を跨ぐときはからだと意識が、離れるのだろうか。


「お目覚めください!勇者様!」


勇者様の目に、光が灯る。


だけど、やはりなにか分かってないようだ。


そりゃそうですよね、急にどこか分からない場所に居るんですから。そのまま周りを見始める。


私や周りの人達を見ても驚く。この服もこすぷれだと思われているのだろう。


・・・そろそろ声をかけよう。


「勇者様」


目の前の青年がこちらを向く。だけど、その目がいつもの方たちと違う。


まるで、何も分かっていないような目をしている。


・・・おかしい、召喚前には呼び掛けがあるはず。それに答えたからここにいるのでは?


「いきなりの召喚にも関わらず、お応えいただき、誠に感謝致します。お分かりかと思いますが、私たちを救って頂きたいのです」


周りの空気が変わる。普段は何も質問を掛けないし、質問すること事態が特殊だった。


何時もなら読んだあと何かしら反応があるのだ。

「呼ばれたけど俺でいいの?」とか、

「俺の力を示すときが来たか」とか、

大体皆さん応じてくれる。


だけど、この人は違った。もしかしたら何かあったのかもしれない。


そして案の定、


「ちょ、ちょっとまて!俺が勇者って、一体何の冗談だよ!」


あぁ、やはり。この方は何も分かっていない。


だけど、喚ばれたということはそれなりに実力があるということ。


「冗談などではありません。貴方は、私たちの希望の“勇者”なのです」


「・・・分かった。何がどうなってるのか分からんが、話を聞きたい。一番偉い人とか居ないのか?」


なんと、かなり冷静な方なのですね。何度もこんなことが会ったのでしょうか。


王は別のところにいることを話しそこに行きたいと言っているが、



「その服で行かれるのですか?背中に血痕がありますが」


その言葉が駄目だったのか突然、



「・・・ああああああああああああああ!!!!!!」


絶叫を上げた。



「ど、とうされました!勇者様!!」


声を掛けるが、まるで聞こえていないかのように声をあげ続ける。


「誰か!光法(こうほう)を!」


「はい!」


右隣にいた者が声をあげる。


彼は王法師にも認められていたものだ。彼なら大丈夫だろう。


「王にも報告を!」


「はい!」


「私も行きます!」


左隣の二人が走り去る。これで少しは安心ですね。


「・・・光法の効きが悪いです」


「それでもなにもしないよりましです。話し掛けてみますからそのままお願いします」


「はい」


彼の前に行き、声を掛ける。


「お、落ち着いて下さい!」


「これが落ち着けるか!」


良かった!返事を返してくれた!なんとか会話ができる。


「一人でパニックになられていてはこちらが困ります!その事を話していただければ、何か分かるかもしれません!」


「分かるわけないだろ!」


「分かります!」


なめてもらっては困る。


「お忘れですか?ここは、勇者様にとって異世界。勇者様の世界とここでは、出来ることや出来ないことが違うのです」


勿論できないことはある。しかし、彼の世界よりはできることがあるはずだ。法術の無い世界だから、仕方ないだろう。


「・・・分かった、話す。だから、何とかしてくれ」


「承知しました。ですが、ここにいるのは『召喚法』の使い手のみ。勇者様が王と話をする間、私が手筈を整えておきます」




「本当に頼んでいいんだな」


「勿論です。私は、勇者様の巫女ですから」


そして、最後に殺してしまうなら、今のうちに力になりたい。


「・・・信用しよう。この世界の最大の誓いは?」


「・・・我が身にかけて、です」


なぜそんなことを?


「そうか。それと、あんたの名前は?」


「サシャラです。サシャラ・エルフォールド」


「分かった。言葉だけだが、勘弁してくれ」


「?」


一体何をする気だろうか。名前は教えるつもりだったからいいとはいえ、


「サシャラ・エルフォールド!私は!我が身にかけて!其方を信用すると誓おう!」


「な!?」


なななな、何を言っているんですかこの人は!


普通はそんなことしないでしょう!だって世界によって重みが違うのに!


あぁ、もう、やっぱり周りも慌ててる!「勇者様!?」「お気を確かに!」とか聞こえるし!


と言うか君たち!そんな言葉使っちゃダメとあれほど言ったでしょう!


そんなことより撤回させないと!


「勇者様!今すぐお取り消し下さい!その言葉は、軽々しく使うものではありません!」


「いや?お前は大丈夫だ。俺がそう判断したから使っただけだ」


止めてください!?


「いや?お前は大丈夫だ。俺がそう判断したから使っただけだ」


「い、今までの会話のどこにそんな確証を「俺ってさぁ」っ!はい!」


「昔、大変な思いをしてきたから、大体その人がなに考えてるか目を見れば分かるんだよな」


その言葉にハッとする。周りも息を呑む。この者たちは、私の事を分かっているため、この言葉に反応したようだ。


私の姿を見て(・・・・・・)。


「・・・本当ですか?」


「あぁ、だからサシャラの目を見たとき、こいつは大丈夫だって判断できたんだ」


「・・・そうですが」


顔が熱くなるって!


なんで顔が熱くなるの!急すぎない!?


思わず俯く。いやだって、そもそもそんな事言われたこと事態が初めてで・・・そっか。


初めて言われたから、気持ちが高揚して顔も熱くなったんだ。そうに違いないうん。


「そういうことだ。頼んだぞ、サシャラ」


頼られたならやることは一つだけ。


その期待に答えるだけ!


「はい!」


さぁ、頑張りましょう。

次は戻しますのと


めっちゃ増えましたすんません

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ