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鬱と俯
あれから龍と全然話していない…。目も合わないし、合ってもお互いすぐ目を逸らしてしまう…。
『何で声優になったこと隠していたの?』
『いつから始めたの?』…
…聞きたいことはいっぱいあるのに…。なんて考えながら廊下を歩いてると誰かとぶつかったような感覚がした。
「ごめんなさいっ、ぼんやりしていて!」
「いえ、俺もぼーっとしてたので!」
「「…あ…。」」
「あー!ちょうどいいところに仲良しコンビ!ちょっとこの資料を準備室に運んでくれ!」
「「え?」」
通りかかった担任の頼みで、俺と龍は資料を置きに資料室へと向かった。
資料室へ向かう俺らは終始無言だった。
頭の中ではいっぱい言いたいことがあるのに、いざ口に出そうとすると尻込みしてしまう。
モヤモヤ考えていたら、資料室についてしまい雑用は完了。気まずい雰囲気に耐えられず、俺は教室に戻ろうとドアノブに手を掛けた。
「れ…レイっ…!は、話したいことがあるんだ…。屋上、行こう?」
龍の言葉に俺は静かに頷いた。