10/12
罪と涙
「…お疲れさまです。お先失礼します…」
…レイ…いたんだ…。俺、レイに何て言えばいいんだろう…。あれだけ声優になりたがっているレイ…。そのレイより先に声優になってしまった…。こんな俺が声優になっていいんだろうか…。
俺は、レイにみたいに自分で志したわけじゃない…。だから尚更レイがよく思わないんじゃないかと不安なんだ…。
…あ、雨だ…。
「ハ八ッ…。神様からの罰かな…。それとも、レイの涙かな…?」
「げーのーじんさん、みっけ~」
「!?」
やばい…別に芸能人ぶるつもりはないけど、一応大勢の前で顔出ししたんだった…!俺は、声のしたほうへそっと振り向く。
「…!」
…そこにいたのは、
「あかんや~ん、変装せな~」