奇病と精神と人が宿す『モノ』
初めまして。双葉と申します。今回瞳海ちゃんと虫メガネ先生をタッチしていただきありがとうございます。初投稿のため、至らない点が多くあると思います。(※あります)
キャラとか、ストーリーを一から考えているので、個人的にこのシリーズはとっても気に入ってます(笑)
キャラデザの公開ももう少しでツイッターやピクシブの方でしたいと思ってるので、よろしくお願いします( *´艸`)
まただ。
人ごみとか、人通りの多い道は、思わず顔を隠して歩いてしまう。
顔というよりかは、、、
瞳。
咄嗟に瞳を隠して歩いてしまう。
冬はマフラー、夏は、、暑いけどマスクと長い前髪で・・・。
(あ・・・。)
「見てー!ママーあの女の人お目目がひとつしかないよ!」
「コラっ!やめなさい・・・!」
・・・。
私は産まれた時から目が一つしかない。
単眼で産まれた。
けれど、両親は私の目をとても気に入ってくれた。涙一つも流さずに。
だから、瞳海。
私は、佐々波 瞳海と名付けられた。
今は高校を通っているけど、中学ではいじめをひどく受けていた。のけ者にされるのは当たり前、興味本位で目を乱暴にいじってくる。あとはそれとなくどこにでもあるような幼稚なシカトや陰口。卒業式でも、声すらかけられず端で、みんなと離れられる嬉しさから涙があふれだし、皆と違う思い出もあった。
まぁ親とは仲良く暮らしているけれど。だからこそいじめられていてもずっと生活することができた。
それと今は学校でも幸せに暮らせている。
「今日も前髪長いね!ひーちゃん!」
後ろから顔をひょこっとのぞかせて前髪を撫でられた。
小さい背でクリクリした目、耳の上あたりのツインテール、頬には無数の穴が開いている。
・・・この子も奇病の一人。
花園 癒実里。いつも明るく高校生とは思えない子供っぷりでクラスでのゆるふわ癒し系女の子。小学生のころから頬に穴が開きだしたという。親に相談して大手企業の病院に診察を受けに行っても原因は不明だった。その時は毎日涙で枕を濡らしていたが、中学校に入るごろ、ようやく立ち直り、今のような明るい性格に変わっていった。
でも彼女はそれで今まで、いじめられるわけでもなく、楽しく人生を過ごしてきたそう。
そして私はいつもこの子に元気をもらっている。大切にしようと思っている。いや、大切にしたい。
中学からの友達。
今日もステップを踏む彼女を狭い視界で追いかけながら登校し、いつものように二人で学校の正門をくぐる。
この高校では、日本の技術では解明できない奇病や、重度の精神病を患っている学生も通うことのできる学校になっている。普通なら病院に通ったり入院をするところだけれど、体や、内臓には影響がなく、外見だけに影響が及んでいる場合だけ(私の単眼や、癒実里の頬の穴など)に、この学校に通うことができる。
そしてもう一つ、この学校に特殊なシステムがある。
(キーンコーンカーンコーン)
「よーし、じゃあホームルーム始めるぞー。日直ー。」
「虫メガネせんせーい!菜音がまだトイレ行ってまーす。」
___ 先生全員が、モノでできている。
私の担任は虫メガネ先生。その名の通り虫眼鏡という道具へ、人の魂が宿されこのように話したり、意思を持つことができる。
その人の名前は、その持ち主の命名によって決まる。
名前だけでなく、性格や、容姿も似てくる。虫メガネ先生の持ち主はメガネをしていたらしい。つまり、虫眼鏡の上にメガネをするという斬新なルックスになっている。
...でも案外クラスの女子の中では人気者。
休み時間は赤ペンを走らせながら女子生徒に軽く流して会話をしている。どことなくつまらなさそうに。
窓から見える廊下を歩くのはモノと病人。そんな光景だけれど、私はなぜか心地よかった。
自分の仲間がたくさんいる。気さくに話せる友達がいる。いじめられない。そんな安心が生まれるのも、
みんな今まで同じ思いをしてきたのだからだと思う___
「せ、先生、遅れました、です。はい。」
静まり返った教室に細々とした声がドアの音と共に響いた。
「芹沢、どうした。遅かったな。」
その子は頬を少し赤らめ、下を向きながらそそくさと席に戻った。
彼女は芹沢 菜音。目がオッドアイになっていて、髪の色も左右で違う色になっている。その見た目からいつしか完璧主義になってしまったらしい。根はやさしくて照れ屋な一面も時々、、、(さっきみたいな。)
「え、えっと・・・、腹痛で・・。」
苦笑いを浮かべると先生は少し間をおいて何事もなったかのようにホームルームを再開した。
・・・・・
「ねえねえ!春休み何かイベントあった??」
ホームルームが終わり、机に突っ伏して寝る生徒をかき分けるなり癒実里は瞳海に聞いた。
「え、イベント・・・?んー・・・。」
一年生のころは特になにがあるわけでもなくここの環境にただ口を開けて驚いていた。居心地が良すぎて。
逆に慣れるのに時間がかかったぐらいだった。そのくらい短いようで長い一年だった。
そしてやっと二年の新学期が始まった。
「僕はお花見に行きましたよ!!」
ばっと後ろから自信満々に春休みを謳歌したであろう菜音がキラキラした目で二人を見つめていた。
いきなりのことで少し驚いて後ずさりする癒実里に気づき菜音はすぐに我に返った。
「あっ、えっと・・・家族、、四人で・・・エヘヘ。」
頭を少しさすっていつものように下を向いていた。
「お花見かぁ~~!いいねー!!!今度みんなでいこうよー!!」
「もう桜の満開日過ぎてるよ(笑)」
目をキラキラさせる癒実里に瞳海は訂正をかけた。癒実里は下唇を出してむくれた表情だった。
「瞳海ちゃんは、何か楽しいこととかあったの?」
あ、そういえばと言わんばかりに焦った瞳海はとりあえず
「え、いや、私は特に・・・。」
と言った。
「えぇー!つまんないのー。ひーちゃぁん!今度お花見じゃなくてもいいから三人でどっかおでかけしようよぉ!」
少し怒ったような口調でじゃれつく癒実里にわかったわかった・・と約束をした。癒実里が引っ越しをしたからうちに見に来てよ!と自慢げに言い、たまには家でまったりもいいよね!と菜音が提案をした。癒実里の家で遊ぶことになり、癒実里は張り切った表情でいた。
「そこの三人。約束も大事だろうけど、次の授業のことをわかって話してるわよね?」
「「ひっ」」
予定日を立てていると後ろで鬼の形相の夏織が立っていた。
(次・・・、移動教室だ・・・。)
瞳海を差し置いて陳謝した二人は走って教室を出て行った。
「あ、天音さん、ここの生活、どう?もう悩んでることとか無い?」
「ええ。とても快適よ。心配してくれてありがとうね。佐々波さん。」
彼女は天音 夏織。一年の冬に転校してきた転校生。胸元あたりまでの黒髪ロングヘアーでメガネをかけ、いかにも勉強ができそうな見た目だ。だが彼女は、前の学校でひどくいじめを受け、父親からは性虐待を受けひどく精神的に病んでいた。そのため、母親がこの高校に転校させ、両親も離婚したらしい。転校してきた当時は目が死んだ魚のように虚ろだった。瞳海はそんな彼女をずっと慰めていた。そのおかげで、今では瞳海のクラスの学級委員を務めている。
「また、なにかあったらなんでも相談してね。私でよければなんでも聞くから。」
「ありがとう。佐々波さんはほんとにやさしいわね。・・・。ほら、授業に遅れるから早く行って。」
いつも強がっている彼女だけれど、こういう時、なんとも嬉しそうに目じりを下に下げ泣きそうな顔で笑っている。この表情を見るだけで、とても癒される。本当に感謝されていると自覚できる。
教科書を胸の前で抱きかかえ、少し上機嫌で廊下を歩くと、突然後ろから声がした。
「おーい佐々波ー。少し手伝ってもらえないかー?」
聞き覚えがあると思った考えは的中した。
虫メガネ先生が5,6個の段ボールの隣で段ボールをトントンと叩いてこっちを見ていた。
一時間目のチャイムが鳴り終わる頃、瞳海は先生の方へ歩いて行った。
最後まで読んでいただきありがどうございました!
投稿頻度はまだ未定ですが、飽きるまでなんとか投稿していこうと思うので、これからもよろしくお願いいたします!!
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