表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛相談部  作者: 甲田ソーダ
第四章
PR
89/131

事実を知ろう

久し振りの問題ですが頑張ってください!

大学の二次試験もそろそろですからね。これくらいの問題はできないと!

問題に出てくるかどうかはまったくもってわかりませんが。

問題(一部抜粋)

①春秋戦国時代に輩出した思想・思想家のことを何という?

②唐代に整備された法律を何という?

③随が導入した税制は何か?


(中国の問題か……。はぁ……。国の問題と比べるのも何だが、俺の部活も相当面倒くさいんだが、どうすればいいか誰か本気で教えてくれねぇかな)


慶喜の解答

①諸子百家

②律令

③租庸調制


 授業で渡されたプリントを解き終わると、慶喜は新たに違うプリントを取り出した。そこに三つ円を描くと、それぞれ『敬』『一』『X』の一文字を円の中に書いた。


(このXの名前はまだわからないがそんなことはどうでもいい)


 慶喜は『敬』から『一』に、『X』から『敬』へと矢印を引いた。そして、最後に全てを円で囲むと上に「壊さずに解決」と大きな字で書いた。現在の相関図である。


(さて、どうしたもんか)


 困ったようにシャーペンをプリントに付けたり離している慶喜だったが、少しすると珍しく相談を投げ出すようにシャーペンをほうった。


(まったくもっていい考えが浮かばない)


 敬一はXに自分を諦めさせて欲しい。一子は三人の関係を壊したくない。

 結論から言うと、この二つの相談は矛盾しているのだ。


(相手を諦めさせる時点で前のような関係には戻らねぇよ。どんなに俺が頑張ったところでな)


 ましてや、Xはもう敬一に告白までしているのだ。敬一の中ではもうXを前のように見るのはかなり難しいであろう。


「どうしたもんかなぁ……」


 今度は口に出してそう言った。だが、口に出したところで何も変わらない。案も策も考えるのは慶喜一人。いつものことだった。


「けど、何でだろうな。このしんみりした感じは」


 部室ではあれほど面倒くさいと思っていた人間関係。部室にいてもあの二人とは特に話すことはなく、慶喜は一人で本を読んでいるだけ。やっていることは前までとまったく変わらないはずなのに、慶喜はやる気がいつもより出なかった。


(やっぱあれか。前の相談も終わっていないからか?)


 本来であれば明人の相談が解決したら、何が何でも休んでやると思っていた。しかし、最初の相談が簡単だと思って受けた結果、こうして二つ、三つ目と相談が増えてしまった。


「あぁ、もう!」


 終わってしまったことを考えたところで状況は何も変わらない。結果を受け止めることが何よりも大事なはずだった。


(そうだ。結果だ。今ある結果をまず受け止める。そこから始めるか)


 慶喜はもう一度三角関係の相関図を眺める。そこであることに気付いた。


(待て。駒田は関係を壊したくないと言っていたが、そもそも元々の関係がわからない)


 一子の言っている「今の関係」と、「現在の関係」は違っているのだ。一子の言う「今の関係」とはすなわち自分がXに告白する前の関係であり、何よりもそれはXが敬一のことを・・・・・・・・好きなことは知らない・・・・・・・・・・のだ・・


(駒田の言う今の関係とは何だ。まずはそれを知らなければ何もできないのではないか?)


 慶喜は腕組みをすると一子になったつもりで考えてみる。こういう経験をしたことがない慶喜だが、こういう経験をした場合のことを考えるとその気持ちになったつもり・・・にはなれる。


(…………。つまり、駒田が望んでいる関係っていうのは友達っていう意味でいいんだよな? 友達とかいたことないから知らねぇけどよ)


 一見大したことない憶測だが、それは慶喜にとって重要なことだった。

 客観的に見た今の関係はつまり、Xが敬一に告白する前の関係のこと。だが、本当にそうだろうか。一子が言っている関係とは「三人が仲良くしている関係」ではないのだろうか。

 それがどうした。結局何も変わらないではないか。同じことだ。


(違う。似ているようでまったく違う。前提が間違っている可能性がある。事実をまったくもって見ていなかったかもしれない!)


 慶喜は思わず立ち上がった。

 プリントの相関図ではまったく見えていなかった事実を確かめなければいけない。


「……俺の予想が正しければこれはもっと面倒くさい相談かもしれない」


 ただXを諦めさせるだけじゃ相談は解決しないのはどちらにしても確定事項。問題はその後。


(今すぐ連絡を取れればいいがさすがにそうはいかないか)


 詳しい事情を後日聞くといってしまった慶喜は今日の相談者三人の携帯の番号を知らない。もしかしたら美麗唖に連絡すれば手に入るかもしれないが、美麗唖は今明人の自称・・ヒロイン達の中に紛れ込むという難しい役を担っている。それに、


(俺が純粋にアイツに頼りたくない。アイツと妹子にだけは絶対借りは作らない)


 という、慶喜の願望もあった。


「仕方ない。明日、三人に詳しい事情を聞くとするか」


 今日できることはすべてやった。これ以上相談に頭を使うのは慶喜としてもやりたくなかった。

 慶喜は頭を休めるようにベットに寝転がると、明日のスケジュールを詳細に頭の中で組み立てる。それが決まると同時に眠気が慶喜を襲い、慶喜は今日を終えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ