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恋愛相談部  作者: 甲田ソーダ
第三章
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失敗を止めよう

『恋愛相談部』を検索したとき、一番上にあるのが『放課後恋愛相談部』というモデルやらなんやらのページで敗北感を毎回味わっています……。

 遠足という話題はすぐに部活でも話題になった。


「遠足のことすっかり忘れてたね」

「『ええ遠足のこと、す、すすっかりわ忘れてたよ』」

「なに作るかもう決めた?」

「『なな、何を作るかも、もう決めた?』」


 今美優と月葉の二人(?)が話しているのは炊事遠足で何を作るかの話である。この炊事遠足では各グループで食材を家から持ってきて何か一品作らなければならないのだ。


「私達はカレーにしよう、ってみっちゃんが」

「『わわ、私達はカレーにししようかなってみ、みっちゃん?』あの、みっちゃんって誰ですか?」


 伝言の最中だが明人は疑問を口にした。


「あ、そっか。明人くんは美麗唖さんを知らないんだよね」

「ははははははいいいぃぃいぃ!」

「そ、そんなに緊張しなくても……」

「すすすすすすっ、すみみませんん!」

「これで本当に大丈夫なの、慶喜君?」

「始めてまだ二日だぞ。そんな早く慣れるわけねぇだろ」


 二人(?)の会話をBGMに課題を書いていた慶喜がそこで始めて口を開いた。


「それよりお前らは間に邪魔な言葉が入ってよく普通に会話できるな。そっちの方がすげぇよ」

「う~ん、慣れたら簡単だよ?」

「私はコンサートのときとかお客さんから合いの手を入れてもらってるから……かな?」

「質問で返すなよ。俺がわかるか」

「よく普通に話せますね……」


 女子と普通に、ましてやその二人が今や学校で話題の女子にもかかわらず普通に話す慶喜を明人は尊敬の眼差しで見る。


「女子と話していると思うからダメなんだ。人と話しているみたいな感じでいいんだよ」

「そ、それはちょっと……」


 明人は横目で美優と月葉を見る。この二人の会話を繰り返したおかげか、はたまた二人がわかりやすいのか二人がちょくちょく慶喜を横目で見ていたことには明人も気付いていた。

 だがそんな明人の心配も杞憂で、二人はそんな慶喜が普通であって、そんな慶喜だから好きなのだ。不機嫌になるどころか嬉しそうに笑っていた。


「そういえば慶喜君はグループってどうなったの?」

「……」

「……あ、『そそういえば志賀君はグループはどうなったの?』」

「……」

「慶喜くん?」

「『志賀君?』」


 慶喜は気まずそうに課題を再開させようとするが、三人に見つめられてはさすがの慶喜も無視はできず、諦めたようにペンを置いた。


「俺はグループじゃなく俺一人だ」

「「「えっ」」」


 三人の予想通りの反応に慶喜はため息をつく。


「普通に考えてみろ。俺と組みたい奴がこの学校にいるか?」

「いる……と思うけど……」


 最低でも二人は、という言葉を美優はぐっと堪えた。


「ま、俺としては別に一人の方が気楽でいい」

「志賀君って変わってるね」

「その言葉はお前で三、いや四人目だ」


 二人はもちろん美優と香月だが、もう一人は誰ですかと明人が聞く前に月葉がその答えを言う。


「もしかしてもう一人は倉間先生?」

「ああ」


 どうして倉間先生? と明人は疑問に思ったがそこで美優が「倉間先生は顧問なんだよ」と説明する。


「それにしても美優、カレーはやめた方がいいと思うぞ」


 慶喜がいきなり話題を変えて言った。


「え、どうして慶喜君?」


 炊事遠足で作るものといえばカレーが定番であり、またカレーが一番作りやすいと聞く。実際美優も担任の倉間先生や美麗唖にそう言われた。

 だが慶喜はそれを「危ないぞ」と言う。


「ここの炊事遠足では火を使うときは炭や薪が原則だったよな?」

「そうだけど……」

「だからだ」

「え?」

「俺の中学でも炊事遠足があったんだがそこでカレーを作った奴らのほとんどが言った」

「……な、なにを?」

「『カレーがスープになった』ってな」

「え、ど、どういうこと?」


 美優は料理が得意であり、家でも料理をするがいつもはなにも考えずに作っているらしい。そんな美優に慶喜は語る。


「カレーを作るには結構温度を上げなければいけない。これはわかるな?」

「うん、裏に書いてあるよね。強火でって」

「そうだ。だが炭や薪だとその火力が出なかったり、またその火力を維持し続けるのが難しいんだ」

「それで失敗するかもってこと?」

「別に無理にとは言わないが俺は勧めないな」

「なら明日みっちゃんと話してみるよ」

「そうしとけ。って、あ。伝言してねぇ」

「あ!」


 そこで思い出したように明人も叫ぶ。

 そこで慶喜は頭を掻きながら、


「まあいいや、今度からは美優と月葉の会話だけにしてくれ。俺ができねぇ」

「慶喜くんにできないこともあるんだね」

「当たり前だろ」


 慶喜はそう言って課題に取りかかる。そんな慶喜の課題を月葉は覗く。


「これって現代文?」

「見てわからないか?」

「現代文だね」


 月葉はそう言って問題文を読む。



問題(一部抜粋)

①世界『クッシ』の大企業。カタカナを漢字に直しなさい

②『漸次』の読みを答えなさい

③『煮詰まる』の意味を答えなさい


(よく間違えやすい問題だね。だけど私には通じないよ)


月葉の解答

①屈指

②ぜんじ

③結論が出る状態になること



「慶喜くん、そこの答え違うよ。煮詰まるって結論が出る状態のことだよ」

「なん……だと……」

「私、クイズ番組とかバラエティ番組でよく聞いてたから間違いないよ」

「悪いな」

「どんどん頼ってね!」

「お、おう……」


 月葉によって炊事遠足の話が完全になくなったが、美優と月葉は炊事遠足で公開することになる。慶喜の作る料理を聞くチャンスを逃したのだから。



問題の入り方に無理がありましたねwww

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