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恋愛相談部  作者: 甲田ソーダ
第五章
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計画通り実行しよう

久し振りすぎて書き方を忘れてしまっている…。

『放課後・もう部室に集まる必要はない。昼休みにそういうことは終わらせて、放課後にも意識させるように行動するのが一番だ。


 帰りのSHR(ショートホームルーム)が終わると、二三也はいつものようにサッカー部の部室へと向かう。


 ……前から思っていたんだが、コイツ本当に元不良なのか?


 俺達の調べによると、コイツの人生の転換期は確かにすごいが、こんなにも変わるもんなのか?


 つうか、元不良のわりに俺より友達多いとかわけわからん。


 ……黙れそこの虫野郎。


 あぁ~、話を戻すとだな。


 なんだかんだ真面目なコイツは部室にすぐに向かう。


 だから、先輩はあらかじめ帰る準備をしておいて、二三也が立ち上がると同時に立ち上がる。


 ま、これは心理学の一つだな。別に俺も詳しいわけじゃねぇけど、前にテレビでな。


 相手と同じことをすると、相手はその人に対して親近感が湧くんだとよ。


 シンクロなんとかって名前だった気がするけど、名前なんてこの際本当にどうでもいい。


 で、だ。


 ただ後ろをつけるのはマズい。


 あぁ、そうだ。アンタがやっていたことだ。


 そのままトイレにでも行っておいて、サッカーが始まる頃に帰る。


 そうだな……サッカーといえば、最初はランニングからだよな?


 ランニングが始まる頃に、校庭から先輩が帰宅するところを見える道を通って帰る。


 ランニング中にアンタを見つけてくれるかどうかはわからねぇが、その辺は大丈夫だと思う。


 いくら部活で忙しいのだとしても、さすがに知り合いの顔を見逃す訳はない。


 もし目が合ったら軽く手を降っておくのもいいかもな。


 まぁ、別に無理にとは言わねぇよ。けど、話しかけるのはダメだな。


 あ? アンタ、二三也の練習の邪魔をしたいのか?


 ……わかればいい。


 その後? 別に。そのまま帰ればいいんじゃねぇの?


 知ってるか。


 明人や二三也みたいな主人公キャラ相手には、何かミステリアスなところを見せるだけで、メインヒロインが勝手に意識するんだ。


 そうなると、二三也自身が最初どう思っていようが、隣の彼女が気にすれば、嫌でも気になり始めるってものだ。


 その違和感を恋の始まりとでも錯覚してくれるのがベストだが、そこまではさすがに無理だろうな。


 彼女がいる身だし、理性で抑えつけるだろう。


 とにかくだ。


 登校から下校まで、この少しの変化を日常に取り入れていけば、必ず何かしらの変化が起きてくる。


 いいか。くれぐれも変な気は起こすなよ。


 俺達が今やろうとしているのはきっかけ作り。


 本当はもう相手を堕とし始める予定だったんだが、アンタのせいでまだ一歩も進めてねぇ。


 今のままではどうあがいても失恋する。


 些細でもなんでもきっかけがないと何もできねぇ。


 いいか。もう一度言うぞ?


 絶対に俺達の指示に従え』


 ★☆★


 その指示通り、私は二三也くんの部活が始まると同時に、校庭の横を通って帰る。


 声をかけることができないとはいえ、この作戦は私にとってもよかった。


 正々堂々、指示という理由から二三也くんの部活中の様子を観察することができるからだ。


 今まではこの不器用さ故に、遠くから望遠鏡で見ることしかできなかったが、ようやく目の前で見ることができた。


 私が何か変な動きを少しでもした時点で終了だ、と言わんばかりに志賀くんが見張っているけどもう慣れた。


 下校に限らず、いろいろ見張られているようだし。


 ……あれだけの暴走をしてしまったら無理もないか。


 それでも初日以降、志賀くん達が突然呼び止めることもないし、私も彼らを信頼している。


 あ、二三也くんがまた私に気付いてくれた……!


 志賀くんに言われたとおりに手を振り返して、そのまま家に向かう。


 最近はよく存在感の薄い私に気付いてくれる。


 志賀くんはただのきっかけ作り、なんて言っていたけど、これだけでも充分な効果だ。


 本当にありがたい。


 実は何度か、私を見張ってくれている志賀くんに感謝の意を込めてお礼をしたことがある。


『俺達をあまり意識しすぎるなよ』と言っていたから、あまり見ないようにしていたけど何度か志賀くんを見たことがある。


 私の気のせいかもしれない。


 遠くからだったから確証はない。


 でも、普段ぶっきらぼうな志賀くんが笑っているように見えた。


 口もとを手で隠しているようだったが、口角を上げているのが僅かに見えたような気がした。


 昼休みにそれについて訊いてみたんだけど。


『俺がアンタのために笑うわけねぇだろ』


 と、言い返されてしまったから、やっぱり気のせいなのかもしれない。


 そんな感じで。


 志賀くんの立てた計画は私が思っていた以上に、うまくことが運んでいた……。


 ☆★☆

















 ……と、瀬良は思い込んでいた。



さて、前話と合わせて何かに気付いた人はいるだろうか?

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