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恋愛相談部  作者: 甲田ソーダ
第一章
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恋愛相談部に来てみよう

不定期掲載ですが、一週間に一・二話を予定しています。

『青春』『リア充』『ラブコメ』『恋愛』


 これらは自分の学園・学校生活にあってほしいが、実際問題これらを経験することができるのは極限られた人達だけである。美少年・美少女なども実際学校に一人いるかいないかである。たとえ気になる人がいたとしても気になっている内だけで卒業したり、誰かと付き合っていたりして、一歩踏み出す前に終わってしまうのだ。


 そんな中、この公立春月はるつき高校には不思議な部あった。その名は……


『恋愛相談部』
















 帰りの挨拶も終わり、志賀しが慶喜けいきは教室を出て、廊下を歩いていた。

 この公立春月高校はコの字の形をしている。校門から入って右側が三年生、左側が二年生、そして真ん中に一年生の教室がある。なぜ、二年生と三年生の位置が離れているかというと、昔その二学年が喧嘩したと言われているが実際のところはわかっていない。もしかしたら最初からそういうことになっていたのかもしれない。


 慶喜は三年側の三階にある教室を目指して歩いていた。

 三年側の校舎に着くと階段を上り、その教室の前に立った。ポケットから鍵を取り出して、ドアの鍵を解錠してから教室の中に入った。

 そこには、中心に机、教室をぐるりと囲むように花瓶やら本やら入っている棚が並ばれていた。


「よいしょっと……」


 慶喜は電気を点けてから身近な椅子に腰を掛け、鞄の中から本を取り出した。その本にはブックカバーが掛けられていて、本の表紙がうっすらと見えていた。

 そうして、しばらく本を読んでいると慶喜はあることを思い出した。


(そうだ、ドアの鍵かけていなかったな)


 慶喜は立ち上がると教室の鍵を内側からかけた。

 また、椅子に座ろうとしたところで教室の外が騒がしくなった。バタバタと足音が聞こえることから部活の練習で走っているのだろう。


(ちっ、うっせぇな。まったくどうして部活の練習時には走ってもいいことになってんだよ。外で部活できないときは諦めて帰れよ、まったく……)


 慶喜は自分が集中して本を読んでいる最中に雑音を立てられるのは好きではない。普段この時間は外で大抵の部活が外で行われているが、何分今日は雨で外の部活が中で行われていた。

 もうこうなったら、本を読む気などは失せてくる。その部活が終わるまで本を読まないことにして、しおりを挟んだ。


(それに、なぜかあいつら練習中に通れば嫌そうな顔をしてくるんだよな……。あっちは廊下を借りて練習しているだけであって、本来は俺達が優先されるべきだろうが……)


 本も読めなくなり慶喜はすることがなくなった。仕方がないから慶喜は今日出された宿題をやることにして、筆箱とプリントを出して問題を解き始めた。



問題(一部抜粋)

①(ⅰ)気体から液体、(ⅱ)液体から固体になることをそれぞれ何というか?

②同じ圧力の別々の気体をコックで分けた別々の容器に入れ、コックを開けて長時間放っておくと容器の中は同じ割合の混合物になる。この現象を何というか?

③ケルビン温度にするにはセルシウス温度に何の数字を足せばいいか?



(はぁ、何これ? 超簡単だな。ここに入学してからまだ一ヶ月だがそれにしては簡単すぎだろ、この問題)



慶喜の解答

①(ⅰ)凝固(ⅱ)凝縮

②拡散

③273



 宿題を終えると声が聞こえた。


「ここ……だよね?」


 慶喜はドアについているガラスから向こうに誰かがいるのがわかった。顔はモザイクのようになっていたが、声で誰かがわかった。


(この声からするに……)


 声の主はやっとドアノブに手をかけた。それからドアノブが回って……


ガタッ、ガタッ


 もちろん開くはずがない。

 さっき慶喜がドアの鍵をかけたのだ、開くはずがない。ドアを開ける方法は二つほどある。一つは鍵を使って開けること。二つ目は内側から鍵を開けること。

 ちなみに鍵は慶喜が持っている鍵一つしかなく、事実上今使える方法は一つしかない。


(ま、開いていないのならここは黙って帰るだろ。こういう状況なら人がいないと考えるのが普通だからな)


 そこで、音が鳴り止んでいることに気づき、慶喜は先ほどの本を読もうとした。だが、教室の前の人は諦めていなかった。


「すいません、誰かいませんか?」


(いますよ。でも帰ってください)


「おっかしいな? 電気が点いているのにな~?」

「……」


 慶喜は心の中でしまったと思っていた。普段からそっちを気にしていなかった。本を読むために明かりを点けたことが裏目に出るとは思っていなかった。


「ん~、でも誰もいないのに電気が点けっぱなしなのもダメだし、事務の人にでも……」

「……はぁ~」


 さすがに事務の人を呼ばれて、慶喜の行いがバレたらまずいので慶喜は諦めてドアを開けた。


「って、あれっ? 開いた」


 慶喜がドアを開けるとそこにはなんとも綺麗な美少女がいた。慶喜は彼女を知っているが、この学校の一年には大体知れ渡っていた。

 清河きよかわ美優みゆ―――彼女は学年トップレベルの美少女である。

 これが慶喜の最初の部活動となる。



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