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三題噺

三題噺 お題「路地裏」「おじさん」「魔王」

作者: 葵悠静

第36話(魔王、社会見学にいく)

※この話に前後話はございません


小国マルガメに住む魔王はマルガメを大国にするため今日も縦横無尽に世界を駆け巡るのだ


「焼きスライムとか売れそうじゃない?」


「僕を見ながら言わないでください!」


「だってお前の体ぷりんぷりんしてるじゃん?プリンにしたらうまそうだね」


……サー……


「魔王様、この城すきま風が入ってきてますね」


「俺のギャグは寒くないわあほー!」


「あ、魔王様どこにいかれるのですか!」


「ついてくんなスライムのバカー!おたんこなす!」


魔王は世界征服という夢を叶えるため今日も縦横無尽に駆け巡る…スライムを従えて


「……いきおい余って転移しちゃったけどここどこだろう、誰もいないし、なんか道狭いし、もしかしてどっかの小国に飛んじゃったのか?いやいや、マルガメより小さい国なんて見たことないからそれはないか、あ、ケルベロスらしきのがいる」


「グルルー」


「おい、そこのケルちゃんや、蹴ってあげようか?蹴るだけに」


……サー……


「…ケルちゃんや、その箱の中をそんなに荒らして何をしておる?ていうか、ここはどこだい?」


「グルルー…ワンワン!」


「わ!ケルちゃんはこんな泣き方しない!てかケルちゃんは強いからなかない!なんだこいつー!」


「ワン!」


「ツースリーフォー、ファイブシックスセブンエイトー」


「おい、おい、おっさん」


「ワンワン!」


「ツーステップスリーステップ一つとんでファイブステぐべぼ!!」


※いい忘れていましたが魔王様の強さは一般人レベルです、すべての魔王がそうとは限りません

例として超大国トウキョウの魔王様はそれはそれはお強いとかそうでもないとか…


「おっさん、踊ってないで人の話を聞け」


「魔王を殴るなんて、いくら小国だっていっても魔王は魔王だい…」


「おっさん、なにしょげてんだ?立てよ」


「おっさんって俺のこと?」


「こんな路地裏で変な服着て野良犬と会話しながらステップ踏んでるおっさんあんたしかいないでしょ」


《この国では156歳はおっさんなのか?まだまだピチピチの魚並みにピチピチだと思ってたのに、この国はそんなに短命なのか?》


「ここはどこだ?」


「おっさん記憶喪失なのか?ここはカガワだよ、47大国の一つ、OK?」


「お、おーけー」


《参ったなー!まさかそんな大それた国に来てたとは!!47大国だって!?いやーこれは魔王さん参ったなぁ!》


「で、おっさんいくらもってんの?」


「なんで俺が縁もゆかりもないあなたに俺の全財産を教えなきゃいけないの?」


「田舎もんか?これは簡単にいうとかつあげだよ」


「カツ揚げ?焼きスライムは知ってるけどカツ揚げは知らないなぁ」


「焼きスライム?おっさん、俺なめてるでしょ?なめてると、死ぬよ?」


「え!カツ揚げってなめたら死ぬの!?君そんなの欲しいの!?物好きだねぇ」


「なんかよくわかんねぇけどおっさん俺なめてるね」


「いや俺もさすがに君を舐める趣味はないけど…あ、え?なにそれ?先端とがってるけど、多分、ていうか確実にそれ人に向けちゃいけないやつだよね?」


「ナイフも知らねえのか?どこの国だよ」


《こういうのは逃げたもんがちってスライムがいってたな、国名も分かったし転移距離もわかった…情報は揃った!この勝負俺の勝ちだぁ!!》


「あ!君の大好きなカツ揚げが飛んでる!見事に華麗に飛んでるよ!」


「はぁ!?意味わからなすぎて思わず見ちまったじゃねえか……あれ?おっさんどこにいった?チッ、結構持ってそうだったのにな」



「ふー、生還生還…性感体になっちゃうとこだったね」


……サー……


「あ!魔王様!この寒さは魔王様だと思ったらやっぱり魔王様!何してたんですか!」


《ケルちゃんと戯れてたら殺されかけたなんていったら皆呆れてこの国出ていくよな~…》


「んー……社会見学?」


「…さすが魔王様!変なことをいいながらもいつも世界征服のことを見据えて行動しているのですね!だからこうやって社会見学と称して敵国に潜り込むとは…感服いたしました!」


《んー…またその話かぁ俺世界征服なんて言ったことないんだけどなぁ、この国がいつか世界中に広まればいいねっていっただけなのにさぁ、俺は君たちが国を見捨てなきゃそれでいいんだけどね…そもそも国民全員スライムなのにどうやって世界征服するのさ…》


「魔王様?」


「そうそう、しょうゆうこと!」


……サー……


小国マルガメのちょっと寒くて残念な魔王は明日も世界を縦横無尽に駆け巡る…?

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