杉田君のデート
俺の名は杉田健三。泣く子も惚れるイケメンだ。年は18歳、今年から大学一年生だ。
「杉田くぅーん。おまたせー。待ったぁ?」
とかけてくる少女。こいつは高校から付き合ってる彼女で、名前は薫、読み方はかおるだ。
「いや、今来たところだぜ。」
ほんとは20分も待ってるけど、今きたことにする俺、性格もいいよな。
「そう、よかった。待たせちゃったのかと思ったぁん。」
ふ、嫌われないかと心配してるのか、かわいいやつ。大丈夫だぜ、嫌ったりしないぜ、君のイケメンな彼氏はこれからも君の彼氏でありつづけるぜ。
そんなことを考えながら、一緒に歩く。
向かう先は映画館だ。
見る映画は「熟女と老人のセックス」
18歳になって18禁が見れるようになると、こういうのを見たくなるんだ。
映画館に入って映画を見る2人。手をつないで見たりもした。
「ポップコーン、食う?」
薫にポップコーンを渡してあげる。気がきくよな、俺。映画と彼女、両方をちゃんと意識してる。
映画を見終わり、駅の階段を上る2人。前にいる女子高生のスカートが短かったので、パンツが見えていた。うっほ、パンツ見えてる♪とパンツを目に焼き付けようとガン見する俺だが、こう言った。
「彼女たち、よくないよね、スカートの中見えてる。スカート短すぎるのって、ダメだよ。」
「うん、そうだね。杉田君って優しいね。普通の男だったら喜んで見そう。」
ふ、つかみはグー。
そうしてなにげない会話をしながら、俺たちは電車にのって、彼女の降りる駅についたところでさよならをした。彼女とは降りる駅が違うのだ。ひとりになった俺は、今日のデートを振り返っていた。
今日も俺、優しかったよな、イケメンな上に優しいってどうなんだろう、最高じゃないのかな、俺みたいな男と付き合ってる薫ヤベー、超幸せじゃね。でも薫も大変だよな。俺みたいな男と付き合ったら逃がさないように必死だぜ、きっと。俺を逃がさないための策略をあれこれ考えなきゃいけないから大変だよなあいつも。
そんなことを考えていたら、マンションについた。
「ふう、やっとついた。」
そうして鍵を開けようとしていたら、5つか6つ隣の部屋で同じく鍵を開けようとしている女性と目があった。
やべ、惚れられた??
やっちゃったな、と思いながら部屋に入った。
俺の部屋はまあ普通の大学生の部屋だ。特になにもおもしろいことはない。普通と違うところといえば、住人がイケメンだということくらいか。
そうしてシャワーをあびて、テレビを見て、俺の一日は過ぎていった。
「さあ、明日も大学だ、早く寝よう。」
眠りにつく俺。明日からも騒がしい日々が続く。だって俺、イケメンだから。