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詩集

ずっとずっと

作者: 香紅 雅

孝行のしたい時分に親はなし


その言葉の意味

少しだけわかったの


ごめんね

いっぱいわがまましたよね

今でもずっと甘えてばかり

遠く離れてみて気がついたんだ

毎日助けられてた

愛されてた

守られてた

何も知らず、大人になった気でいたの

一人でだって生きていける

そう思い込んでた


でも本当は、ゴミ捨てだって洗い物だって、お風呂掃除だって

自分じゃちゃんとしたこともなかった

おしゃれ着洗いすらできないで電話したね


一人で暮らし始めて、恋しくなったのはママの味

ママのシチュー、ロールキャベツ、お味噌汁

作り方がわからなくて何度も聞いた

でもずっと何かが違って

物足りなかったあの味


それでもその生活が一年経つ頃には

少しずつ様になってきてた

そして二年目の秋

突然聞かされたあなたの病

そばにいられない自分を

こんなにも悔やんだことなんてなかった

姉一人に任せてしまう辛さ、不甲斐なさ

病院のベッドに横たわるあなたの写メに

涙したのはだれにも秘密

これからの闘病生活にも

あたしはそばにいてあげられない


おいていかないでね

成人式にすらでられない娘だけれど

お正月にもお盆にも帰らないような娘だけれど

大好きなんだよ

女手一つで育ててくれた

『やりたいことをやって生きなさい』

そう教えてくれた

ママが大好き

小さな頃からずっと

お母さんっ子だったあたし

今もずっと変わらない


まだまだ

話し足りない

聞き足りない

遊び足りない


だからおいていかないでね

笑っていてね

ずっとずっと生きていて






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