9話安堵。
海の深海のように、全てが真っ暗で見えなかった。
走ってきたおかげで、予定時間より10分早くついた。
誰もいない待合場所で待つのはかなり、
辛かった。
五月蝿い待合室に辛さを感じ、
誰か早くこの海の底から救い上げてほしいと強く願った。
それに反して鈴は遅く着いた、
鈴は待合室の椅子に蹲り、
動かない私を心配してくれた。
「どうした、なんかあったの。」
それだけでも、なんだか十分に嬉しく感じる事ができた。
私の顔からは深海に居たせいで、
大粒の塩水が浸水していたのだ。
鈴はさらに驚いて居たようだ、
今度は元気付けようとしてくれた。
「そんなに泣いてたらばっちりメイクもボロ落ちだよ、
里奈の家行こうぜ。」
少しあせった様子で私の手を引いて電車に乗った。
電車の中でも手を繋いでいて傍目から見たら、
カップルだと思われているだろうしかも喧嘩後。
しかしながら鈴へそんな感情はない。
でも久々に友達だと感じることが出来て嬉しかった。
里奈の家に少し迷い2人でこっちだ、
あっちだと方向音痴振りを披露している内に大体の事は忘れられた。
里奈の家に着いた頃はやっと着いたぜと鈴は言い、
なんだか私はぼんやりした嬉しさを感じた。
里奈の家は私にはとても暖かい場所に感じた。
里奈は部屋が片付いていないらしく締め出され、
今日は居間に居る事になった。
何故か夏が近いのにコタツが片付けられていない。
鈴は不思議だぁ〜と言いながら冷たいコタツに足を滑り込ませていた。
パートから帰ってきた里奈のママも一緒に楽しい話をしながら、
途中でお昼の食事を出してくれた。
暖かい食事が素直に嬉しく思った、
手間は一切掛かっていないおかずはスーパーで買って来たらしい、
漬物とサラダに食後のプリンだった。
私の周りには喋り楽しむ事が出来る人達。
それだけの食事と団欒だけでも、十分私を楽にしてくれていた。
このままで十分な幸せだ、
これ以上は要らないし、
これ以下の普段の生活も嫌だと思った。
今が永遠に続いて、
この生活だけをただひたすら続ける事が出来たならば、
きっと私は全てから変れる事を確信できた。
里奈のママとゲームをした、ゲームは格闘技だ。
鈴が持ってきたらしいがキャラが全員美女のみ・・・
キャラに野郎は1人も居なかった。
読んでくださってありがとうございます!
誤字脱字は見逃してやってください^^;