8話 しんかい
このままではイケナイということ、
そして変わらなくてはいけないことを感じている。
でも、今を変えるが出来ないことも知っているのだ。
私の心はただ漠然としている。
ひたすら腐っている私は、
いつか壊れていくのだろうそう思った。
さっさと寝よう。
時間は動かなければすぐに過ぎていくのだから。
朝、鈴からの電話で目が覚めた。
いつもと変わらずに、鈴は遊ぼうと言ってくる。
鈴らしい発言だが、この家の中で聞ける鈴の声は暖かく感じる事が出来た。
「愛ちゃ〜ん暇だから遊ぼう〜〜、つうか里奈の家いこーよ」
「里奈は良いて言ったの?」
「ぜんぜんOK牧場だって、マジでウケる」
約束を取り付けた。
「じゃあ、10時に駅前でね。遅刻無しだぞ鈴」
ハイハイと鈴の返事が聞こえる。
私はとにかく早く家から離れたい一心だ。
鈴と里奈といる時だけ、
私の心はくらげじゃなくなっているように感じる。
部屋から出て玄関に逃げようとすると、母が来た。。
「あんた、何処行くの。
またあの里香とか言う不良の馬鹿のところ
これ以上馬鹿と付き合わないでほしいわ、
徳に悪影響があったらどうするの。徳は受験なのよ」
私は何も答えなかった。もううんざりだ。
この前寄ったペットショップでくらげの入った水槽を見つめていた時に、
「くらげは物を言わない、何も分からない。でも本能で感じることが出来る」
とペットショップの店員は言っていた、
私と同じだと思った。
本能でもう彼ら(家族)を嫌っているのだ。
何も答えずに出て行こうとした。
「あんたがいると徳に悪影響だわ、、、、
産まなきゃ良かった。何で産んだのかしら・・・」
ため息の含まれた声が私の耳に侵入してきた、
勝手に産んだのはお前の癖に、
私だって好きこのんで生まれたわけじゃないのに。
体が炎に包まれたように、熱くなるのが私には分かった。
大きくドアを開けて走って家から離れた、走って走って走りまくった。
駅につく頃には息が上がって呼吸が出来なくなっていた。
もう、目から出て来そうな涙という塩水が海の底に私を突き落としていくように感じた。
本当、私には何一つ残っていないように思えた。
またまた読んでくれてありがとうございます!