53話
そっと受けとった水を小さく飲んでいる里奈を見てそっと目をそらした先に
鈴の小刻みにでも気がつかれないように後ろに回した手を見た。
誰もが何もかも夢でこれが現実ではないと信じさせてほしいのだと白い真っ白くなっていた頭にそう焼きこまれた。
足をそっと後ろに引くとちくりとかさつく何かが足に刺さった。
そっと足をよけると開けられた薬のシート、書いてある文字で読み取れるのは250の字
シートは3つ飲まれた後があった。もう250の数字他にもかさかさと銀色に鈍く光る薬のシートだけが見えていた。
目からぽたりと熱い雫が私の頬を通った。
それで何か変わることがあるのだろうか、ただ私は無力だった。
鈴がか細い声で私につぶやいた。「ソファーに毛布用意しとけよ」
それだけ言って、鈴は振り向いたりしなかった。2つの事は誰だって出来ない。
頭の中は里奈はエイズだって聞いたけど、そんなに早く進行する訳ない。そう分かってる。
それでも、私の頭は混乱してばかりだ。もし強い波に叩きつけられたなら私の脳はこうやって揺れるのだろうかクラクラと。酷く悲しい。ソレだけが私の今の本能を揺らしている。
私はまた、逃げるのだろか。逃げて、どこに漂うのだろう。
鈴も、里奈も、家族も全部見捨ててドコに行けるって言うんだろう。
かさかさと足に刺さるシートを見ないように私はリビングへゆれるように歩いた。
クローゼットから閉まっていた、薄い毛布を二つだしてソファーに敷いた。
夏でもきっと冷たい水を飲んだから冷えるだろうと思った。
びっくりするほどお久しぶりです、もはや読んでくださっている方は少ないのでは。。。汗と思いながら、、、
実は1度この小説をちょっと出版社の方に送ったのですが、その後私自身限界な事がありすぎて、そこから連絡をノータッチでした。
その頃の担当さんごめんなさい。
1度電話までくれ、資料を送ってくれた2名の社員さん本当すいませんばっくれて、、、汗
いやもう記憶の片隅にしかないだろうなーと思ってるんですが。
とりあえず、仕事にも就いたり、どんどん回りが変わって、居なくなって、本当セツナイと嬉しいの繰り返しでした。
8時間動労休憩なしとかで働いてる気がします。でも楽しいです。
読んでくれている皆様も本当にありがとうございます。
毎年数回の更新で、ひどい文章でも読んでくださっている方本当ありがとうございます。
まだ続くと思います。本当とろい更新ですいません。