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40話

「ただいま」

鈴はそういって家に帰ってきた。

何が変わったわけじゃない、でも鈴の雰囲気は確実に

暗くて重い何かが取り付いているようだった。

「遅かったね、、、鈴」

そう私が言うと、鈴はああ、とそっけない言葉を返してきた。


どうだったとかそういう言葉は私にはいえない。言っていいはずがないから。

鈴はリビングのソファーに音を立てて座り込んだ。何かが崩れるように座った。

何も言えず、私は客が来たかのように鈴にお茶を出した。

鈴は私が出したお茶をじっと見た後、手にとって少し飲んだ。

私はソファーには近づけず立ち尽くしたまま鈴を見つめ続けた。

何が変わったか、何も変わっていない。でも渦は何もかも飲み込んでいるというだけ。

里奈は、と私はやっと声に出して鈴に聞いた。


「里奈はもう退院してる。」


「そう、、、、手術長かったの?」


「いや、日帰りぐらいで済むんだよ、手術って。」


私はただそれを聞いてうつむくだけだった。

なのに鈴はたぶん里奈のところにずっと居たんだろうと思う。

鈴は、多分この国で馬鹿みたいに不器用だ。そして私は、全てから逃げている。

気まずいその重い空気に私は耐えられなくなって、寝室に行こうと歩き出した。


「愛名、里奈さHIVなんだって。俺も検査しろって言われたけどさ、

俺SEXしてねーし。笑っちゃうよな。。。

なあ、愛名、俺にどうしろってんだろな、神様って絶対いねーよな。馬鹿みてぇだな俺達。」


私は目からぼろぼろと涙かでた、それを聞いて悲しいのか、里奈が哀れなのか、

鈴が哀れなのか、鈴や里奈から離れようとした自分の浅はかさに腹が立っているのかわからない感情が足元から胸までぐちゃぐちゃと広がっていくのを感じていた。

こんな世界なんて、本当に滅びてしまえばいいとただ強く願った。

私はその場に座り込んで子供のようにただ泣きじゃくった。

鈴は何も言わず、自分の寝室に帰っていった、その後壁を殴る音が数回聞こえた。

その日私達は顔をあわせなかった。一緒の部屋にすんでいて、一緒の空間に存在しているのに。


朝おきてリビングに行くと、鈴も同じようにリビングに来る途中だったらしい

私達は酷く困惑した、会いたくなかったのだと思う。

とても気まずく感じた。


「おはよう、愛ちゃん」


「おはよう、、、、」

私達は気まずいままソファーに座り込んだ。

鈴も私もただただソファーとセットの白いテーブルをひたすら見続けた。

一瞬鈴がこちらをじっと見た後に

「里奈に会いに行こう。」

そう強く私に言った。多分鈴は言い出したらきかない。

私はただ軽くうなずくだけだった。

まだ、、、続くんですスイマセン

最終話は何気なく書き終わっているんですが

つなぎの話がどうしても下手で、、、スイマセン

読んでくださっている方ありがとうございます

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