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39話

鈴と私は蒸し暑くて、重くのしかかる日差しの中、無言で帰ってきた。

エアコンが付けっぱなしだった部屋は、やけに肌寒く感じた。

私は、鈴の言った意味もわかっている。でも結論が出せずにいる。

出せないんじゃない、出したら、私が一回でも口に出してしまったら、

それがすべて変わってしまうそんな気がしていたからだ。


鈴は冷たそうな飲み物を私に差し出した。私は何も言わず鈴からそれを受け取った。

それを飲み干して、私は部屋に戻った。ひどく眠くて、そしてひどく不快だった。


「、、、どうして、こうなっちゃうんだろ」

枕を抱きしめてつぶやいた。

そこに帰ってくる答えはない。みんな近くにいるのに、心はひどく遠くて

そして、現実は残酷だ。


私はもやもやした気持ちが晴れずにうだうだとこの部屋で、1日がくれるのを祈った。

気がつくと蒸し暑くて、ピピピピピという目覚ましの音で目が覚めた。

ぼんやりと昨日のことを思い出して、自己嫌悪と夢ならいい、

このまますべてが終わってしまえばいいと少し本気になって考えた。

リビングに行くと誰もいなくて、鈴の書置きが目に留まった


『病院、いってきます。1、2日帰りません。ご飯適当に、家汚すな。 鈴』

それだけ書いてあった。


あれは、やっぱり現実だったんだと私は悟った。

病院、そう、里奈の中絶のためにだ。

まるで、現実じゃない、そんな気分だ。

きっと私に起きている事じゃなくて、鈴と里奈に起きている事だから余計に現実味が沸かないんだろう。


へなへなと私は少しその場に座り込んで、床に寝転んだ。

何もない天井を見てこの暗い夢が終わるように願った。

ボーっとしていると携帯が鳴った。なんだろうと思ったら、バイト先から。

そういえばバイトの時間だ、行かなくてはいけない。

そう思って化粧と服を決めて重たい足を引きずって外にでた。


お酒を飲んで、セクハラなのか欲求なのかそんな客とうるさく騒いで、なだめて

仲間と騒いで、バイトの1日は過ぎていく。

私は、今、あの家に帰りたくないのかもしれない。

答えを出すのが、いやだから。


鈴が帰ってきたのは少し遅れた3日後だった。

長くてすいません〜汗

読んでくださっている皆さんありがとうございます~~汗

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