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小さいころの写真

作者:
掲載日:2014/02/17

小さいころの写真は箱の中、ずっと押入れの中に放置していた。


見返すことは、何年もなかった。


かわいくにこにこできていた頃と、今を比べてしまいそうで怖かったから。



だけど今日は、なぜか見る気になった。


先のこと思い悩むくらいなら、写真でも引っ張り出して少しだけ過去を振り返ろうかな?と思ったのかもしれない。


空けられていなくて埃かぶった箱をゆっくり空ける。


溢れるくらいの写真がそこにあった。


ほとんどが、私の写真。


生まれてすぐの姿から、8歳ぐらいまでのもの。


今よりもずっと若い、おばあちゃんや母に抱かれて、幸せそうな私。


嬉しそうに、楽しそうに、笑っている私・・・


これが、本当に自分だったかな?と疑うぐらい。


無邪気な笑顔を見せる、どこかの知らない子のように思った。


今のこの姿も、時が経って大きくなっただけで、おんなじものなのに。



きっと、今までの間に創り上げられた、自分自信にとらわれていたんだ。


大人になった今の姿に戸惑っていた。


大人として見てくる、人からの目線にも。


気持ちはまだ、ついていけなくて。


いつまでも子どものままで。


きっと写真に写る、小さな自分とかわらないくらいに。


ただ、あの頃は今抱えてる不安なんて、なかった。


希望しかなかった。


いつだって自分の世界で、楽しい夢ばかり見てたよ。


いつの間にか心の余裕がなくなって、うまく笑えなくなった。


こう在らないといけない。なんて無理に大人になろうとした。


でも無理だった。


幼い心で生きていた自分が、急に大人になることなんか、できなかった。


そんな自分を受け入れられずにいたんだ。


本当はずっと泣いていた。


自分自身を恥ずかしく思うたびに、別の誰かになれたらって願うたびに、


私の中にいる子が悲鳴を上げた。


きっとその子が、写真に写る子だったのかもしれない。


本当は、認めたいんだ。


誰の目も気にせず、自分のことをバカにせず


私の中の子を守るために、堂々としていたい。



写真の中で笑っている子は、確かに、私自身。


だからもう一度、無邪気に、楽しそうに、幸せだよって、笑ってみようかな。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 月様 初めまして。お邪魔いたします。 エッセイ、読ませていただきました。詩のようなものを読んでいるような感覚にさせる、月様独特の雰囲気を持った作品でした。 溢れるくらいにたくさんの写真、…
[一言] 昔の写真って、不思議な気持ちになれますよね。 寂しいのに、元気になれるから不思議です。
2014/02/17 23:55 退会済み
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