入部編
ほぼノンフィクションですが名前は変えてあります^^
厳しい暑さがまだ続く9月あたま。
ホテルから貸切バスに乗ること30分。
バスが止まり、部員がいっせいに降りだす。
「うわぁ…」
目の前には、石レンガ造りの建物が。
そこは、隣の県の大きな音楽ホール、ミュージックテルサ・ラピス。
ここで演奏できるんだと思うと、なんともいえない幸福感がこみ上げる。
ずっとここを目指してきたのだった。
思えば長い道のり、しかしあっという間だった気もする。
この部活に入ろうと決めてから2年5ヶ月、か…
―中学入学
中学に入学して、部活を迷っていた私、鈴波ハルカ。
美術部にしようか、吹奏楽部にしようか…。
登校途中はそのことであたまがいっぱい。
迷いに迷っていた。
あと少しで学校だ…
と思ったら、なにやら音楽が聞こえる。
放送している音じゃないなぁ…
何だろう、この引き込まれるようなハーモニー…
前庭に着くと、そこに現れたものに目を奪われた。
数々の打楽器。
きらきらと光を反射する、管楽器。
それに負けない、演奏…
まさしく、吹奏楽部の勧誘ステージだ。
この音が、学校の近くで聞こえていたのだ。
ほかの部活動の勧誘が、目に入らなくなるくらい魅力的だった。
そこで私の意思は決まった。
「吹奏楽部に入ろう!」
4階の1年生教室まで響いてくる、美しいフルートの音色。
力強い打楽器・低音楽器。
明るい音色のトランペット。
旋律をリードする、中音楽器。
その虜になってしまった。
体験入部、仮入部と日々は過ぎ、とうとう本入部申込用紙が配布された。
親には、「3年間続けられるんだったらいいよ」と言われた。
「もちろんつづけるよ!」そう答えた。
そして、本入部。
顧問の伊藤先生。
足が長くて細くて、うらやましいくらいのスタイル。
ショートカットの黒髪。
大きな瞳。
「この部活は、キツイ部活です。仮入部の際、3年間続けられますかと言いましたね。
それを話しても、あなたたちはやり通すんだという覚悟を持って入部しましたね。
すばらしい。3年間、がんばって下さい」
そう先生は言った。
楽器を決めるテストを各楽器でして、いよいよ担当楽器発表。
伊藤先生から発表を全部員の前でされる。
「では、発表をしていきたいと思います。呼ばれたら変事をして、そこのパートへいくこと。担当することになった楽器の先輩に挨拶をするように。フルート、白井香苗」
「はい」
「諏訪亜佐美」
「はい」
「クラリネット、波田香奈子」
「はい」
「吉田那美」
「はい」
「金子香織」
「はい」
「テナーサックス、弦槙麻子」
「はい」
「バリトンサックス、小柳冬子」
「はい」
「ホルン、岩美菜々子」
「はい」
「樋口由真」
「はい」
「トランペット、近藤藍子」
「はい」
「鈴波ハルカ」
呼ばれたぁぁぁぁぁー!!
「はい」
トランペットパートの先輩の下へと早足で歩く。
マジか、トランペットなのか・・・
「ハルカ、よろしくね」
となりの数代夏輝先輩が声をかけてくれる。
「よろしくお願いします、夏輝さん」
そうして全員の名前が呼ばれていった。
「では、パートで自己紹介などをしてください」
と、指示が出されると、
「「「はい!」」」
部員全員の息が合った返事。
そして、パートの時間になった。
パートリーダーは岡村有美さん、2年生の先輩は山崎朱音さん、金子秋穂さんの2人。
トランペットパートは全員で6人。がんばろう!
これからの部活、楽しみだなぁ。
つづく




