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レイコ熱唱!勇者ゼットゲイザーOP(アニソン熱唱シーン台本)

登場人物

レイコ: 熱血ブースター担当。ユウコの推しアニメを大声で歌う。

ユウコ: ブレイブ・ブースター担当。自分の推しアニメを歌われてテンションが上がる。

コウタ: 繊細な理性担当。熱血に耐性がなく、理性が崩壊寸前。

シーン設定

放課後の教室。三人が集まって、次の課題について話している最中。

[SCENE START]

コウタ

(鼻をつまみながら)

「ねぇ、レイコさん。その汗くさいタオル、少し離してもらえません?僕の理性のエントロピーが増大しちゃう……。」


(レイコ)

「あぁ?うるせぇな、コウタ。これは熱血の証だよ!今日も部活で汗流したんだから、当然だろ!


(ユウコ)

「そうよ、コウタ。それが熱い情熱ってものよ!それよりレイコ、あんたさっきから口ずさんでるの、もしかして私の推しアニ、『勇者ゼットゲイザー』のOP?」


(レイコ)

「おう!ユウコがいつも口ずさんでるから覚えちまったんだよ!しかもこれ、俺流パスタソースver.だ!いくぞ、聞け!」


(ユウコ)

(キラキラした目で)

「きゃーっ!聞かせて聞かせて!」

レイコ

(腕を組み、仁王立ちで、喉から血が出るような大声で)

レイコ(熱唱)


「モハビ、ゼットゲイザー! 勇気と友情!」



「おれが合わせたその時ガッチャリン!」


「モハビ、ゼットゲイザー! どわすれちまった」


「熱く燃える大切なパスタソース!」



「この腹にぃ、!」


(コウタ)

(顔を青ざめさせ、耳を塞ぐ)

「テロレロリーン!! やめて、レイコさん!歌詞が!歌詞が論理的整合性を保っていません!

「パスタソース」と「ガッチャリン」

の相関関係がゼロに収束しています!」


(ユウコ)

(興奮MAX)

「いーじゃない、コウタ!そこが熱血でブレイブなところなのよ!勇気があればパスタソースも最終兵器になるのよ!

「ガッチャリン!」

のところが最高に熱い!」


(レイコ)

「だろ?熱血が足りねぇんだよ、コウタ。お前も歌え!」


(コウタ)

(後ずさり、壁にぶつかる)

「嫌です!嫌です!僕のフリーボーイのノビルスーツが、この非合理な熱量で歪んでしまいます!誰か、誰か僕に理性の冷製スープを!」

(レイコ)


「勇気と友情!」


(ユウコ)


「ブレイブ・ブースター!」


(コウタ)


「テロレロリーンッ!!」


[SCENE END]



 

レイコが完成させた壮大すぎる『勇者ゼットゲイザー』OPテーマ

「俺のパスタソースver.」

。そのあまりの熱量に、当のゼットゲイザー推しであるユウコは興奮のあまり、これを非公式ながらも最高の公式ソングとして扱うことを決定する。


「レイコの歌は、まさにブレイブ・ブースターの源よ!この熱血を世界に広めるために、私たちがプロモーションビデオを作るわ!」


こうして、ユウコ(演出・作画担当)とレイコ(歌唱・熱量担当)による、熱すぎるPV制作プロジェクトが発足する。しかし、このPV制作の非合理的で非科学的なプロセスは、理性と計算を愛するコウタを絶望の淵に追いやるのだった。

(コウタ)


「待ってください!PVを制作するにも、まずターゲット層、予算、そして何より『パスタソース』の必然性を論理的に定義する必要がある!このままではフリーボーイのAIでも処理不能なバグが発生します!」


(レイコ)


「細かいことはいいんだよ!俺の熱いパスタソースの魂をぶつけるだけだ!な、ユウコ!」


(ユウコ)


「ええ!コウタ、あなたには非合理機動システム……じゃなかった、映像編集をお願いするわ。あなたの繊細な計算能力で、この熱血を最高の形でパッケージしてちょうだい!」


コウタの理性は持つのだろうか?そして、彼らのPVは一体どんな仕上がりになるのか!?



 第24話:パスタソースの論理的難問

1. 究極の非合理ソングの誕生

超あまあまイチャコラ回の翌日。コウタは、アイリーンにドロップキックされた腹部を押さえながら、なんとか理性を再起動させていた。


「昨日の出来事は、全て非合理的な感情の暴走だったと、ノビルスーツのAIが報告しています。今後、漢気400kgとの接触は、物理的な危険性があるため避けるべきです」


コウタが冷静に自己分析を終えた瞬間、レイコとユウコが彼の机を叩いた。


「コウタ!聞いてくれ!私、勇者ゼットゲイザーのOPのフルバージョン、完成させたぞ!」


「レイコの歌は、私たちのブレイブ・ブースターを最大出力にするわ!コウタ、あなたも感動するわよ!」



「待ってください!レイコさん!昨日口ずさんでいた『パスタソース』の時点で、すでに論理的な整合性が破綻していました。これ以上、僕のフリーボーイの精神感応システムに、非合理なデータ入力をしないでください!」



「ふん!熱血に理屈は要らねぇんだよ!いくぞ、コウタ!これが、熱血と勇気の魂の叫びだ!」


レイコは、窓の外の青空に向かって、大声で熱唱を始めた。ユウコは、その隣でサイリウムのように手を振り、歓声を上げる。



2. レイコの熱唱:ゼットゲイザーOP

「俺のソースver.」


レイコ(熱唱)


「ひかり輝く 幾千万の 俺のソースが散りばめられた」


(コウタ)

(メガネを直しながら)


「待て!幾千万のソース?それは質量保存の法則に反します!」


レイコ(熱唱)


「小麦粉の中にうごめく お皿に向う 君を信じたから 何も恐れないさ」


(コウタ)


「うごめく小麦粉?それは生命体ですか?そして、お皿に向かう『君』とは誰を指すのですか?レイコさん、早く論理的な主語を設定してください!」


レイコ(熱唱)


「モハビ、ゼットゲイザー! 勇気と友情!」



「おれが合わせたその時ガッチャリィン!」


ユウコ

(レイコに合わせて、絶叫)


「ガッチャリィン!」


(コウタ)


「『ガッチャリン』は、何の音響効果ですか!?」


レイコ(熱唱)


「モハビ、ゼットゲイザー! どわすれちまった!」


(コウタ)


「どわすれ?何をどわすれしたんですか?記憶喪失は、パイロットにとって重大な欠陥です!」


レイコ(熱唱)


「熱く燃える俺のパスタソース!」



「この腹にぃ、!」


(コウタ)

(机に頭を打ち付ける)


「あああ!論理が、理性が、ソースで煮込まれて溶けていくぅうう!」




3. PV制作の決定とコウタの運命

熱唱を終えたレイコは、汗で濡れた顔を拭い、満面の笑みでコウタを見た。


「どうだ、コウタ!これで俺たちの熱血が分かっただろ!」



「分かったわ!レイコの熱血は、まさに世界を救う非合理よ!」

ユウコも大興奮だ。

(コウタ)

(虚ろな目つきで)


「……分かりました。理解しました。これは、僕の可動戦士フリーボーイの理性を超える、究極の非合理生命体ソングです」


(ユウコ)


「さあ、コウタ!この最高の歌に、最高の映像をつけて、全世界に配信するわよ!あなたには、私たちの情熱を論理的に映像化する役割をお願いするわ!」


(レイコ)


「コウタの繊細な計算能力なら、俺たちの熱血を最高のPVにしてくれるはずだ!」


(コウタ)


「映像化……論理的に……」


コウタの脳内では、幾千万のソースがうごめく小麦粉と、フリーボーイのノビルスーツが衝突し、火花を散らしていた。しかし、彼には抗う力が残されていなかった。

(コウタ)


「……分かりました。僕が映像編集を行います。ただし、僕のフリーボーイの美学に反するシーンは、論理的に却下します」


レイコ&ユウコ


「やったー!」


コウタは、レイコの熱血とユウコの勇気に屈し、

「非合理PV制作」

という新たな戦場に立つことになった。彼の理性は、この映像制作を通じて、どこまで論理を保てるのだろうか?

次なる難題:コウタは、如何にして『うごめく小麦粉』の映像を、論理的に成立させるのか?




第25話:理性の崩壊と、懐かしさのテロレロリーン

1. 非合理性の編集作業

学園のメディア編集室。高性能なワークステーションの前に座るコウタの額には、すでに冷や汗が滲んでいた。目の前のモニターには、ユウコが手描きで描いた

「勇者ゼットゲイザーOP」

の絵コンテが映し出されている。

コンテには、ゼットゲイザーが空を飛び、その背後から

「幾千万のパスタソース」

が流星群のように降り注ぐシーンが描かれていた。


「どうして、ソースがこんなにも……勇気と友情の間に、必然性がない!」


コウタの横では、レイコが汗だくになりながら録音した歌唱データがエンドレスで再生されている。

レイコ(音声)


「モハビ、ゼットゲイザー! どわすれちまった!」



「熱くもえる燃える俺のパスタソース!この腹にぃ、!」


(コウタ)

(頭を抱えながら)


「『どわすれちまった』で映像をフェードアウトさせるべきか?それとも『腹にぃ』に合わせてカメラをレイコさんの腹部にズームさせるべきか?論理が……可動戦士フリーボーイなら、こんなバグは即刻修正されます!」


ユウコが、コウタの肩にそっと手を置いた。


「コウタきゅん。難しく考えないで。これは私たちの愛と勇気の結晶よ。あなたの得意なフリーボーイのノビルスーツのように、映像を柔軟に歪ませて、熱血を表現してほしいの」


2. 理性の試練:元アニメの導入

コウタは、この非合理的なプロジェクトを、自分の理性の力で制御することを決意した。しかし、制御するためには、まずこの

「非合理」

の根源的なルールを理解する必要がある。


「分かりました。ユウコさん。この歌がなぜあなたとレイコさんの熱血/ブレイブ・ブースターの源になっているのか、その論理的起点を特定します」


コウタは、自分のワークステーションに、ユウコから借りた『勇者ゼットゲイザー』のアニメ全話データを取り込んだ。そして、キーとなるOP映像を再生する。

画面に映し出されたのは、宇宙から飛来する巨大なジェット機が、少年の叫びと共に勇壮なロボットへと変形合体するシーンだ。

(OP主題歌が流れ始める)


「輝け!勇気と友情!」


コウタの脳内で、警報音ではない、別の音が鳴った。


「テロレロリーン!」


これは、過去の記憶を完璧にスキャンし、懐かしさの感情の軌道を予測する、コウタの隠された能力だ。

(思わず声が出る)


「うわ…懐かしい……!」





3. 蘇る、少年時代の非合理

コウタは、画面に釘付けになった。

『勇者ゼットゲイザー』。それは、かつてコウタ自身も、複雑な計算や理屈抜きに熱狂していた、少年時代の思い出の象徴だった。彼は、あの頃、ゼットゲイザーの合体シーンを見て、ただただ

「かっこいい!」

と叫んでいた。


(独り言のように)

「このカットは……そうだ、ノビルスーツのスーツ解析よりも、こっちの友情合体シーケンスの方が、当時はワクワクしたんだった……」


彼は、一瞬だけ、可動戦士フリーボーイの理性的な世界から離れ、勇者ゼットゲイザーが支配する、情熱とロマンの世界へと没入した。


(ユウコ)

「ね、コウタきゅん!ゼットゲイザーは、やっぱり最高でしょ!?」


(レイコ)

「そうだよ!理屈じゃねぇんだ!熱血が、勇気を運んでくるんだ!」


二人の熱い眼差しに、コウタはハッと我に返る。彼の脳内は、ゼットゲイザーの勇気と、フリーボーイの理性が、最高のコラボレーションを始めている。

(再び冷静に、しかし目に光を宿して)


「分かりました。このOPには、論理を超える熱量が存在する。これを、可動戦士フリーボーイの超精密な映像編集技術で、視聴者に強制的に注入します」


コウタは、レイコの

「パスタソース」

の歌唱に合わせて、ゼットゲイザーが敵にトドメを刺すシーンの映像を、コンマ1秒単位で切り刻み始めた。


「幾千万のソースは、敵を撃破した際のビーム粒子の輝きとして表現。『どわすれちまった』は、敵のAIが論理的敗北によって記憶を失う瞬間と定義する。そして……」


彼は、レイコの『この腹にぃ!』という大絶叫に合わせて、ゼットゲイザーが必殺のパスタソース(超エネルギー)を敵に叩き込む、超豪快な必殺技シーンを、超高画質かつ超高速で編集し、映像に組み込んだ。




4. 究極の非合理PV、完成

コウタの徹夜の編集作業の末、ついに

「勇者ゼットゲイザーOP:俺のソースver.」

PVが完成した。

モニターから流れる映像は、超精密な編集技術と、レイコの超絶な熱唱、そして

「パスタソース」

という究極の非合理性が融合した、奇跡の映像作品となっていた。

(コウタ)

(ワークステーションの電源を落とし、安堵の息を吐く)


「完成です。僕のフリーボーイの美学に反しない、究極の非合理PVです」


(ユウコ)

(PVを再生し終え、涙ぐむ)


「コウタきゅん……すごいわ!この愛と勇気の熱量……完璧よ!」


レイコ

(目を潤ませ、コウタの肩を力強く叩く)


「コウタ!お前は、この作品の第二の父だ!この映像には、俺たちの魂が込められている!」


ユウコは、レイコと顔を見合わせ、深く頷いた。


「ええ!まるで……まるで私たち二人の子供が生まれたような気持ちだわ!この達成感は、ブレイブ・ブースター全開でも再現できないわ!」



「お前もそう思うか!この熱血と勇気の塊こそ、俺たちの愛の結晶(子供)だ!」


コウタは、自分の腹部をさすりながら、引きつった笑みを浮かべた。


「論理的に、僕の遺伝子は一切関与していませんが……まあ、非合理的な達成感というのは、理解できなくもありません。おめでとう、お二人の愛の結晶」


彼らの非合理的な挑戦は、また一つ、絆を深くしたのであった。



 第26話:熱血の制裁とコウタの敗北

究極の非合理PV完成後の制裁

コウタが

「非合理的な達成感というのは、理解できなくもありません」

と、自身の敗北を認めた直後のことだった。

レイコが、コウタの言葉にピクリと反応した。


「コウタきゅん……」


ユウコも、ハッと何かに気づいたようにレイコと顔を見合わせた。

レイコ

(笑顔だが、目が笑っていない)


「コウタ、お前……前に言ったこと、覚えてるか?」


(コウタ)

(警戒しながら)


「ええと……PVの論理的整合性の確保について、でしたか?」


ユウコ

(コウタの両側から、巨大な腕を伸ばし始める)


「違うわよ、コウタきゅん。あれよ。私たちが熱血ハグした時の、あなたの失礼な発言よ」


レイコ

(ユウコと同時にコウタを拘束)


「そうだ!『汗くせえ、離れろ!』だ!女の子に汗くせえは、あかんじゃろー!」


ギュウウウウ!

レイコは、コウタの頭を自分の熱血の証(汗と情熱に満ちた脇)にしっかりと固定する脇固めを仕掛けた!

(コウタ)


「ブゲェ!テロレロリーンッ!!過剰な蒸気!高濃度のプロテイン臭!理性が!理性が溶けるぅうう!」


コウタは両手を激しくバタつかせ、タップアウトの仕草を見せるが、レイコはそれを許さない。

ユウコ

(逆サイドから抱きつき、レイコと協力してさらに密着度を高める)


「俺も負けてられん!コウタきゅん!毎日嗅いだら慣れるって言ったのに、抵抗しちゃダメだよぉ!」



「やめて!やめて!慣れるのは非論理的だ!うわぁああ!熱血ブースターとブレイブ・ブースターの挟み撃ちだ!」


彼は、400kgの愛情と汗の温かさ、そして究極の非合理な香りに包まれ、ついに理性の限界を迎えた。

(コウタ)


「た……タップ……!もう、いいです……論理的敗北を認めます……」


コウタの意識は遠のき、完全に脱力した。

(気絶したコウタの顔をそっと撫でながら。

「もう、コウタきゅんってば、エッチなんだから♡ 熱血と勇気を味わうのが、そんなに好きなんだから」


(気絶したコウタを大事そうに抱え上げながら)

「うむ。素直じゃない奴だ。これで、愛の論理は理解したはずだ。さあ、次の戦場へ行くぞ!」


コウタは、

「愛の結晶(PV)」

を完成させた直後、その

「愛の母体ダブルヒロイン

によって、理性を完全に停止させられるのであった。




 

【第27話】理性の鉄壁 ~生徒会長カミムラ・セイジとの最終論戦~


1. 召喚状と理性の処刑宣告

朝のHR終了直後、コウタの机の上に一通の黒い封筒。

封蝋は

「絶対規範」

の紋章。差出人:生徒会長・カミムラ・セイジ(3年)。


封書内容


「貴殿らの映像作品『勇者ゼットゲイザーOP:俺のソースver.』は学園規範第47条『非論理的熱量拡散行為の禁止』に違反。即刻、生徒会室に出頭せよ。――執行部総意」



(レイコ)

「なんだそりゃ! ふざけんな!」


(ユウコ)

「私たちの愛の結晶を悪扱いするなんて、許さないわ!」


コウタ(顔面蒼白)


「……来たか。僕の理性が、最も恐れていた相手が……」



2. 生徒会室・絶対零度の論理空間

扉を開けた瞬間、空気が凍った。

中央に座るカミムラ・セイジ。銀縁メガネ、無表情、完璧な制服。

机の上にはPVの全データが1コマずつ解析されたレポートが山積み。


セイジ(氷のような声)


「赤星コウタ。君のテロレロリーンはこれまで黙認していた。

だが、『幾千万のソース』『うごめく小麦粉』『この腹にぃ』の三連撃は、学園全体の論理汚染値を2800%超に引き上げた。

これは明確なテロ行為だ。即刻、公開削除と反省文を要求する」



コウタ(震えながら一歩前へ)


「待ってください! あの映像はレイコさんとユウコさんの純粋な――」


セイジ(手を上げて遮る)


「純粋さは正当性の根拠にならない。

君の『懐かしさのテロレロリーン』も解析済み。少年時代の非合理データを盾にするのは、論理的逃げだ」



3. 理性VS理性 解析不能の攻防

セイジが指を鳴らすと、ホログラムにPVの全スーツが展開。

赤いエラーマークが無数に付与されていく。


セイジ


「0.3秒目:ソース粒子数が質量保存則違反

1.7秒目:『ガッチャリィン』は音響物理法則無視

最終カット:『この腹にぃ』は言語的・倫理的・物理的に存在し得ない

――君の理性は、ここで終わる」



コウタ(必死に反論)


「違う! あれはレイコさんとユウコさんの熱血と勇気が――」


セイジ


「感情の押し付けは暴力だ。君は400kgの非合理に屈服し、自らの理性を売った」



4. レイコ&ユウコ、乱入

バァン!!

生徒会室の扉が蹴破られた。


(レイコ)

「てめぇ! コウタをいじめるな!!」


ユウコ

「私たちの愛の結晶を侮辱するなんて、絶対に許さないわよ!!」



セイジ(眉一つ動かさず)


「規律違反の追加。退室せよ」



(レイコ)

「うるせぇ!!」


ユウコ

「勇気は無限よ!!」



5. 熱血ブースターVS絶対規範

レイコ&ユウコが同時にコウタを挟み、400kgハグ発動。

生徒会室の温度が急上昇。


(レイコ)

「コウタ! お前は悪くねぇ! 悪はこいつだ!!」


ユウコ

「そうだよ! 愛に規範なんてないの!!」



セイジ(冷静に立ち上がる)


「では、君たちも処分対象に加える」



6. 最終奥義・公開処刑

セイジがリモコンを押すと、巨大スクリーンにPVが映し出される。

――が、BGMが違う。

セイジが無音でスロー再生し、1コマずつ論理的欠陥を指摘し始める。


セイジ


「この瞬間、ソースの運動エネルギーが光速を超えている。相対性理論違反」



「この瞬間、小麦粉が自己意識を持つ描写。生命倫理違反」



「そして……この腹にぃ……」



セイジの指が止まった。

画面には、レイコの絶叫顔がドアップで凍結。


「この腹にぃ!!」

の口が最大に開いた状態。


セイジ(微かに震える声)


「……何……だ、これは……?」



7. 崩壊の序曲

コウタ(小さく呟く)


「……来た。セイジ会長の、唯一の弱点」



レイコ(ニヤリ)


「会長も昔、勇者シリーズ見てただろ?」



セイジ(メガネがわずかにズレる)


「黙れ……そんな過去は……」



ユウコ(スマホを取り出し、音量MAX)


「証拠映像、発見♪」



――画面に、10年前の学園祭映像。

小学生のセイジが、勇者ゼットゲイザーのコスプレで

「ガッチャリン!」

と叫んでいる姿。


セイジ(顔面紅潮)


「やめろ……! それは……!」



8. 最終決戦・この腹にぃ!!

レイコ&ユウコ&コウタ(三人同時)


「せーの!!」



三人

「モハビ、ゼットゲイザー!! この腹にぃぃぃぃぃ!!!」



生徒会室が揺れる。

スクリーンに映る

「この腹にぃ!!」

と現実の叫びが共鳴。

セイジのメガネが、ガシャンと床に落ちる。


セイジ(涙目で崩れ落ちる)


「……ガッ……チャリン……? なぜだ……なぜ私の胸が……熱い……!」



9. 理性の鉄壁、完全崩壊

セイジ(立ち上がり、震える手で)


「……削除は……取り消す。

このPVは……学園公式応援ソングに……指定する……」



レイコ&ユウコ

「やったー!!」


コウタ(安堵の笑み)


「……これが、僕たちの計算された非合理、ですか」



セイジ(最後に小声で)


「……次は……フルコーラスで……聞かせてくれ……」



生徒会室は、今日も400kg+1の熱量で満たされた。



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